神装聖剣ファフニール

なつめ猫

ドラゴンハーピーとの契約(後編)

「分かった……」

  俺は生徒達の方へ視線を向ける。
  生徒達は、各々と契約した黒龍神族の雛を頭の上に乗せている。
  俺は生徒達を見たあとにエルザを見る。

「エルザ、お前……人間と雛と契約させたって理由は分かっているよな?」
「う……うむ! もちろんだ!」

 この慌てよう絶対に分かってないな。
 人間と契約した龍は人間で言えば成人である成龍になる際に必ず再契約を行わなければならない。
 その際には力を示す必要がある。
 黒龍神族の成龍クラスになれば、エイレンクラスの力を持つ龍と戦って力を認めさせる必要が出てくる。
 そうなると生半可な鍛え方では……実力では戦って勝つ事が出来ない。

 とりあえず、エルザにはそこまで考えて契約を持ちかけたのは聞いてみるとするか。

「エルザ、人間と龍がパートナー契約した後、その龍が幼龍だった場合、どうなるか知っているか?」

 俺の言葉を聞いたエルザがしばし考える振りをすると、その表情が青くなっていくのが分かる。
 その様子を見て俺は確信した。
 間違いなくて、エルザは成龍との再契約戦闘を忘れているということを。
 そして、俺は生徒たちの方をチラッと見る。
 どの生徒たちも黒龍神族の雛と契約したことで浮かれている。
 とにかく一か月しか時間がないからな。

「エルザ、まずは龍言語魔法を生徒たちに教えてくれ。俺は武術と魔法知識を教えることにするから」
「わ、分かったいる。お前に頼まれなくとも私の子供達と娘らは契約を仮とは言え行ったのだから最初から教えるつもりでいた」

 俺はエルザの言葉を聞きながら「それじゃ任せたぞ」と、告げて離れると生徒たちの方へと向かう。
 問題は、成龍となった時に再契約が必要だということを生徒たちに伝えるか否かだが……。
 とりあえず伝えておいた方がいいだろう。
 俺の「全員、集合!」と言う言葉に生徒たちが近づいてくると「先生、どうかしたんですか?」とエリルが話しかけてくる。

「ああ、じつはな……エルザがお前達に重大な事を言い忘れていたからな。俺が説明しにきたんだ」

 俺の言葉に生徒たちは頭の上に雛を乗せたまま怪訝な表情で見上げてくる「先生、重大な事ってなんですか?」とハンナが聞いてくる。

「ああ、実はな……黒龍神族の雛とは、まだ仮契約と言うのはエルザには聞いているよな?」
「はい」

 5人とも俺の言葉に頷いてくる。

「実はな、ドラゴンと契約した場合は、龍の成長段階ごとに契約を更新しないといけないんだ。

 「契約の更新ですか?」と、俺の言葉を聞いたナルルが首を傾げてくる。すると、アリエルが「でも先生、契約は更新するだけじゃダメなんですか?」と聞いてきた。

「ああ、ドラゴンには3段階の成長段階が存在していて、通常は幼龍、成龍、古龍に分かれている。そして契約を更新する際には力を示す必要がある。ドラゴンは強い力を持つ者を好む。つまり、お前たちはドラゴンの中でも最上位の戦闘力を誇る黒龍親族の成龍と古龍に勝って契約をする必要があるんだ」
「ええええええー……」

 俺の説明に、5人の生徒の声が重なった。
 生徒たちは、頭の上に乗せている雛をどうしようかと考えているようだが「ピーッ、ピーッ」と泣いているドラゴンの雛を生徒たちは、手の平に乗せて見た後に、俺を見てきて「先生! 私たち……この子を守りたいです。もし、成龍になった時に契約が失敗したらどうなるんですか?」と、5人が揃って聞いてくる。

「契約が失敗すれば、お前たちとドラゴンのパスは消えてドラゴンは知性のない魔物として討伐される」

 俺の答えを聞いた生徒たちは、しばらく考えた後に「わ、わかりました! この子がそんな事にならないように強くなります!」と、5人とも同じ言葉で答えてくる。その言葉を聞いて、俺は「わかった。それなら龍の力を使うための勉強はエルザが、戦闘技術と魔法公式は俺が教えようとしよう」と答えた。

 さて、生徒たちもやる気を出したことだし魔法公式と戦闘技術を教える事としようか。



 

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