異世界転移した俺は異世界ライフを満喫する事にした

森崎駿

死の提示と魂狩り

「五枚チェンジでレイズだとぉ!!!」
男はそう言ってゼロの胸ぐらをつかみあげる

「お前!ふざけてんのか!」
興奮している男に対してゼロは冷静に男の手を外す

「何を興奮してるヨ…アナタ自信があるネ…」
「それならワタシのこの行動はプラスしかない筈ヨ」
ゼロはそう言って男を挑発し、辺りにいつの間にか溜まっていた野次馬達に賛同を求める

「そうだそうだ!」「このまま続けろ!」
男は周りの野次馬達に蹴落とされ息を荒らげながら座る

「さぁ…お前もワタシと同じ金額を賭けるネ」
ゼロはそう言って男に賭け金を増やす事を促す

だが…男は『金貨1000枚』も持っていない
所持している金や衣服全てを売り払っても精々半分程度だけだ

「賭ける金が無いのなら…身体を売れば良いヨ…」
「幸いにもこのカジノの裏にはそう言う『商品』を扱う店があるよ」
それを察したゼロは手軽に金を稼げる方法を提示する
否、男にとっての死を宣告すると言うのが正しいだろう

「なっ…そんな事できる訳…」
男は勝負を降りようとするが出来なかった
なぜなら既にゼロに対して何度も勝利している…その勝利が枷となって男を縛り付けているのだ

「それじゃあ…さっさと始めるヨ」
ゼロはそう言ってカードをオープンする

『 7』『 8』『 9』『 10』『 J』

「どうしたネ…早くカードをオープンするヨ」
ゼロは二タニタと男を嘲笑う

「…『ストレートフラッシュ』だと…お前…そんなラッキーがある訳が無いだろう!!」
男は身体を震わせてゼロを睨みつける…

『フォーカード』…それだけでもこのゲームは勝利したと言っても可笑しくない…
さらに言えば男の手札は『Qのフォーカード』…
この手札に勝てる役というのは本当に数少ない…現在のゼロの立ち回りを見る限り出るのは奇跡とも言える…

だが…ゼロは出したのだ
数少ない『Qのフォーカード』に勝てる手札の『ストレートフラッシュ』を出したのだ

「さっさと負け分を払うネ…っと払えないんだったカ…」
「それじゃあ裏に行くヨ」
ゼロは立ち上がり男を連れて行こうとするが…男はゼロを押し退けて出口に走り出した


「…逃がす訳無いヨ」
ゼロは尻餅をついたが立ち上がりため息をつく

「負けた分はキッチリと支払ってもらうヨ」
ゼロはそう言って首を掴み天井目掛けて投げつける

すると首は天井につく前に静止して男を視認する
静止した首を中心に魔法陣が浮かび上がる

ゼロは首から胴体に手を突っ込んで中から長い黒の棒を取り出す
ゼロは足に力をいれて男の元まで一歩で詰め寄る

長い黒の棒から鎌の刃の形をした青い炎が出てくる
その後ゼロは下から上に掛けて切り付ける

すると…男は急に立ち止まりその場で倒れてしまった
その顔は血の気が引いており生気を感じられない

「『魂狩りソウルハント』…ワタシの視界内なら一撃死よ…」
ゼロはそう言って空中に留めていた頭を落として拾い上げる

「ひっ…人殺し…」
先程までディーラーをしていた女はそう言って外に逃げる様に出ていった

「…ワタシも行くとするカ」
ゼロは手に持っていた棒をまた首の中に収納した後に首を戻して男を持ち上げてカジノを出ていった

「異世界転移した俺は異世界ライフを満喫する事にした」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く