僕と最強幼女と狂った世界

土佐 牛乳

自分を主人公と思っている人間の物語の始まり



 全ての始まりというのは、一体どこからなのかが俺にはわからない。その一端を引き寄せたのは、俺の前世の行いであったのか、はたまた、いままでのちゃらんぽらんに無作為に、てきとうに考えて生きてきた俺の人生が、二階から目薬を差したような奇跡的な確率で成功、とんでもなく神にでもとうてい再現できないような確率の奇跡であったのか、そんなわけのわからないようなことで、俺は彼女と出会うことになってしまったのかもしれない。いまとなってはそれは、俺にとっては当たり前のことであったのかもしれない。人間が、成長をするように、俺もまた彼女と出会うことは、誰も再現できないような奇跡でありながらも、あたりまえのことなんだと今になってわかる。こうして出会ってしまったのは誰かの陰謀なのか、それとも、こういう人生があらかじめ決まっていたのかなんて、俺にはわからないことだけれど、それでも言えること、いや言いたいことが一つだけあった。それは……
 いいかげんに物語を始めろ。



 と、いうことで…… いやどういうことなのかは俺にはわからないわけだが、俺はただ、その日、学校に行くために縞模様に溶けていった両サイドには民家が立ち並んでいる雪道を、昔フラフープを使って、ケンケンパをする要領で歩いていた、いや移動していたのだ。なに?ケンケンパを知らないような人間がいるのか?ケンで片足で立ち、パで二つの足を出して、一一二、一一二、一一二、一二一二とフラフープを並べると、さきほど説明したケンケンパをしてジャンプ移動をするごっこ遊びだ。俺が幼稚園児の頃は狂ったようにケンケンパを一人でしていた。それほどまでに俺が熱中していた遊びだ、覚えておくといい、損はない。

 そうその日俺は、ケンケンパを壊れたおもちゃのようにやりながら、学校指定のバス停上まで移動していた。いや普通に歩けと思ってしまうが、なんかこうでき心ではないのだが、俺がこうして、鳥が地表を歩いているような、イルカが水面をジャンプしているような、モールス信号をしながら移動している頭のおかしい高校生と思われても、仕方のないことであったがその日は徹夜で頭がどうにかなっていたのだ。
 町にある、各家の仕切りを両サイドに張り巡らされてる、横幅五メートルの裏道を右に曲がろうと、ケンの状態で体を九〇度回転をした。そして、次のパを転嫁するために、大きく余韻をとりながら、腕までも強引に振り上げ、両足をつくには、片足の状態から二つの足を出すために高く飛ぶべきだと考えついた俺は、考えていた通りに、一片の狂いもなく、意識に飲まれた周りが何も見えない状態であったにも関わらず馬鹿な俺は飛んだ。

 これが全ての始まりであったのかなんて俺には全くというほど、筋違いいや勘違いだと申し建てをするだろう。が、これが全ての始まりであったのかもしれない。それはいつも主観で考えている俺なので、客観的に見てしまったらその行動が、全ての元凶なのかと言われれればそうなのかもしれない。
 人生というものは、未来というものは、ある程度の予測はできるものなのだと、これまでの短い15年という短い人生を送ってきて、浅い考え、知識でそう勝手に決めつけていた。しかし今回の、いや今日ばかりは、予想もあったもクソもないような、あまりにも理不尽であり、俺の人生の中では、圧倒的に不可抗力な事件で、いや事柄であると、後になって思い返してみるとこれが全ての発端だったんだなと、思い返せるかもしれないような、出来事がおきた。いままで彼女のことを壮大なこの際は人物なのかそれとも、物なのか、どういうカテゴライズをするのかわからない。彼女自身が何かに分けられるような人間ではないため、まさに超越した存在をいちいちレッテルのような帯を付けるのは、無理な話だと感じた。

 だが今この一度視界が暗闇に包まれて、体の自由が無くなったように、体重を乗せていた足は、崩れ落ちて、地面に倒れ込んだと思ったら、何か生暖かくてスベスベしたような、いやこれは人間の皮膚なのだろうかと考えてみた。そして、いまのこの状態、この手が、顔が鼻が、鼻の下の筋が、くちびるが、俺の鼻息が、俺の視線が、俺の心が、俺の青春魂が。

 そう全てだ、それはもう見事に言葉通りで、意味通りの釘付けとなったのだ。それは、俺にはいつの間にか視界が暗くなり、体が前のめりに倒れてしまったという情報は、わかってはいるのだが、この目の前にある、このこれは、なんなのか……

「いつまでそうしておるのじゃ!? いい加減離れんか!!」

 いや理解が追い付かないのだが、これはこの映像。いまこの文字にして表してしまうと、見事に官能小説にカテゴライズされてしまい、送ってきたレーベルが違うだろうと怒られてしまって、そしてあわよくば何かPYRなどに、怒られてしまわないのだろうか。もし画期的な表現方法によってこの目の前の映像を象徴的かつ誰が読んでもわかりやすく、見事に持たざる者たちの何かを熱く大きくできるのではないかと考えてみて、俺は表現することに決めた。

 まず匂いである、独特な匂いいやこれはおいしそうな刺激的な香水だろう。なかなか酒と飲むとおいしそうな発酵した匂いである。次に目に入ったのが、この綺麗に切り整ったこれである。見えないところまでしっかり手入れをしているところに、彼女の性格の一端をみた。そして真っすぐ下には、いい感じに整った形をした小さくも大きくもある栗である。したに視界をおろしていくと、その綺麗で健康的なピンク色をした大唇は全てを受け止めるような純粋無垢な綺麗な母性を感じさせるほどの形であった。くぱあと開いていたため、中を見てしまったが、それは濡れていた。

「いつまで顔に近づいておるのだと、言っておるのじゃあ!!」

 チーズを加えていた彼女は手で咥えていたチーズを取ると、そう怒鳴る。
 え? 何を勘違いしているのだ。俺はいままで目の前にある、小さくてきれいな顔の説明をしていたぞ。だれが下半身の情報を細かく書くと言ったんだ。ん? 官能小説とかなんとか言っていただろう? それは今、彼女ロりが全裸であり、最近のライトノベルの主人公冒頭のように俺が彼女のぺったんこな胸を倒れながらもんでいたからだ。その描写をしろだって? うるせえ。

「たッ! いたたたた」

 なんとなくも俺は、そう言いながら目を閉じて、いかにも大げさにとても痛く、頭を打ち付けたんだとアピールをするように、そのような仕草になった。
 いまこうしてエッチいことをしたことは、無意識でこうなってしまったと、不可抗力だというようにして、目の前いる彼女にアピールをしているわけだが……

「じゃまだと言っておるのじゃあ! 己⦅うぬ⦆は言葉の通じぬ畜生かァッ!?」

 俺は後悔をした、それはこれから起きることが、あまりにも、規格外で、並外れていて、いくらなんでも、無茶苦茶なその攻撃、いや一瞬の出来事に、俺の平和で平静な、平安で、安静で、温室で、のどやかで、天下泰平に過ごしてきた日常の常識が、とんでもないような比類のない、想像不可能で、ありえない、クレイジーな、奇想天外な、常識の枠を外れた、彼女のキック。

 それが僕の腹に当たり。

 お祝いや、誕生日、何か楽しそうなパーティーのときに引っ張り上げて、パンと大きく音が鳴り響き、中に仕込んであった細い色鮮やかな紙の吹き出し、それと同時に出てくるとても小さな紙屑達を、キックで、俺の腹の中を飛び出させてしまいましたと言いそうなほどの、勢いと、その140センチあるかないかの瀬戸際にいるような、小さいながらもそのこの目の前に広がっている光景にあった常識外れの筋力の強さに驚きながら、俺は昔見たアメリカのかわいい一般人向けな絵柄をしながら、中身はグロいというアニメのそのグロイ光景を思い出していた。そして俺は、その攻撃を食らいながら想起していたアニメとともに、そのあほで、どうしようもなく、馬鹿で、つまらなく、しょうもない一生に幕が下りた。

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