異世界転移した俺は異世界ライフを満喫する事にした

森崎駿

沖田の遺伝粒子(アーツ)と封印解除

「ユウ君!No.01ちゃん達が!」
レイカは現在変化の魔法を使って変化している
その理由が梨華に正体がバレないようにする為なので梨華が目の前にいる今不知火を取り出して戦う事ができなかった

「旦那様…後でキッチリと話したい事がある…結婚式は延期だ…」
「沖田!旦那様を拘束した後に俺の寝室に連れていけ!」
梨華は沖田にユートを拘束するように指示を出す
沖田は待ってましたと言わんばかりに万篇の笑みを浮かべて腰に携えていた刀の柄に手をかける

「ごく希に遺伝粒子アーツを二つ以上使える奴がいるって言ったよね?」
「実は僕もその一人なんだよ…」

遺伝粒子アーツー最強無敵の沖田さんの愛刀三種ー』
沖田がそう詠唱しながら刀を引き抜くと明らかに鞘の長さと合わない刀身の長い刀が現れる

「僕の遺伝粒子アーツは対峙する相手によって変化する」
「『加州清光』『大和守安定』…そして『菊一文字則宗』の三つの刀からね…僕の刀は相手を選ぶのさ」

「そして…選ばれたのは『菊一文字則宗』か…やっぱりユウ君は強いね…この刀が出たのは僕の代では初めてだよ」

菊一文字則宗は本当は沖田総司は使っていない
だが後世に伝承が伝わる内に菊一文字則宗は愛刀として言われるようになったのだ
偽りの歴史だが…偽りだからこそ本来のこの刀の奥底は計り知れない…即ち、沖田が持つ3本の刀の中で最強なのだ

「やっぱイメージ通り刀身が長いな…振り回されたりしないか?」
ユートは適当な話で茶を濁そうとするが臨戦態勢の沖田には効果が無く、そのまま牙突の姿勢で突進してくる

「もっともっと沖田さんは強くなるよ!」
遺伝粒子アーツー最強無敵の隊長沖田さんー』
その詠唱をした途端に沖田のステータス全てが上昇する…一つのステータスは著しく下がるが…
俊敏スピードの値を中心に上昇した事によりその速さはまさに閃光と言えるだろう

「行っくよ~~!」
沖田の姿が常人には見えない程の速度でユートに突撃する

「流石にそれはまともに食らったら無傷じゃ済まなそうだ」
ユートは足に肉体強化グロウアップを発動させてジャンプして沖田の牙突を回避する

「躱された!?…だったらもう一回!」
沖田はすぐに折り返し着地点を攻撃しようとするが折り返すために踏み込んだ場所に…
バナナの皮を踏んでしまい顔から地面に激突する

「……は?」
これにはユートも呆気に取られて着地に失敗する

「…ど…どうだ!わざと転んで相手の自滅を誘発させる作戦だったのさ!沖田さん大勝利!」
沖田は鼻から血が出ているが笑みを浮かべてVサインする

「沖田…お前まさか…さっきの遺伝粒子アーツで下がったのって…」
「『ラック』の値か?」
ユートがそう言うと沖田は口笛を拭きながらそっぽを向く
ユートは沖田の答えに対して苦笑を浮かべるしかなかった



「どうしたどうしたァ!動きが段々と鈍くなってきたぞォ!疲れたのかァ?」
No.01は群がってくる新選組を相手に七つの不適合セブンスドラッグと体術を応用して対処していた

人工的生命体ホムンクルスと言えど疲れを感じるNo.01は倒しても倒しても召喚される新選組に苦戦していた

「《危機》このままでは押し切られます…」
No.01は等々御しきれずに斬撃を食らい始める

「もうお終いか?じゃあ逝けやァ!」
近藤は片足をついたNo.01にトドメを刺すために斬り込む

「…《警告》即刻私への攻撃をやめなさい」
No.01は立ち上がり頭に付けていた狐の仮面を手に持つ

「カカッ!命乞いならもっと頼み込むように言うんだな!」
近藤はNo.01の警告を無視してそのまま斬り込む

「《了解》これより封印を解除します」
No.01はそう言うと手に持っていた狐の面を目の前に放り投げ、七つの不適合セブンスドラッグの内の火の玉を仮面にぶつける
火の玉が当たった仮面は激しく燃え上がり、人魂のようにゆらゆらと宙に揺蕩たゆた

『顕現するは焔の遣い…聖なる炎で悪しき魂を浄化せよ』
召喚サモン焔狐えんこー』

No.01の詠唱の後
人魂は徐々に尻尾が四つある狐へと変貌する
その姿は見るもの全てを魅了するかのように美しく…その毛並みは全体的に白いが所々にある赤い線の様な模様がまるで真っ白なキャンパスに描かれた芸術と言っても過言ではないだろう

『キュォォォォォォォォォォォォン』
焔狐は産声をあげる
その声は城内を駆け巡りその場にいる全ての者に自らの存在を証明しているようであった

「その狐がどうしたァ!」
だが近藤はそんな焔狐の事は特に問題視していなかった
いや、既に近藤にはNo.01の首にしか眼中に無かった

「《命令》焔狐、この場にいるだんだら羽織を着た男達を燃やし尽くしてください」
焔狐は命令されると同時に四つある尻尾を天を貫くが如くに逆立てて体に描かれた赤い線が赤く光る

焔狐の口から炎が零れ始め、それを勢いよく射出する
近藤は所詮は炎だと高を括りそのまま突っ込んだ
だが…その判断はすぐに後悔することになる

炎の壁を通り抜けた近藤はそのまま焔狐の横を通り抜けてNo.01の首を斬りに行くが自らの異変に気付き一旦足を止める

「なんだこの炎は…消えねぇ…しかもなんだ…力が抜けていく…」
近藤はその場に倒れ込んだ
近藤が倒れたのとほぼ同時に召還された新選組は消えていく

「《任務完了ミッションコンプリート》焔狐は仮面に戻っておいてください」
焔狐は最後にNo.01の刀を受けた傷を舐めて傷を塞ぐ
その後、焔狐は元の仮面の姿に戻った

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