僕と最強幼女と狂った世界
初実戦肆夜
スタフェリア、天野路夜久の両者前方、10メートル先には、先ほどまで眩い選考を放っていた黒尽くめの男が、あきらかなパワーアップがされており頭に手のひらをかかげ、薄気味悪く笑っていた。もう一人の仲間、いや複合体はどこに消えたのか、二人はあたりを見渡すも、どこにもそんざいしていないようである。
「畜生、気負付けるのじゃぞ、現実による初見プレーは、マジの死じゃからのう」
「何言ってんだよ、こうみえて、パケットモンスターエメラルダ―は初見ノーコン余裕だったぜ。任せろよ」現実とゲームを混同して考えているのが、この男は最高におかしいと彼女はそう心の中でツッコミを入れた。
「スタフェリア?」
「何じゃ?」
敵を警戒しながらも天野路夜久の呼びかけに答えた。
「あいつさ、さっきめちゃくちゃパワーアップしたように吠えてただろ?」
「ああ、そうじゃな、やけに描写にこだわりを感じたわい」
「一人消えているだけで、ぜんぜんとまったくとあきらかに変わってないんだけど」
「何を言っておる、あれはたしかに、変わっておらん」
「お前こそ何言ってんだよ」
「それよりも畜生、勝負のことは覚えているか?」
「ああ。覚えているよ。それがどうしたんだよ?スタフェリア」
「誰が倒したか、それでどちらかに言いなりになるというのはどうじゃ?」
「いいなそれ、お前にさせたいことがたくさんあるんだよ」
「さ、させたいこと!?……」
「そうだ…… あれやこれやあれやこれや」
夜久は、手のひらをげじげじ虫の歩行のように、波打つように動かしている。
「う、薄気味悪いわい! このイヌ以下め!」
「うふふ、ほれほれほれほれ」
「ひひぇええええええええええ」
「きさまら、私を前にして何をふざけているのだ!!」
おっとこれにて、バカみたいな喋りは終わった。
  どうやらスタフェリアもいい息抜きとなったようだ。
  だれかツッコミ役を、ここの場によんでほしい。
「じゃあいくぜ、二人でどちらかがとどめをしたらってことだな?」と夜久は手の関節を鳴らした。
「そうじゃ、わしの凄さを思い知るがよい」と、スタフェリアもいい不敵な笑みを浮かべると、首の関節を鳴らす。
「「いくぜええええええええええ」」
二人はこの公園のど真ん中で近所迷惑で警察がこちらにくるのもお構いなしに、叫んでいた。しかし、警察はここにはこない。それはこの町全体に。”ある力”がいたるところで張り巡らされており、一般人には、別世界の住人、今回で言えば”怪”の世界のモノたちの戦闘は、視界に入ることができても、認識がされないようになっている。それが写真であっても、動画媒体のデータであってもだ。それ以前に、戦闘区画十キロメートルには、人払いの性能がある、とある能力者のちからで、戦闘区域には近寄れないようになっている。この戦闘が行われている公園は、周りには、神社、森、森林があり、人里がはなれているため一般人の事故的な介入はないのである。
スタフェリアと、夜久は、同時に地上を蹴りだした。そして、目の前に立っていた黒尽くめの男は、懐から、物理現象を越えた、ガトリング銃を二丁取り出し、縦横無尽に、トリガーを引いた。
「馬鹿がッ!! 突っ込んできたなぁ!!」
フショウを顔から滲ませ。気持ちが赴くままに、両者に向けて、ガトリングをぶっぱなっている。肉体的な負荷は、〇となっており、彼の特殊能力が、その負担を軽減していた。
夜久、ガトリングの銃口を避けるように、合気道の呼吸に合わせて、横へ、さらに横へと体を瞬時に移動させ。弾を避け、懐に近づいていく。
スタフェリア、一度地上の地面を蹴った瞬間、地上からは姿を消し、空で滑空をして二丁のガトリングを持った奴へとものすごい速さで接近していく。
両者の移動速度に、追いつける処理速度の限界を超えていたため、黒尽くめは、乱射に乱射を重ね、精神は自身の処理速度に追いつかないがために激情が顔に現れるまでになっていた。
「当たらないだと、馬鹿な、畜生!! 畜生!!」
そして、両者黒尽くめのガトリングを構えていた腹前にまで迫った。
その距離二〇センチほどであり、両者は息を合わせたかのように、両手を叩きつけるがごとく身を開きあがる。
「「どりゃああああああああああああああ」」
直撃粉砕。両者とも、中髄核を狙ていたため、一撃で、生命活動は、骨格を叩き壊されて、しゅうりょした。血肉、脳みそは、噴水が如く、飛び散り見事な爆風、いや水中花火のような演出を見せ、黒尽くめの男は首だけが吹き飛んだ体を倒した。
それは、糸が切れたm操り人形のようでもあり、それは、元から亡骸でもあったかのようである。
  全ての戦闘が終わった後、彼ら彼女らは、地べたに座り込み、天を広げるように仰向けに転がるようにして見る。一仕事終えたサラリーマンのように倒れるようにっして疲れた体を癒している。しばらく満天の星々たちをみて。
「綺麗じゃのう」そう呟いた。
「ああ、なんだか何とも言えないような、最近の日常だよ」
「まあ、お前からしたらのう。まさかあそこまで戦えるとは思えんかったわい」ヒョロヒョロであったのにと彼女は付け加える。「まあよくやった畜生よ」
「それほどでもないよ、しかしでもあのグロさを見て何にも感じない人間なんだな俺って」
「……別にいいじゃろう。これからも見るんじゃから」
「なあスタフェリア、今日が初めての戦いだったんだけど俺たちの戦いっていつ終わるんだ?」
「んなもんは、しらん。じゃがなあ、余や畜生が存在しうる限りは戦闘は戦いはあるじゃろう」
「お前、平和って憧れたりしていないのか?」
「血塗られた運命じゃ。何とも思わんわい。そういうお前もじゃろう」
彼女は、それはどうどうと、彼女らしい、まさに世界の中心のようなセリフ、いや彼女のそのセリフに俺は、心惹かれてしまった。彼女と中身が無いような人間である僕。
惹かれるには十分な理由だろう。
「ああ、そうだ俺も、何も感じない」
だけど君への思いは確かにここで芽生えた。それが僕の中で生まれた紛い物だとしても。
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