異世界転移した俺は異世界ライフを満喫する事にした

森崎駿

ミルシィの苦労と鏡花水月

俺とアルカはギルドへ向かっている

ドーラにはある武器を依頼してこの街にある工房へ篭ってもらってる

ん?ラウラはどうしたかって?
宿屋にまだいるぞ
「ちょっと一人にさせてちょうだい……」
と言ってたからまぁすぐに追いかけて来るだろう



そしてギルドへ到着した俺達はカウンターに行く
「ギルドマスターのフェーリに話がある、ミルシィでも構わない」

「今フェーリ様はまだ寝ているのでミルシィ様になりますね」
あいつはほとんど寝てるじゃないか
ちゃんと仕事をしてる時はあるのか?

そしてミルシィが待つ部屋に案内されると
一瞬ミルシィが苦虫を噛み潰した様な顔をした後に笑顔に戻し
「昨晩はお疲れ様でした、教会のシスターさんからお礼も届いてますよ」
そう言って机の上に銀貨五枚が置かれる

「それで今回は一体どの様なご用で来たのですか?」
早く帰れと顔に出てるぞ

「今回は別に来る必要は無いと思ったが一応の挨拶程度に来たんだ」
「俺達は今から骸の王リッチー討伐に行ってくるそれだけだ」
俺が軽くミルシィに言うと

「ちょっと待ってください!そんなの許可できる訳ないですよ!」
「別に許可を取りに来た訳じゃない、言っただろ?挨拶程度に寄っただけだ」
ミルシィが鳩が豆鉄砲をくらった様な顔をしている

「ちょっと待ってくださいユート!骸の王リッチーってあの骸の王リッチーの事ですか!?」
「いや逆に他にどんな骸の王リッチーがあるんだよ」
アルカが慌てふためいている
そりゃそうかいきなりA級モンスターを狩りに行くと言うのだから

「それじゃあ言いたい事はそれだけだ、これで失礼するよ」
俺は言う事も言ったし帰ろうとすると

「あらあらぁ~?面白そうな話をしていたのにもうお帰りになるのですかぁ?」
扉の前に佇んでる女がいる

「フェーリ様!寝ていたはずでは!」
「ちょっと面白そうな話が聞こえたから起きてきたのですよぉ…」
面白そうな話ねぇ……

「えーっと…ユートさんでしたかぁ?」
「そうだが」

「その骸の王リッチー討伐にミルシィも連れて行ってくれないかしらぁ?」

「「は?」」
俺とミルシィの意見があって瞬間だった

「え?冗談ですよねフェーリ様?まさかこんなウジムシと共に行動しろと?」
「そうですよぉ」
このフェーリの目はマジだな
仕方ないな

「俺は構わないがミルシィ本人が嫌がってるんじゃ連れていけないな」
「大丈夫ですよぉ、私が命じればミルシィはなんでもやりますからぁ」
ミルシィも苦労してるんだな

そうしてミルシィがフェーリの命令により骸の王リッチー討伐に付いてくる事になった

『ミルシィが仲間になった』
とコマンドが表示される様な気がしたが

「ちょっと待ってください!まずこのウジムシはA級以上の冒険者なんですか?このクエストは★Ⅸに指定されてます!そのパーティのリーダーとそのメンバーにA級冒険者が二人はいないといけないんですよ!」

「その点なら問題ない、俺はA級だしお前もA級くらいだろ?」
「そうですがまだ駄目ですね、リーダー以外に二人以上いなければ行けないので」

これは困ったな
アルカはB級だしドーラはまず冒険者ですらない

「なら問題ないわね、私もA級よ」
後ろから聞き覚えのある声がする
そこにはラウラがいた

「これで行けるわね、早速行きましょう」
そう言ってラウラはギルドを出る
ラウラはせっかちだな

「それじゃあミルシィ、お前もすぐに支度して噴水広場に来てくれ」
俺とアルカもラウラに続いてギルドを出た

「なんで私がこんな目に……」
「頑張ってきてねぇミルシィ」



噴水広場にて待っていると先に来たのはドーラであった

「ユート様ぁ!出来ましたよー!」
ふむ完成したか
バスとの約束もあるしな俺はドーラに刀を造ってもらっていたのだ

[名前] 名無しノットネーム
[ランク] 神器級
[武器説明]
ドーラの手によって造られた打刀
使い手を登録する事によって強さが変わる

特殊効果スペシャルスキル
効果無しノットスキル


ん?なんか効果説明欄と名前が変だな
「おいドーラ、この刀少し表記がおかしいんだが?」
「実はこの刀はっすね……なんと生きてるんすよ!」
は?刀が生きてる?

「ふっふっふ…実はドワーフ族にはある秘奥義があるんすよ…その名も『神器造り』ドワーフは一生に一度だけ神器を造る事が出来るんすよ!」
「その効果によって造られた武器や防具は神器に匹敵する力を持つと言われてるっす」

「おい…その力の代償はなんだ」
そうだ
そんな力に代償が無いと洒落にならない
俺?俺は例外だよ

「代償っすか……実は…その…この『神器造り』の代償は……」
「なんだ?」

「この『神器造り』の代償はその『神器造り』で造った武器や防具と同じ種類の物を造れなくなるっていう物っす」
「つまりもうドーラは刀を作れないっす」
え?それだけなのか?

「まぁ本来ドワーフ族は生涯一つの種類の武器や防具しか造らないっすからね」
それなら代償として充分働くが……

「ドーラ…お前って確か何でも造れたよな?」
「まぁそうっすね」

「ならその代償って特に枷にならないんじゃないのか?」
「まぁそうっすね」
おいおいそんな軽い感じで良いのかよ『神器造り』

「それではユート様、この刀に名前を付けてユート様の魔力を注いでくださいっす!」
名前ねぇ…うーん……

俺はドーラから刀を受け取り鞘から出し掲げる
その刀身は打ち立ての白く鮮やかな色をしている

「お前の名前は……『鏡花水月』だ」
すると刀が光り出す

そして光が収まると刀身が黒く美しい色に変わっていた

[名前]鏡花水月
[ランク]神器級
[武器説明]
ドーラの手によって造られた打刀
この刃で斬られた者は己が最も夢見ている事を見て息絶える

特殊効果スペシャルスキル
鏡花水月
身体強化VI
魔法耐性VI
魔法武器エンチャントウェポン


おぉ…武器説明欄まで変わってる
ん?『鏡花水月』?なんだこのスキルは……

『鏡花水月』
この刀に斬られた者はまるで夢の様な幻を見る等の催眠状態になる

うわぁ…えげつねェな
まぁ俺がそういう名前を付けたからそうなったのだろうか



そしてそんな事をしていると

「待たせましたね……」
とても不服そうな声を出してギルドの方から歩いてくる女…いや男がいる

「なぁミルシィ…なんでそんな女の子っぽい装備なんだ?せめて戦闘服くらいは男物にしとけよ」
「フェーリ様がこれにしてけって言うので……」

もうあれだな
ミルシィの格好については何も言わない様にしよう


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6/19   鏡花水月のスキル効果を変更しました

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