異世界でみんなの飯テロ保護してます!

雪見だいふく

睡眠

 トントン

 俺はそのドアを叩く音で目を覚ます。
 なんだよ……うるさいな。疲れてるって言ってんだろうが!
 他の4人は気持ちよさそうに寝ていた。
 寝付きが悪い人って本当に悲惨だよな。
 俺は玄関の方へ歩いて向かい、扉を開ける。

「何だよ……誰もいないじゃないか」
「ここにいたなんてね!」

 下の方から視線を感じる。
 はぁ。この展開どこかでしたぞ。

「忘れたとは言わせない! 僕の名前は加藤 真二だ」
「おやすみなさい!」

 俺は勢いよく扉を閉めた。くそがぁあああ! こいつのせいで睡眠を奪われるから逃げてきてんだぞ!

「うるさいなぁ……」

 勢いよく扉を閉めたせいか陽葵さんが目を覚まし俺のところまで来ていた。

「扉は静かに閉めてよぉ……」
「だ、だって……あいつが来たんですよ? クズ探偵! ゴミが!」
「……よし。ここのホテルを出よう」

 陽葵さんは間を置くと渋々、声を出していた。

「まぁ……とりあえず今日は寝ましょう」
「うん……」

 俺は布団に再び入り睡眠を取るために目を瞑る。
 疲れているはずなのになかなか寝付けないな。

「……」

 ピンポーン

 うおおおおお! うるっせぇんだよ! 頭まで痛くなってきたぞ?
 俺は聞かなかったことにして目を瞑る。
 すると、もう一度インターフォンが鳴り響く。
 知らない! 知らない! 聞かなかったことにしちまえば別に大丈夫だよな。

 ドンドン! ピンポン! ピンポン!

「くそがぁあああ!」
「うるさい! 黙って寝てろよ!」

 翼が起き上がり俺の頭を叩く。そして、すぐさま布団に戻り眠りにつく。
 俺じゃないんですけどー! なんで、俺の声では起きるくせにこの騒音で起きないんだよ!
 ……はぁ。出た方がもう早いな。
 俺は扉を開ける。

「よぉ!」

 そこには酒臭く、かなり酔っていると思われるゴリさんが立っていた。

「……うぇ。何でしょうか」
「お前もこっちこいよ! 祝って二次会してんだよ! ほらほら!」

 何? 張本人は1人も参加してないのにお前らだけで勝手に盛り上がってんの? そんなのに俺を混ぜるなよ。

「いや、いいです。それじゃ」

 俺は眠いし疲れていることもあり素っ気ない返事をしてすぐに扉を閉めようとする。

 ガッ

 扉を閉めることを拒まれる。

「あの……マジでいいんですけど!」

 俺は足ごと閉める勢いで本気で扉を引っ張る。

「おいおい。薄情だなぁ」

 向こうもかなり本気だ。

「おい! こっちに来てくれぇー」

 酒臭いおっさんが5人増える。

「ちょっ……待……」

 扉は勢いよく開かれた。
 俺は投げ出されるように部屋の外に出る。

「よぉし。行くぞー! お前はそいつの足を持て」

 担がれるように俺は酒臭いおっさん共にどこかにある連れて行かれる。

「やめろや! クソがあぁああ!」

 俺の声は無残にも届くことなくそのまま連れて行かれた。

「ほら。ここに座れよ」

 俺は宴会場のような和室の部屋に連れて行かれ、奥の座席に座らせられる。

「主役の登場だぜー!」
『うおおおおお!』

 周りのおっさん数十名が一気に歓迎してくる。そこに女性の姿はない。
 つまり、1ミリも嬉しくない。
 俺は真顔のまま数多くのおっさんを相手にする。
 油ギッシュな豚という言葉が似合いそうなおっさん。痩せていてヤギみたいなおっさん。
 おっさんの姿、形は十人十色。
 おっさん大図鑑を完成させられそうなほどにおっさんと会話をした。

「ヒック。そろそろお開きにしますか」

 あー飯は本当に美味いんだけど。マジで疲れた。
 卵の風味とカニの香りが鼻にくる茶碗蒸しや油がたくさん乗っている中トロの握り。その他にもボイル焼きや煮魚など本当に美味しい食べ物を食べさせてくれた。この人達なりに気を使ってくれたんだろうな……。
 俺はそう思い解散した後に1人1人のおっさんに感謝を伝えた。
 おっさんとの友情が結ばれた気がした。
 その後、俺は部屋に戻った。時刻は12時半を指していた。
 結構してたんだなぁ。我ながらにこの体でよくここまで持ったと思う。
 そう思い、布団に入るとあっという間に寝ていた。



「おはよう」
「おはよー!」

 おはようの挨拶で俺も目覚める。どうやら、俺が1番最後のようだった。

 「遅いなー! 早く起きなよー」

 お前らと違って、こっちは疲れてんだよ……!

「はいはい。すみませんね」
「もうすぐで朝食来るから」

 そう言われ座席に座ると五分もしないうちに朝食が目の前に並べられた。
 俺は美味しそうな朝食をいつも通り腹に入れる。
 全員、満足そうに食べていた。

「今日も美味しいねー」
「ねー!」

 味噌汁が疲れている体に染みる。
 くぅー! これだよなぁ。日本の食卓って感じがするぜ。
 とりあえず一段落付いたし何も起きないといいな。

 ――そんな時、1つのインターフォンが俺たちの部屋に鳴り響いた。

取得スキル
皿洗いの極意 出前の初級術

カルビ名人 焦がし焼きマスター 山葵鼻つめ リーフターン 玉ねぎボンバー 土下座フラッシュ(晴れの時だけ使用可能) 水鉄砲(小) おっぱおビーム

迷惑客の対処 愛想笑い 協調性 驚き対策 ロリコン対策 ジャパニーズソウル 無神経

おトイレの付き添い 遊園地の支配 身体強化(全身)

つまようじ回避マン

お色家 変装『舞妓』

地球のゲームでもあったようなレベルの煽り 
演技『狂人』 主人公補正 騙される弱抵抗力

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