異世界不適合者の愚かな選択

meika

運命

「行きたい、場所…ですか?
カナタ様のお好きな所へ」

俺は今、グリナと、空を飛んでる。
一国の姫をさらったんだ、
後で国王様が怒るだろうな~
まあ、そんなことを今は考えなくていい

「実はあまり詳しくないんだ。
旅をしているって言っても
最近の事だったからな。
グリナはどこか行きたいところある?」

もちろん半分は嘘で半分は本当のことである。

「私もあまりお城の外へ出たことがありませんので、分かりません…。」

あぁ、そうだったな。

「ああ、そうか、分かった。
んじゃあ、いきあたりばったりで行こうか。」

姫だしな。
俺がそう答えるとグリナは笑顔で答えてくれた。

「はい!あなたと一緒ならどこへでも!」

ちょっとドキッとしちゃった。
多分そういう意味ではないと思う。
しかし、どうしてもそう思っちゃうな…

少しの間飛んでいると砂浜が見えた、その向こうには海が見える。
よし、

「なあ、少し先に海が見える、そこで降りよう!」

「はい!」

この世界の海か~、はじめてだな。
グリナも喜んでくれている。

「しっかり掴まってろよ!」

そう言って、俺はスピードをあげた。
あっという間に海につき、砂浜に降りる。
グリナを地面に下ろした。
グリナは砂浜を踏み、海の方に向かう。

「うわぁ~~
これが海~綺麗~、」

「あぁ、そうだな」

綺麗な海だった。
透き通った、青色の水
微かに鼻をくすぐる潮風
心地いい~。

「ねぇ、カナタ様!
海へ入りましょ!」

グリナからそう言われた
海を背景にした彼女はとても綺麗だった。

「あぁ、そうだな」

俺は彼女に見とれ、ついそう答えてしまう。

俺たちは海へ入って、水をかけあったりして遊んだ。
もちろん俺は私服姿で、グリナはドレス姿である。

水をかけあっている最中に、ドレスが肌にくっ付いて、とてもエロかった。
理性が崩れてしまいそうになるが、何とか堪えた。
気がついたらいつの間にか夜になっていた。

「おっといっけね、もうこんな時間、そろそろ帰らないと。」

俺がそう言うと、グリナは

「いいえ、まだ帰りたくありません。」

これは意外だな、姫様なら、てっきりもう帰りたいと思っているかと思っていたが。

「なんでだ?」

理由が気になる。

「私、生まれてはじめて海を見ました、
はじめて遊んで、はじめてはしゃぎました。
ですが、今王宮に帰ってしまってはこの素敵な時間が終わってしまいます。」

そう言っているグリナの目は、潤んでいた。
余程溜まっていたんだろうな、姫として生まれ家族からの愛も受けずに育ってきた、いつも偽りの自分を作って周りに振舞っていた。
辛かっただろう。

「ですが、私には、まだもう一つ見ておきたいものがあります。」

「なんだ?」

「夕日が沈む瞬間です。」

見たことないのか?驚いたな。

「そうか、じゃあ、見ような!」

俺がそう答えた。

「長年、頑張ってきたんだ。
せめてここで、息抜きでしょう。
ここでの一瞬を楽しもう!」

思っていたことを言った。
ここまで頑張って来たんだ、少しぐらいは許されるさ。

「はい!」

グリナは喜んでくれているように返事をしてくれ、そのまま体の体重を俺に預けた。

「なぁ、グリナ」

俺は覚悟を決めた。

「はい」

「俺の、パートナーになってくれないか?」

告白だった。俺はどうやら本気でグリナに恋をしたらしい。今日一日中胸が辛かった。
彼女と関わっていくうちにどんどん彼女について分かって、新しい発見ばかりで、いつも俺を驚かせた。

「え?」

俺の告白に反応できてないのか、グリナは凄いびっくりした顔で、俺を見つめる。

「俺、今日一日、グリナと過ごしてみて、すっごい楽しかった。
グリナのことについてもっと知りたいって思ったんだ。
だから、グリナ、俺の妻になってくれないか?」

俺はさらに、ハッキリと述べた。
するとグリナは目に涙を浮かべ、笑って答えてくれた。

「はい!喜んで!」

俺たちの唇が、近づく。
夕日が沈む時、俺たちの唇は、重なった。

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