神装聖剣ファフニール

なつめ猫

埋没した歴史(25)

「お酒を扱っているお店ですか? 酒場のようには見えませんが? だって机も椅子も見当たりませんよ?」
「――ん? ああ、そうか……。俺が祖父から聞いた話によると、神代文明時期というのは、多くの種類のお酒が存在していて酒などを専門に扱う店舗があったらしい。――で、購入したあとに家で酒を飲むこともあったみたいだな」
「そうなんですか……」
「ああ、酒場で酒の持ち帰りも受け付けてくれるだろ? それと同じもんだな」

 俺は琥珀色の液体が、透明なガラス瓶に入った酒瓶を手に取りアイテムボックスに入れながら答える。

「それで、どうしますか? こんなに持って――」
「一応、全部貰っていくとしよう。これだけの量があれば、売れるし金になるだろ?」
「――そ、そうですね。でも、カズトさんのアイテムボックスには、このお店にあるお酒を全部入れられるほどの容量があるのですか?」
「それは分からないが……とりあえず試してみるのもいいだろ?」
「そうですね!」

 フローラは、頷くと戸棚に置かれている酒瓶を俺の方へ持ってくる。
 俺は次々とアイテムボックスの中に入れていき――。



 1時間ほどで全ての酒瓶をアイテムボックスに仕舞うことが出来た。

「それにしても、全部入るなんて、カズトさんのアイテムボックスはすごいですね」
「ああ、そうだな……」

 俺は、アイテムボックスに入れたアイテムを紙に書いていく。。

「ウィスキーとワイン合わせて3000本ちょいか。商売で売るには少なすぎるし、小売するには多すぎる量だな。なんとも中途半端というか……あとは葉巻やタバコくらいか? この辺は嗜好品で高く売れそうだな。鉄のような容器に入っていたのは経年劣化から駄目だな――ん? フローラ、どうした?」
「いえ、改めて言われると今回のダンジョン探索は大成功どころかすごい成功だなって……」
「――ん? ああ、たしかにな、これだけ完全な状態で遺跡が発掘されることなんて少ないからな。それに、アイテムボックスに入れられるのも良かった。密室だったからこそ、遺跡の状態は保たれていたんだからな。アイテムボックスの中は時間が進まないから、入れておけばいつまでも、アイテムはそのままだし」
「そうなんですね……」
「ああ、とりあえずは、これでしばらくどころか一生、遊んで暮らせるだけのお金は手に入ったかもな」
「一生……」
「さてと――」

 俺は酒屋の中を一通り見渡す。

「別の店にいくか?」
「は、はい」

 俺とフローラが、全ての店を見渡し粗方回収し終わったあと、最後の店に向かっていると、「カズトさん! あとフローラ!」と、後方から俺達の名前を呼んでフェンネルが走ってきた。

「どうかしたのか?」
「それが、ミントが大変なものを見つけたらしくて――」
「大変なもの?」

 フェンネルは頷くと一枚の紙を差し出してきた。

「カズトさん、それは?」
「地図だな……」

 俺は、フェンネルから渡された紙を開きながら答える。

「どうやら、ここは神代文明時代の遺跡なのは間違いないようだが、それだけじゃないようだな」
「それだけじゃない?」

 フローラの問いかけに頷きながら俺は地図を床の上に広げながら置く。

「まず、俺たちが居る場所だが、セントラルシティと呼ばれる都市につながる都市の真上に位置するようだな」
「セントラルシティ?」

 フェンネルが俺の傍に近寄ってくると、地図を見下ろしながら話しかけてくる、
 ミントからは詳しい話を聞いていないようだな。

「地図を見る限り、都市が何かだろうな――」
「真上に居るということは……。都市は地下にあるということですか?」
「そういうことになるな」
「でも、地下に都市が存在するのは本当なのでしょうか?」

 フローラは不思議そうな表情をして話しかけてくる。

「どうだろうな? 俺も神代文明時代が、どのくらいの技術をもっていたのか詳しくは祖父から聞いてないからな」
「そうなのですか……」


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