異世界でみんなの飯テロ保護してます!

雪見だいふく

遂に船でのんびり!

 ピィー!ピィー!
 いかにも海にいる鳥じゃない鳴き声が……まぁ、俺の勝手な想像なんだけど。
 俺は今、戦いに疲れ報酬を貰ったりいろいろなことを済ませビーチチェアで寝ている。
「ふぅ。太陽が眩しいな」
 そんな太陽を闇に染める者がこの後すぐに現れるのだった。
 カァーカァー
 カ、カラス!?この世界にもカラスなんていたのか。
 そういえばカラスといえば糞!つまり、糞が大量に襲来してくるということだ。なんで、こんな豪華客船みたいな感じの船なのに対策されてないんだ……
 くそっ!もっと、早く気づいていれば対処できていたのに。俺はこのまま糞まみれになってしまうのか……!?
 だが、俺はこんなところで旅の書を終了させる訳にはいかない。

 皆の前で、
「ゴホン。一さんの死因はカラスの糞によるショック死です」
 なんて、死んでも言われたくない!
 俺はそんな運命を回避するために、右隣にあったビーチパラソルを構える。
 カァァア!
 カラスは厳つい声をあげてこちらに向かってくる。
 そして、上空から糞が五月雨のように降り注ぐ。
 うっ……傘をなんとか支えて糞には当たらず粘ったもののカラスはまたUターンして戻ってくる。
 このカラスの集団を例えるなら大名行列から帰る集団や田舎に帰っていた家族が都会から一斉に帰るような感じだ。
 1個目と2個目の例えじゃ全然意味が違う気がするけど。
 さすがにビーチパラソルだけじゃ、限界な気がするんだが……
 ていうか、さっきまでいた俺ら以外の人達はどこにいったんだよ!
 俺の周りの人はいつものことか。といった感じで、とっくに中に避難していた。俺に言ってくれても良かったのに……っと、そんなことを考えてるうちにまた、カラスがUターンしてきた。
 カアァア!
 べちゃべちゃっ。
 俺は華麗な傘使いで、糞を弾くというより受け止める。
 これなら、余裕だな。俺が華麗に防いでいると……な、なにっ!?
 流石……と言うべきだろうか。カラスの知能はやはり高かった。なんと、カラスはビーチパラソルをを直接、嘴で壊しにきたのだ。
「糞野郎!あっち行けよ!」
 徐々に傘が壊されていくのが分かる。
 メチメチッ。ミチッ。
 こいつら、自分の糞をつついてどうも思わないのか?
「おいお前!馬鹿か!早く避難しろ!」
 男がそう叫んでいた。そして、俺は自分の馬鹿さに気づいた。
 あ……傘をさしているんだから、そのまま避難すればいいのか。
「こっちこっち!おい、お前馬鹿か?カラスの集団に自分から突っ込んでいくなんて怪我するぞ?」
「すみません……所詮、カラスと思ってました……」
「まぁ、俺達の作戦の邪魔だけはすんじゃねぇぞ」
 ん……?あそこにも人がいんじゃねぇか!俺だけじゃないやん。
「よし。そのまま囮を頼む!スキル『クイックスラッシュ』」
 ジャキッ!
 カラスのような鳥が一斉に空から降ってきた。
「おい。もう出てきて大丈夫だぜ」
「あの、すみません。この、カラス?羽が白いんですけど……これ、もしかして、カラスじゃない鳥ですか?」
「カラスはなぁ。黒い羽は外側だけで内側の羽は白いんだよ」
 と、言い。男はそれに続き、楽しみにしてろ。とも、言った。
 俺は何を楽しみにしてればいいのか、分からなかったが、それとなく頷いておいた。
 そして、男は羽を取り、肉を取り出していた。
 ここで、俺が驚いたことはカラスの黒い羽を取った後は白いということだ。カラスのイメージだいぶ変わるなぁ……
 俺はかなり気持ち悪くなり、頭がおかしいんじゃないかと思いつつ、
「あの……カラスを分解して何してるんですか……?」
「だーかーら、楽しみにしておけって!へへっ」
 と、ニヤけた。
 俺はこの人サイコパスかな?と、思い。楽しみって、俺を分解することなんじゃないか?とも思えてきていた。
 そして、男は肉を燃やし始めた。
 あれ……なんかいい匂いがしてきたような……。
 俺は首を横に振り。いや、ゴミを食べてるようなやつだしな。でも、この国にはそういうカラスはいないような……
「お待たせ」
 なんと、カラスのステーキが皿に盛られ出てきたのだ。
「あの、これ食べなきゃダメですか?」
「まぁ、そう言わずここで会ったのも何かの縁と思って、な?」
 何が、な?だよ。食べたくねぇよ……。
 俺は用意されていたフォークに手をかけ、恐る恐るカラスの肉にフォークを刺す。
 カラスの肉を俺は口に運ぶ。
 ……こ、これは!
 脂身の少ない牛肉のような感じだった、でも、焼肉ばっか、食べてたからなんだか物足りないけどなかなかに美味しい!
 俺は普通に美味しいのパクパク食べていた。
「どうだ、想像以上に美味いだろ?」
「はい!美味しいです!」
 俺はなかなかに貴重な体験をしたな。と、思った。
 まぁ、こっちの世界にいること自体が凄いんだけれど。
 なんて事を考えて、ビーチチェアで寝ていると、
「一!おーい!」
 と、言う陽葵さんの威勢のいい声が聞こえた。
「もうすぐ、到着するわよ?」
「この感じは……かなり大勝ちしましたね?」
「ふふっ。分かる?」
 と、笑顔で答えていた。
 そして、たわいもない話をしていると野菜地区に到着した。
 バシャアッ
 船が止まると同時に波飛沫をあげる。
 ……到着したぞー!!
 俺はここでまた、新たな戦い?を始める!

取得スキル
皿洗いの極意 出前の初級術

カルビ名人 焦がし焼きマスター 山葵鼻つめ リーフターン

迷惑客の対処 愛想笑い 協調性 驚き対策 ロリコン対策 ジャパニーズソウル 無神経

おトイレの付き添い 遊園地の支配

つまようじ回避マン

お色家 変装『舞妓』

地球のゲームでもあったようなレベルの煽り 
演技『狂人』 主人公補正 騙される弱抵抗力

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