ファンタジー作品に使えるかもしれないふわっとした中世ネタ

パクリ田盗作@カクヨムコン3参戦中

説教師って?



中世世界初期の説教(説法)は聖職者による聖職者のものでした。
中世初期の説教は読師や説教師ではなく司教の仕事でした。


11世紀にはいると様々な事情から説教が民衆にも行われるようになり、ミサでの読師による聖書の説教、都市などに赴いて辻辻で説教する説教師という役職が生まれました。


13世紀には新説教と呼ばれるマニュアルができて、テーマに沿った説教をするようになりました。
この時代から説教師はテーマに沿った説教にリアリティーを入れるために旅をし、知識を蓄えました。特に動物学は重宝されており、説教の内容を動物の比喩で話すことが聴衆は特に好んだそうです。


15世紀には説教は全盛期を迎え、聖書の言葉をなぞるだけでなく、説教師が旅路で見聞きした土地や事件を話す中世のマスメディアとなっていったそうです。
各都市では人気の説教師をまねこうと躍起になり、修道会や教皇への根回しや献金などで招いたそうです。
人気のある説教師の説教は現代で言う所のアイドルの武道館コンサートのような熱狂ぶりで、中には40日も続いた長い説教をしたという説教師もいました。


ただ、人気があるということは色々トラブルもあったそうです。
人気のある説教師を少しでも長くいさせようと都市はあの手この手で逗留を延長させ、別の都市は足止めを食らっている説教師を助けるという名目で都市に戦争をふっかけたそうです。
その為説教師は都市を出る時は夜中に身を隠して人知れず出ていく様になったそうです。


また説教師には調停役という役割もありました。
都市内部の派閥や利害関係と関係なく、教会の後ろ盾と説教師本人の人徳などから争いごとの調停者として都市に招かれることもありました。
国同士が争い、降伏宣言する際の伝令役も説教師などが請け負ったそうです。




コメント

コメントを書く

「エッセイ」の人気作品

書籍化作品