異世界転移した俺は異世界ライフを満喫する事にした

森崎駿

毒蜘蛛とお偉い三!!!

「姿が変わった…いやそれだけでは無いのぅ…あやつから感じる魔力が数段に膨れ上がっておる…」
クローノはNo.91から感じる魔力だけで今後起こりうる全ての恐怖を暴力を読み取り冷や汗をかく

「私様の高貴なる姿の前では猛る獅子さえも餌と化す」
No.91はゆっくりと、そして確かに一歩一歩クローノに向かって歩んでいく

クローノはそんなNo.91に対して先程生成した槍を操作してNo.91の間合いに近付けない様にするがNo.91は槍を突きつけられてもそのまま突き進んだ

「無駄無駄、そんなオモチャじゃあ私は止められないよ」
No.91の体を槍が突き抜けるがNo.91はそんな事を気に求めずにゆっくりとクローノに近づいていく

「その顔よ…生きとし生ける者は己がちりに等しく思える程の絶対的な恐怖を目の当たりに絶望したその顔…素敵…この世の何よりも美しい…」
No.91は全身に纏っていた毒を右腕の橈骨と呼ばれる箇所に集めクローノに標準を合わせる

「蜘蛛の糸ってお尻から出すでしょ?あれって別に肛門から出してる訳じゃないのよ?だからこうやって手から出す事も出来るの」
No.91の橈骨から糸が噴射し、クローノの体を糸によって雁字搦がんじがらめに繭状に巻き付ける

その後No.91は繭状にしたクローノを口に運んで捕食しようとしたが手を止めクローノをまじまじと見つめる
「私達は今面白い事を思いついたわぁ♪」

「この妖精さんを私様の下僕に調教すれば役に立ちそうじゃない♪それにNo.102が死んで欠番が出来たし丁度良い!あなたもそう思うでしょNo.101」
No.101はNo.91の毒に巻き込まれないように端の方へ避難していた

「姫様がそう仰るなら私めはそれに従いましょう」
No.101はNo.91に対し片膝をついて敬意を表している

「それじゃあ一度本部の方へ戻りましょうか、まずはこの妖精さんの中にある邪魔な記憶をぜ~んぶマスターに消去してもらいましょう♪」
No.91はそう言うと口からナイフを吐き出しそれを胸に突き刺そうとした、その時であった
何処からともなく巨大な大剣がNo.101の体を真っ二つに斬り伏せた


「それはちょいと困るぜお嬢さん、そいつは俺の相棒の仲間なんだ…目の前でみすみす連れていかせねぇぞ」
No.101を斬り伏せた大剣を軽々と持ち上げそのままNo.91を上半身と下半身を切り分ける様に大剣を振るう

「誰…まぁ誰でも良いけど…折角上機嫌だったのに…ウザイ消えて」
振るわれた大剣を散らせてある毒を壁の様な形にして防ぐ

「お前か、この近辺の村を蹂躙して行ってるとう快楽殺人者はよぅ!」
男は防がれた大剣にそのまま力を入れて毒の壁をぶった斬る

「っ……この馬鹿力!」
No.91は大剣を避ける為に宙へ飛び男に向けて毒を練りこんだ糸を射出するが男はその糸を大剣でガードする

「上空へ避けるのは少し愚策ですね、なぜなら空中での急な方向転換は出来ないでしょうから」
No.91の背後から声が聞こえてくる
その方向を見ると二人の女が魔法陣を展開しながらNo.91を睨みつけていた

「状況は細かくは解りませんが…ユートさんの身に何かあればユートさんが乗っていた馬車の御者が所属している我々ギルドの責任にもなりかねませんからね」
ピンク色の目をした女は最近買ったであろうメガネをクイッと指であげながらNo.91に話しかける

「アップルお姉ちゃんったら、素直にユートさんの事が心配だから来たと正直に言えば良いのに~」
緋色の目をした女は姉のアップルの心情を見透かして肘でつつく

「私様を舐めるなぁ!」
No.91はそんな二人に痺れを切らして二人に毒を練りこんだ糸を射出する

「やばっ!お姉ちゃん!」
アップルとモモは展開していた魔法陣を発動する

『ー双竜の炎と氷ダブル・マジックー』
モモが飛んできた糸を氷で凍らせ
アップルが凍らせた物をまとめて燃やし尽くす

その魔法は糸を射出しているNo.91にまで到達するがNo.91は魔法が当たる前に糸を射出していた両手を切り落とす

その後地面に降り立ったNo.91は毒で手の形を造形した後糸で型を取ると腕は再生していた

「あんた達何者よ、一人は簡単に私様の下僕を一人殺しちゃうし…」
No.91は頬を膨らませて何本もある右足で地団駄を踏む

「俺か?知りたきゃ教えてやるぜ」
男がそう言うとアップルとモモは一箇所に集まる



男は持っていた大剣を地面に突き刺して筋肉を見せつけるポーズの一つである『バックダブルバイセプス』をしながら名乗る
「俺はユースティア王国のギルドマスターリョフ!」

先程姉と呼ばれたモモは『荒ぶる鷹のポーズ』をとりながら名乗る
「私はユースティア王国ギルドの副団長兼受付嬢のモモ」

モモの妹のアップルは某スーパーハイテンションギャグコメディの主人公が行った『夜叉の構え』をとりながら名乗る
「私はそんな副団長の妹でありギルドの縁の下の力持ちアップル」

「「「三人揃ってギルドのお偉いスリー!!!」」」
三者三様のポーズをとっている三人の背後で赤,青,黄色の爆発が起こる



No.91は口を開け呆然と三人を見つめている

「ギルドマスター…これ完全に引かれてますよね…」
モモが耳まで顔を赤くしながらヒソヒソと小声でリョフに問いかける

「何故だ…相棒が敵と対峙して名を聞かれた時には何かしらのポーズと爆発があれば完璧だと言っていたのだが…」
リョフはその時のユートの顔をよく思い浮かべてみるとその顔はこみ上げてくる笑いを抑えつけるのに必死な様子であった

「あ~…これユートさんに騙されたんじゃ…」
アップルは口を引き攣らせながらリョフに言おうとするが

「いいや!相棒がそんな事をするはずがねぇ!多分…」
リョフは最後の言葉は二人に聞こえないようにボソッと言う


「とにかく!その精霊は連れていかせねぇ!」
リョフはポーズを解き大剣を引き抜いてNo.91に突きつける

「……ハッ!…私様に逆らうのね…いいわ…あんた達は下僕にしないで食べましょう、文句は言わないでね?この世は弱肉強食なのよ」
半分放心状態にあったNo.91は意識を取り戻し三人に対して明確な敵意を向ける

「それじゃあ俺が勝ったらお前はその精霊を置いていけよな!」

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