神装聖剣ファフニール

なつめ猫

お姫様に捕まりました。

 馬車の中に走って扉を閉めてしまったラフラを見ながら俺は溜息をつきながらカーゼル達の方を振り向いた。 
 するとカーゼル達は3人とも表情を青くしたまま俺を見てきていた。

「カーゼル、どうかしたのか?」
「カズト殿。ローレン王国の法では、王族は護衛騎士や従者、召使以外の男性に裸を見られた場合、古来より婚姻を結ぶしきたりとなっているのです」
「それは、本当……のようだな」

 カーゼルだけではなくルカニやイルストまで真剣な表情で俺を見てきている。
 嘘を言ってるようには見えない。

「それは強制なのか?」

 俺の言葉にカーゼルは頷きながら「強制です」と告げてきた。
 思わず俺は空を仰いでしまう。
 世界の見聞に【終焉の森】から出てきたと言うのに、いきなり足かせである婚約の話が持ち上がってしまった。

「無かった事にはできないんだよな?」
「はい、それは……不可能です。ですが子を作る機能を失えば……」

 俺はとっさにカーゼルから距離を取る。

「いやいや、それは無理だからな。いくらなんでもそれは無理!」

 俺は自分の大事な部分に手を宛てて無理ですとアピールする。
 するとカーゼルはホッとした表情を見せてきた。

「助かりました。カズト殿は、かなりお強いためラフラ様と婚約を結ぶんで頂くと南方からの侵略を行ってきている帝国に立ち向かうための旗ともなれると思いますので……」
「そ、そうか……」

 侵略とか立ち向かうとか物騒な声が聞こえてきたんだが大丈夫か?
 はっきり言って俺は、【終焉の森】では一番の平和主義者だぞ?
 戦争とか興味ないし、人間同士の争いにも興味はないんだが……。
 俺は両手を柏手のように一度叩いてからカーゼルやルカニ、イルストの視線を集める。

「考えたんだが、俺はいなかったってのはどうだ? そうすればラフラの面子も傷つかないしカーゼル達の護衛不備に関しても王様から何か言われる事もないだろう? どうだ?」
「カズト殿……それは、自分が犯した罪から逃げると? そう言う事ですか?」

 カーゼルが目をスッと細めると聞いてくる。

「勘違いするなよ? 俺は将来の事を考えて言っているんだ。どこの馬の骨とも知れない奴が王女と婚約して結婚したらマズイだろう? だから――」
「そこまで考えていられるなら問題ないかと思いますが……」

 俺とカーゼル達が、一進一退の問答を繰り広げていると、馬車の中から大声でラフラ姫が叫んできた。

「どういうことですか? 着た服が着た服が全て千切れてしまいますわ!」
「あっ……」

 俺は思わず言葉を出してしまった。
 カーゼルが俺の方へ視線を向けてくる。
 その眼は、俺を疑っているかのようだ。
 俺は仕方なく観念してラフラに聞こえるように大声で叫ぶことにする。

「ラフラ姫! お前の魔力抵抗値が低すぎて、俺の魔力というか魔法書き換えのフィードバックに耐えられなかった。その影響だ!」
「冗談じゃありませんわ!」

 即答であった。
 声色からラフラは、すごく怒っている。 

 するとラフラは胸と下半身を手で隠しながら馬車から下りてくると。

「責任とってください! これから私はどうやって旅をすればいいのですか!?」

 ――と、羞恥心に染まった頬で俺に文句を言ってきた。
 責任をとってくださいと言われても困ってしまうわけだが……。
 とりあえず、現状ではラフラは普通の洋服を着る事が出来ない 

「あれだ! タオルでも掛けて馬車の中で大人しくしてればいいんじゃないのか?」
「……ふざけないでください!」

 ラフラは怒りのあまり大声で怒鳴ってくる。

 そしてカーゼル達は、どうするべきかと困った表情を見せている。
 俺は、カーゼル達とラフラの様子を見て深く溜息をつく。



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コメント

  • 音街 麟

    いや、裸を見たこと自体が罪なんじゃ?

    0
  • メイプル

    ごめんなさい。話がよく分かりません

    6
  • ノベルバユーザー42648

    どこに罪があるのかわからんのだが。

    14
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