異世界転移した俺は異世界ライフを満喫する事にした

森崎駿

イリーナの記憶 Ⅰ

まずは『カリス』の国が誕生した由来とエルフ族に存在する二つの種族について説明しよう

実はエルフ族には国は無く
元はある巨大な森に住んでいたんだ

それが『迷いの森』だ
我々が住んでいた時には『エルフの森』と呼ばれていたがな

そして白の森には元々エルフ族は二種類住んでいたんだ
白血種エルフ』と『黒血種ダークエルフ』だ

白血種エルフ
それは魔法神によって創造されし種族である
闇属性魔法以外ならほとんど全てを行使でき幼子であっても中級魔法くらいなら使える

黒血種ダークエルフ
それは武術神によって創造された種族である
武術に長けておりほぼ全ての武器を装備し扱う事ができる

しかしそんなエルフ族は同じ種族間であっても差別が起こっていた

白血種エルフの主張は
「魔法とはすなわち神より与えられた物!つまり神聖なものだ!神に愛されている象徴だ!」
「しかし黒血種ダークエルフ共はその様な魔法を一切使えん!それはすなわち神に愛されていない証拠!そんな種族が同じエルフだと思われるなど吐き気がする!」
といった主張だ


こういった主張はエルフ族のほとんどが共感しエルフの森に住んでいた黒血種ダークエルフ達は迫害されほとんどが他の町や他の種族の住処へ移ったんだ

そんな事がありエルフの森に住んでいたエルフ族の比率は
白血種エルフ 72%
黒血種ダークエルフ  28%
といった物になっていた

しかしこの残った黒血種ダークエルフの半数は自ら望んでエルフの森に残った訳ではない
彼等は白血種エルフ達の奴隷としてエルフの森に残っているのだ


そんなエルフの森の現状に一人の女が異を唱える
それが後のカリス国第一王女『ラウラ・レイ・カリス』だ

ラウラの主張は
「この世に住む生命に順列などないのです」
「魔法が使えない?しかし黒血種ダークエルフ達は他には負けない武があります」
「反対に我々白血種エルフ達は彼等がもつ武力はありません、しかし彼等にない魔法を持っています」
「ならばお互いに共存すればさらに強固で固い絆が生まれるではないですか」
「さぁ皆さん、手を取り合いましょう!」

この意見にエルフの森に住んでいた者達の心に響き白血種エルフ達は黒血種ダークエルフ達と手を取ることを決めました

そうしてエルフ達は新たな国を建てる事となりました
黒血種ダークエルフ達を迫害した地を離れ人類未開の地に足を踏み入れ国を創った

それが『カリス』という国だ


カリス国が誕生して数百年流れた頃
第一王女のラウラ王女が死に新たな王を作る必要があった

しかしまたここで新たな問題が発生した
『次の王は白血種エルフにするか黒血種ダークエルフにするか』というものだ

ラウラ王女が白血種エルフだったのだから白血種エルフがそのまま王として君臨するものだと白血種エルフは思っていたが
黒血種ダークエルフ達はラウラ王女は全ての生命に順列はない
つまり我らにも王になる資格はあると言い出しカリス国内では戦争…いや政争が起こっていた

そんな時の事だ
白血種エルフの一人の女性が一つの事を提案した
「なら二つの種族が交わりの子どもを作りその子を王にするのはどうでしょうか?」

その案に全ての者が賛成しその二つの種族の中でそれぞれ一番強い白血種エルフの女と黒血種ダークエルフの男を交わらせ子を作る事にした

そうして生まれた子がカリス国第二王女
『リーザス・レイ・カリス』だ
種族は白血種エルフであった




その後のカリスには特に問題は起こらず平和な時間が過ぎていた

そんなある日の事
カリス国内にあるスラム街に一人の少女が生まれた
その少女は二つの種族の間に生まれた
つまりはどちらかの血を引き継ぐ訳だがその少女は両方の血を受け継いでおり
半血種ハーフエルフ』であった

半血種ハーフエルフ
それは白血種エルフ黒血種ダークエルフの両方の血を受け継いだ者
しかし魔法は白血種エルフの様には扱えず武術も人並み程度である

そんな半端者が私という訳だ

そしてある日スラム街が取り壊される事となった
元々スラム街に住んでいた者達には新たな職と住処を提供すると説明された為特に反対はしなかった

そうしてスラム街に住んでいた私達はカリス国の王城で働く事となった

もちろん私も王城で働く事となった
しかし魔法も上手く扱えない武術も人並み程度であった私は役立たずの烙印を押され王城から追放されそうになった時に

「ねぇ?あなた私の側近として働かない?」
そう声をかけたのがリーザス王女であった

リーザス王女は生まれてすぐ王位を引き継がれた為同い年の友達などはいなかった
そして自分と対して年が離れていない少女を城で見つけなんとか近付こうとしていたがその少女がこの城を出ていってしまうという

リーザス王女は考えた
なら私の側近として働かせればこの城にいさせてあげられる
さらに言えば一緒の時間もできる!そう考えたのだ

もちろん反対する意見もあった
そんな半端者を側近にする必要は無いと
しかしリーザス王女は
「いや!私はあの娘がいいの!それ以外の人なんて認めないの!」と強く反論し結局私はリーザス王女の側近として王城で働く事となった訳だ

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