花魁男子!!

猫(=^ェ^=)

15


はい。ということで、番の契約もやらなくて済んだし、暇だね俺。

あいつらは未だに番があーだこーだ言い合っている。



とりあえず元の世界に帰れればいいんだけど?



ここまで現実離れしてると夢なのかもっていう気すら出てこない。

そういうもんなんだって。

人間疑問を捨てたら終わりだとは思うけれど、ここまできたらしかたがない。


本当にやることの無い俺は、遊郭の外に出ることにした。

着物のまま行こうとしたら、門番に止められた。それで、服をくれたんだけど...



なんじゃこりゃ?



なんかマリモみたいなカツラにだてメガネ。ダボッとしたパジャマみたいなのを渡された。

さすがにださすぎるよこれ。上下グレーってどうよ?

まあ小学生のときはこんな格好のときもあったけど、いまはさすがにないよ!


「あの...さすがにこれはちょっと...?」

「あー、ださいっすよね。」

え?わかってて渡したの?

「瑳都里さんにそれ渡せって言われたんすよ。俺もこの格好の方がいいと思いますし。」

「え?なんで?」

「詳しいことは聞かないで欲しいっすね。瑳都里さんに怒られちゃうんで。」

「理由ぐらい教えてください。」

変な理由だったらぶん殴るぞ!

「そんなうるうるした目で見ないでくださいっす!!うぅぅ...」

いやそっちこそうるうるした目で見るなよ!
ぐっここはにらめっこだっ!

「事件に巻き込まれるからっすよ。それだけっ。いいから着てくださいっす!」

遊郭の外に出してもらえるだけで自由なのだと門番は言う。

まあたしかに花魁って誘拐されそうだしな。

高値で取引...まじでやめてほしい。俺は金じゃ買えないくらい高価だぞ!!

人間みんな物じゃないんだからな。ぜったい誘拐とかしちゃダメだぞ!



はい。


遊郭の外は高層ビルの建ち並ぶ大都会だった。

まるい形の車とか、宙に浮いてる自転車とか、見たこと無いものばかりだ。

そんなこんなと感心していると...。


バァッコォオオオオン


ものすごい爆発音がしたと思ったら、目の前が急に真っ暗になった。



「あれ−?美人の気配がしたんだけど...いないなぁ?」


そんな声がした気がしたけど、俺は意識を保っていられなかった。



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