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第一回公式イベント


 アルバさんについて行って店の奥へ入った後、一通りポーション作成の手順を三日間、一日みっちり三時間も受けた。
 ポーションはFランクからAランクまでの六段階あり、F~Eランクまでは薬草、D~Cランクまでは上級薬草、B~Aランクまでは特薬草で作ることができる。現状でプレイヤー達が使っているポーションは大体が最低ランクのFランクで最高でもDランクまでらしい。C~Aランクは手軽にホイホイと作ることができず、仮に作ったとしてもほとんどは王都に回されプレイヤー達に売られることはない。
 さらに、現在はプレイヤー達による住民(NPC)たちへの態度 ー住民を意思のないNPCだと思っているー の悪化により、プレイヤー達に向けられる好感度は最低まで落ちてしまっている。このままの状況が続けばどこへ行ってもポーションが手に入らなくなってしまうため、一刻も早く改善しなければいけない事案だ。————私だけじゃ厳しいから後で雫たちと相談してみよう…。

 「ひとまず今日はこれで終わりさね。続きはまた明日やるよ。ちゃんとさぼらずに来ることさね」
 「はい、今日は色々と教えてくださりありがとうございました」
 「ふん、アタシは暇じゃないんだよ。ほらさっさと帰って休みな!」

 三時間も一緒にいた甲斐もあり段々打ち解けてきてアルバさんの私への態度が軟化してきたがまだ素直になれないらしく、少し言い方がきつくとげがあるが、私の身を案じての言葉に頬を緩めながら頭を下げて「失礼します」と言って店をでた。時刻も夕刻となってちょうど良い時間となったので宿へ戻りベッドに横になってログアウトした。




 翌日、夏休みの課題を遅くまでやっていたため昼頃に目を覚ました私は枕元に置いてあったスマホを確認すると雫からメールが来ていた。

(LWOにログインしてみてよ!運営から公式イベントのメール来てるよ!)

 「まだ、運営から一週間くらいしかたってないのにもう開催されるんだ」

 自分以外誰もいない部屋でそう呟いた。内容を見て一体どんなイベントが開催されるのか期待に胸を膨らませながらスマホを置いてヘッドギアを被ってスイッチを押した。


 目を開けて宿のベッドから起き上がり運営からのメールを確認した。

━━━━━━━第一回公式イベント バトルコロシアム━━━━━━━━━━

・A、B、C、D各ブロックで別れて予選を行い上位二名が決勝トーナメント
 へ進むことができる
・参加条件はプレイヤーであること
・1位から3位までは運営からの報酬が与えられる。
 (負けても参加賞がもらえる)
・使用禁止特技なし
・イベント開催は今日から一週間後
・エントリーは前日の十二時まで受け付ける

 みんな正々堂々と戦うように!




※あ、そうそう一つ言い忘れてたけど開催地は二番目の
 場所だから早く解放させないと参加できないぞ★

          from あなたの運営★より


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 この日、マチは既に森のボスを倒して次の街を解放しているため気づくことはなかったが、最初の街を出た先の草原の奥にある森では全プレイヤーと言っても過言ではない数のプレイヤーが押し寄せ森のモンスター達が蹂躙されたと言う。







 今日もアルバさんにたっぷりと約三時間くらいこってりと絞られた私は、公式イベントのエントリーをするため開催地である第二の街ーフェンハイル―へ向けて森の奥へと進んでいた。
 第二のフェンハイルはこの森-シバの森-の奥にある赤熊がいるところを抜けた先にある。先に進むためには赤熊に勝たないといけない。気絶から目を覚ました後、混乱していて見る余裕がなかったが赤熊を倒した後、-INFO-が来て第二のフェンハイルへ行くための条件がクリアされていたのを宿についてから知った。






「昨日よりモンスターの数がすくない…?」

レベルを上げつつフェンハイルへ向かおうとしていたが、何故かいつもなら森へ入ってすぐに少なくない数で襲ってくる森狼フォレストオオカミの姿が少なく、他のモンスターもあまり見かけなかった。怪訝に思いながらも襲ってくる敵を倒していった。森を抜けて次の街に着く頃には一レベルは上がっていた。第二の街-フェンハイル-は岩山や湖に囲まれた鉱山資源などが豊富な街である。この街では第一の街-ファーロン-と同じように神獣の一体を祀る神殿がある。
 既に街にはここまでたどり着いたプレイヤー達が沢山いた。マチは、まずエントリーするためにコロシアムへ足を運んだ。コロシアムの場所は目立つためすぐに見つけることができた。受付へ向かった先で良く見知った人物を見つけたので、驚かそうと思い背後へ回りこんで話しかけようとした……が、

 「うひゃっ!」

 不意に肩を掴まれて変な声を上げてしまった。変な声を上げてしまった羞恥心を抑えながら誰かと思い後ろを振り返った。

 「って、なんだヒロキか。驚かせないでよ、まったくもぅ…」
 「俺で悪かったな。それでお前はそんなとこで何してんだよマチ」
 「イベントのエントリーをしようとしたらたまたまレイを見かけたからちょっといたずらをしようと思って。ヒロキは?」
 「俺はレイが終わるのここで待っていたところだ」
 「そっか、ところで姿が見えないけど他のみんなは?」
 「エントリーが終わったから外で待機してるぜ」
 「そっか、じゃあ…」

 「お待たせ―…ってマチがなんでここにいるの?」

 と、言いかけたところでエントリーを終えたレイが戻ってきた。

 「私もイベント参加するために来たのよ」
 「マチも参加するんだね。じゃあ私たちは…」
 「うん、お互い敵同士だね」
 「そうだな、友達だからって手加減はしないからな」
 「勿論。私も手加減しないよ」
 「うちだって負けるつもりはないからね!」

 「「「じゃあ、当日にまた(ね)(な)!」」」





 ヒロキ達と別れた後、イベントに向けて調整を行うために岩山にきていた。

 「くぅ、硬い!」

 袈裟斬りに放った斬撃はゴーレムの硬いボディにあたり カァン! と甲高い音を響かせてはじかれた。岩山エリア-ウルバ鉱山-はゴーレムなどの岩石系モンスターが出現する。岩石や鉱物でできたボディには斬撃があまり効きにくかった。

 「《赤熊レッドウルステアーの爪》!」

 魔法を覚えていないため、中々ダメージが入らずじわじわと追い詰められていくことに焦りながら、ふと赤熊を倒した時に手に入れたユニークスキルの存在を思い出した。これでだめなら逃げるしかないと思いながら発動させた。すると、赤色でできた靄が発生し、熊の爪の形に変形して両腕に纏わり付いた。両腕だと刀が意味ないと思い、腕から刀に纏わせることはできないかと試したところ案外あっさりと纏わせることができた。

 「はああああ!」

 これならいける!と思った私は刀を上段に構え、そのまま振り下ろした。すると刀がまるで豆腐でもきったかのようにあっけなくゴーレムの体を通過して、その下にある地面を大きく抉った。私は、自分が放ったその威力に驚愕した。


 「これは強いけど中々連発できそうにないから切り札になりそうかな。しっかり使う場面を見極めないと…」
















 

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