異世界でみんなの飯テロ保護してます!

雪見だいふく

来訪者

 ピンポーン
 俺達の部屋にインターフォンの音が鳴り響く。

「朝から早いですねー」
「もしかしてクズ探偵じゃない?」
「また、やつが来たのか!?」
「そうなんだよ。昨日、お前らが寝てる時にな」
「なんで、その時間に一君と陽葵が……」
「「いや、違うから!」」

 俺と陽葵さんは声を揃えて否定をする。

「まぁ、とりあえず俺が出てくるわ」

 席から立ち上がり玄関へ向かい扉を開ける。

「おや。久しぶりですね」

 そこに立っていたのはサン・チューリだった。

「え、あ。久しぶりです。ここのホテルは本当に良くて、感謝してます! ところで……何の用でしょうか」
「おやおや。そんなに固くならないでくださいよ」

 と、肩を下ろされる。
 もしかして『巻いてください!』とか、言わないよな。

「実はあなた方に褒美を渡したいと、サン島の女王『サン・チョ』様が仰ってるんですよ」
「女王が……!?」
「そうです。女王がです。あなた方がこの島を守っていなければ肉地区への中継地であり最高のリゾート地であるこの場所が無くなっていた可能性だってあるんですからね」

 その原因を生みそうになったのも俺達ですけどね。と、返してあげたい。

「いえいえ……褒美なんて要りませんよ。護衛軍として守るのは当然です。元々、野菜地区を守るためにこちらに来たので」

 厄介なことになりそうなので断っておくのが正解だろう。ていうか、この島に居れること自体が褒美みたいなものなんだから。

「そんな事を言わずにこちらに来てくれませんか? ……ここだけの話。女王様はかなりわがままで……ぐだぐだ言い始めますのでお願いします」
「そ、そこまで言われたら断れませんよ」
「それならこちらとしても助かります。で、この島を出るのは明日でも宜しいですか? また、この島に招待しますので」

 またしてくれるのかラッキー。なら、明日でもいいか。

「はい。それでいいですよ……その代わりといっては何ですが条件が……」
「な、何でしょうか」

 そう。俺は次この島に来たとして絶対にやりたい事がある。これだけは何とかしなくてはいけない。

「次、来た時には『混浴』に入れるようにしてください。この前、出禁にされちゃったんですよー」
「な、何をしたかは聞きませんけど……分かりました。それでは明日の正午に来ますのでお願いしますね」
「はい。分かりました。それでは」

 俺は扉を閉め、部屋に戻る。そして、全員にその事を伝える。

「――って、わけだから明日、野菜地区に戻るぞー」

「「「「えええぇ!」」」」

「勝手に決めたんだから君が1人で帰ればいいじゃん。やだやだやだー!」

 陽葵さんを筆頭にそれぞれが不満を漏らす。

「安心しろ。また、招待してくれるってさ!」
「なーんだ。ならいいや!」

 それぞれが安心したように安堵の声をあげる。
 そんな中、翼1人が俺に文句を言ってきた。

「どうせ、そんなの戻らなくてもいいって言ってただろ?」
「そんな事ないかもしれないぞ。ていうか、お前ちょっとこっちに来い」

 と、3人から少し離れた場所に翼を連れて行き耳打ちで話しかける。

「おい……混浴に入れるようにしてやったんだから黙って帰ろうな?」
「まじか! なら、全然いいぜ!」

 俺は翼を連れ、元の配置に戻る。

「翼も今、説得したから今日中にやり残したことをとりあえずやろー!」

『おー!』

「やり残したこと……やり残したこと。一君。何か無い?」

 食べながら陽葵さんが俺に聞いてくる。そんなの、俺が分かるわけないだろ。

「なら……んー」

 俺は悩んだ果てに1つ思いついたので提案をしてみる。

「ダイビングにでも行きませんか?」
「いいね! それ!」
「私も行くー!」
「私もしてみたいですね」
「俺は釣りに行く約束を昨日のパーティの時にしたからパスで」
「なら、4人で行くか……ダイビング。なら、俺が準備とかするから部屋で待ってて」

 その後、俺は朝食をすぐに済ませてゴリさんのいると思われる家へ向かい扉をノックする。

「あの、すみませーん。ゴリさんいますかー?」
「おぇ。一か……何だ?」

 二日酔いでかなり具合が悪そうだ。昨日の仕返しでもしてやるか。

「今日、ダイビングに行きたいんですけど!」

 俺はゴリさんの腕を掴み引っ張ろうとするがなかなか動かない。

 ――残念ながら俺には仕返しをするほどの力がなかった。
 まぁいい。本題を進めよう。

「明日、この島から去るんですよ。それで、最後に綺麗な海でダイビングでもしたいなーって」
「……なら、ついて行ってやってもいいが明日、急に頼まれた船の運転で事故起こしても知らねぇからな……」

 それ。明らかに俺達だよな。事故なんて起こさず真面目にやって欲しい。
 その後、ゴリさんに水着というかダイビングする用の衣類以外を揃えてもらい俺達4人は着替える。と、いっても男女別々の部屋なのは当たり前なのだが。
 俺は更衣室で学と着替えてる最中にふと思う。
 この名前知らないけどスク水みたいなやつエロいな……早く陽葵さんと鈴菜のが見たいぜ。
 俺は胸をふくらませ砂浜で2人を待つ。

「「じゃじゃーん! どう?」」

 2人ともめちゃくちゃエロ可愛い!

「凄く良い!」

 俺達はテンションを上げながらダイビング用の船が停めてあるところまで向かいすぐに到着する。

「ヒック。そこに乗れぇー」

 ゴリさん。普段はめちゃくちゃ信用しているけど今日だけ異様な程に怖いんですけど! 船沈没させたりしませんよね?

「ねぇ、大丈夫……だよね」
「き、きっと大丈夫ですって! 楽しみましょう!」

 俺達は期待と恐怖を感じながら船に乗った。

取得スキル
皿洗いの極意 出前の初級術

カルビ名人 焦がし焼きマスター 山葵鼻つめ リーフターン 玉ねぎボンバー 土下座フラッシュ(晴れの時だけ使用可能) 水鉄砲(小) おっぱおビーム

迷惑客の対処 愛想笑い 協調性 驚き対策 ロリコン対策 ジャパニーズソウル 無神経

おトイレの付き添い 遊園地の支配 身体強化(全身)

つまようじ回避マン

お色家 変装『舞妓』

地球のゲームでもあったようなレベルの煽り 
演技『狂人』 主人公補正 騙される弱抵抗力

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