ただの世界最強の村人と双子の弟子
第23話 エルガさんは変態
===リリ視点==================
私達は朝食を食べた後、早速修行が行われた。
「え~と、今回は2人でこの森の魔物相手にどこまで通用するか。そこを見ようと思う」
「「………………はい」」
マジですか…………。
「もっと元気よく!」
「「はいっ!」」
「よーし、それじゃあ"転移"。」
師匠はまたいきなり私達の肩を持って"転移"を使いました…。
「「「「「「「「「ガルッ!!グルゥゥゥワッ!!!」」」」」」」」」
目の前に現れたのは《ウルフキング》の群れ。それもざっと見たところで20体はいる………。
「ルル………、頑張ろうね………」
「うん…………、姉さん」
泣きたくなるな~~。
私は"身体強化"をフルに使いながら自身の『ソウルウェポン』を顕現させる。ルルも『ソウルウェポン』を顕現させており、準備は完了です。
「よしっ!いくよっ!ルル!」
「分かってるよ……姉さん」
私は《ウルフキング》の群れに飛び込み、取り敢えず二体の頭を飛ばす。当然他の《ウルフキング》が襲いかかってくるけどそれを躱す。私から見れば《ウルフキング》達は多少は速いけど対応は軽くできるぐらいにしか見えないし、時々私も反撃はしていた。現に今も一体の《ウルフキング》の飛びつき噛みつきをかなり屈んで躱し、頭上にある無防備な《ウルフキング》の腹を斬り裂いた。
一方、ルルは遠くから"ファイアブレス"や"グランドエッジ"を使って一方的に戦っていた。
"グランドエッジ"は上級土属性魔法で、地面から尖った刃のような石と土が混合
したものを魔力量に応じて出す魔法です。
「ルル?大丈夫ー?」
「……姉さんこそ平気?」
「私はまだまだ余裕っ!」
「…私も」
ちょっと前では考えられないくらい、あの《ウルフキング》の群れに余裕をもって戦えている。
戦闘が始まって10分くらいで全滅出来た。すると、狙ったかのようなタイミングで師匠が転移してきた。
「………師匠?タイミング良すぎじゃありませんか?」
「ん?気のせい♪気のせい♪」
絶対何らかの方法でこっちの状況を把握してる………!
「まあ、取り敢えず、エルガと連絡が取れたから一旦戻るぞ。お前らも声くらいは事前に聞いときたいだろうし」
「えっ!ティフィラさんみたいにすぐ来て暴れないかな?」
「だ、大丈夫だろ。少なくともすぐには来ないし」
「あ、暴れる可能性はあるんですね…」
「ええい、四の五の言わずについて来い!「ちょっ!引っ張らないでください!」"転移"」
師匠は無理矢理私達の手を取るとすぐに転移した。
「お帰りなさいませ、ご主人様」
目を開けるとすぐ目の前に守姫さんが師匠を待ち構えていた。……忘れてたけど、この人も大概です……。
「よしっ!エルガと話しをつけようか」
師匠は躊躇なく技姫さんの部屋に向かい、後を追うように守姫さんと私達がついていきます。
そして、部屋に入ると技姫さんと攻武さんは既に私達を待ち構えており、相変わらず無機質な部屋を少し進むと前とほぼ同じの通信石が点滅していました。師匠はそれに躊躇いもなく触れると光が強くなり、常に光る状態になりました。
「お久しぶりですね、ユウキ」
通信石から始めに聞こえて来たのは穏やかな男の子という印象が強い声でした。声だけでいうと私とルルと同じくらいの幼い感じがあります。
「ああ、久しぶりだな。エルガ」
師匠はやはり警戒した声でエルガさんに挨拶をします。守姫さん達も警戒しており………、あれ?
「あの~、ティフィラさんは?」
話の邪魔になってはいけないと近くにいた守姫に小声で聞くと、
「ちょっと!何言ってっ!!」
「?」
私はティフィラさんがいない理由を聞いただけなのに守姫さんは焦り出します。
「えっ!!そこにティフィラさんがいるの!?」
意外に何とエルガさんが通信石ごしでも分かるぐらい、興奮した状態で話に入り込んで来ました。そういえば、エルガさんは獣人族だったので、通信石ごしの小声で分かったって事は耳の良いモデルでしょうか。
「あちゃー」
師匠は手をおでこに当てて(やってしまったかー)とでも言いたげな表情をします。
「ねぇねぇねぇ、ティフィラさん、いるの?今、どんな服を着ているの?どんな髪型にしているの?どんな香水をつけてるの?どんな下着をつけてるの?今、化粧してる?どういった感じかな?やっぱりナチュラルメイクかな?ティフィラさん、ナチュラルメイクをよくしてたもんね。僕もティフィラさんのナチュラルメイクは好きだよ。ていうか、今までどこに住んでいたの?今はユウキの家に住んでいないよね?ていうか、まだユウキの事が好きな訳ないよね?今は僕の事が好きなんだよね?ねぇねぇねぇ、どうなの?そこらへん、しっかり教えて欲しいんだけど……?」
うっわ~、ハッキリ言って怖い………。まるでストーカーみたい……。なんか、師匠の事ばかり考えているティフィラさんや守姫さんに近いような気がする…。その中にチラッとルルが候補に挙がっていたのはきっと気のせい。
「はぁ、ティフィラは今はいないが俺の家に住んでいる。お前に頼みたいのは、俺の弟子を短期間だが指導してほしい。ティフィラにも頼んである」
師匠はティフィラさんの事に関して何の誤魔化しもせず、エルガさんに本題を切り出した。少しティフィラさんを引き合いに出していたのは気のせいだと信じたい。
「へぇ、メッセージの事は本気だったんだ。まさか、ユウキが弟子を取るなんて……」
「そんな事はどうでもいい。で、どうするんだ?受けるのか?受けないのか?」
「勿論受けるよ」
即答でしたけど、
「何せ、そこにティフィラさんがいるからねっ!!」
やっぱりティフィラさん目当て……。こんな人が本当に私達の指導をしてくれるのかな?
「じゃあ、1週間後。"待っててね、ティフィラさん"と伝えといてね」
「ああ」
「それじゃあ!」
(ブツっ!)
「よし、それじゃあ修行再開といきますか」
「「はいっ!」」
「おっ、文句無しとはねぇー。まあ、やる気があるのは良い事だ」
「いや、だって、もっと強くなりたいですし……」
「………私も」
「ふーん。よしっ!それじゃあ"転移"」
いつもの転移で来たのはまた森の中だけど、目の前には………、
「「「「「「「「「ブオォォォーー!!」」」」」」」」」
さっきの《ウルフキング》と同じ20体くらいの《ミノタウルスキング》。
「ねぇ、ルル。私、師匠の事は尊敬しているけど、こういうところは嫌い」
「私も」
「スゥゥーーっ!師匠の馬鹿ー!!!」
「「「「「「「「「ブホォォォォーーーーン!!!」」」」」」」」」
私の悲痛の叫びと《ミノタウルスキング》の鳴き声が狼煙になって、今、私とルルは本気の戦いをする……。
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
「よっ!お疲れ!!」
また全てが終わったところで師匠がやって来た。そんな師匠に文句の一つでも言いたいけど、生憎そんな余裕は無かった。
「まあ、だいぶ手こずったみたいだけど、とにかく良くやったな」
褒めてくれる事が単純に嬉しかった私は隣のルルと自慢げに微笑み合った。
合計22体の《ミノタウルスキング》の屍の上に寝転びながら………。
===========================
少し、投稿が遅れてしまって申し訳ありません。
リリとルルの成長は止まりません!何せ、リリとルルには強くなってもらわないと困りますからね!!
さて、次回はルル視点になります。
私達は朝食を食べた後、早速修行が行われた。
「え~と、今回は2人でこの森の魔物相手にどこまで通用するか。そこを見ようと思う」
「「………………はい」」
マジですか…………。
「もっと元気よく!」
「「はいっ!」」
「よーし、それじゃあ"転移"。」
師匠はまたいきなり私達の肩を持って"転移"を使いました…。
「「「「「「「「「ガルッ!!グルゥゥゥワッ!!!」」」」」」」」」
目の前に現れたのは《ウルフキング》の群れ。それもざっと見たところで20体はいる………。
「ルル………、頑張ろうね………」
「うん…………、姉さん」
泣きたくなるな~~。
私は"身体強化"をフルに使いながら自身の『ソウルウェポン』を顕現させる。ルルも『ソウルウェポン』を顕現させており、準備は完了です。
「よしっ!いくよっ!ルル!」
「分かってるよ……姉さん」
私は《ウルフキング》の群れに飛び込み、取り敢えず二体の頭を飛ばす。当然他の《ウルフキング》が襲いかかってくるけどそれを躱す。私から見れば《ウルフキング》達は多少は速いけど対応は軽くできるぐらいにしか見えないし、時々私も反撃はしていた。現に今も一体の《ウルフキング》の飛びつき噛みつきをかなり屈んで躱し、頭上にある無防備な《ウルフキング》の腹を斬り裂いた。
一方、ルルは遠くから"ファイアブレス"や"グランドエッジ"を使って一方的に戦っていた。
"グランドエッジ"は上級土属性魔法で、地面から尖った刃のような石と土が混合
したものを魔力量に応じて出す魔法です。
「ルル?大丈夫ー?」
「……姉さんこそ平気?」
「私はまだまだ余裕っ!」
「…私も」
ちょっと前では考えられないくらい、あの《ウルフキング》の群れに余裕をもって戦えている。
戦闘が始まって10分くらいで全滅出来た。すると、狙ったかのようなタイミングで師匠が転移してきた。
「………師匠?タイミング良すぎじゃありませんか?」
「ん?気のせい♪気のせい♪」
絶対何らかの方法でこっちの状況を把握してる………!
「まあ、取り敢えず、エルガと連絡が取れたから一旦戻るぞ。お前らも声くらいは事前に聞いときたいだろうし」
「えっ!ティフィラさんみたいにすぐ来て暴れないかな?」
「だ、大丈夫だろ。少なくともすぐには来ないし」
「あ、暴れる可能性はあるんですね…」
「ええい、四の五の言わずについて来い!「ちょっ!引っ張らないでください!」"転移"」
師匠は無理矢理私達の手を取るとすぐに転移した。
「お帰りなさいませ、ご主人様」
目を開けるとすぐ目の前に守姫さんが師匠を待ち構えていた。……忘れてたけど、この人も大概です……。
「よしっ!エルガと話しをつけようか」
師匠は躊躇なく技姫さんの部屋に向かい、後を追うように守姫さんと私達がついていきます。
そして、部屋に入ると技姫さんと攻武さんは既に私達を待ち構えており、相変わらず無機質な部屋を少し進むと前とほぼ同じの通信石が点滅していました。師匠はそれに躊躇いもなく触れると光が強くなり、常に光る状態になりました。
「お久しぶりですね、ユウキ」
通信石から始めに聞こえて来たのは穏やかな男の子という印象が強い声でした。声だけでいうと私とルルと同じくらいの幼い感じがあります。
「ああ、久しぶりだな。エルガ」
師匠はやはり警戒した声でエルガさんに挨拶をします。守姫さん達も警戒しており………、あれ?
「あの~、ティフィラさんは?」
話の邪魔になってはいけないと近くにいた守姫に小声で聞くと、
「ちょっと!何言ってっ!!」
「?」
私はティフィラさんがいない理由を聞いただけなのに守姫さんは焦り出します。
「えっ!!そこにティフィラさんがいるの!?」
意外に何とエルガさんが通信石ごしでも分かるぐらい、興奮した状態で話に入り込んで来ました。そういえば、エルガさんは獣人族だったので、通信石ごしの小声で分かったって事は耳の良いモデルでしょうか。
「あちゃー」
師匠は手をおでこに当てて(やってしまったかー)とでも言いたげな表情をします。
「ねぇねぇねぇ、ティフィラさん、いるの?今、どんな服を着ているの?どんな髪型にしているの?どんな香水をつけてるの?どんな下着をつけてるの?今、化粧してる?どういった感じかな?やっぱりナチュラルメイクかな?ティフィラさん、ナチュラルメイクをよくしてたもんね。僕もティフィラさんのナチュラルメイクは好きだよ。ていうか、今までどこに住んでいたの?今はユウキの家に住んでいないよね?ていうか、まだユウキの事が好きな訳ないよね?今は僕の事が好きなんだよね?ねぇねぇねぇ、どうなの?そこらへん、しっかり教えて欲しいんだけど……?」
うっわ~、ハッキリ言って怖い………。まるでストーカーみたい……。なんか、師匠の事ばかり考えているティフィラさんや守姫さんに近いような気がする…。その中にチラッとルルが候補に挙がっていたのはきっと気のせい。
「はぁ、ティフィラは今はいないが俺の家に住んでいる。お前に頼みたいのは、俺の弟子を短期間だが指導してほしい。ティフィラにも頼んである」
師匠はティフィラさんの事に関して何の誤魔化しもせず、エルガさんに本題を切り出した。少しティフィラさんを引き合いに出していたのは気のせいだと信じたい。
「へぇ、メッセージの事は本気だったんだ。まさか、ユウキが弟子を取るなんて……」
「そんな事はどうでもいい。で、どうするんだ?受けるのか?受けないのか?」
「勿論受けるよ」
即答でしたけど、
「何せ、そこにティフィラさんがいるからねっ!!」
やっぱりティフィラさん目当て……。こんな人が本当に私達の指導をしてくれるのかな?
「じゃあ、1週間後。"待っててね、ティフィラさん"と伝えといてね」
「ああ」
「それじゃあ!」
(ブツっ!)
「よし、それじゃあ修行再開といきますか」
「「はいっ!」」
「おっ、文句無しとはねぇー。まあ、やる気があるのは良い事だ」
「いや、だって、もっと強くなりたいですし……」
「………私も」
「ふーん。よしっ!それじゃあ"転移"」
いつもの転移で来たのはまた森の中だけど、目の前には………、
「「「「「「「「「ブオォォォーー!!」」」」」」」」」
さっきの《ウルフキング》と同じ20体くらいの《ミノタウルスキング》。
「ねぇ、ルル。私、師匠の事は尊敬しているけど、こういうところは嫌い」
「私も」
「スゥゥーーっ!師匠の馬鹿ー!!!」
「「「「「「「「「ブホォォォォーーーーン!!!」」」」」」」」」
私の悲痛の叫びと《ミノタウルスキング》の鳴き声が狼煙になって、今、私とルルは本気の戦いをする……。
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
「よっ!お疲れ!!」
また全てが終わったところで師匠がやって来た。そんな師匠に文句の一つでも言いたいけど、生憎そんな余裕は無かった。
「まあ、だいぶ手こずったみたいだけど、とにかく良くやったな」
褒めてくれる事が単純に嬉しかった私は隣のルルと自慢げに微笑み合った。
合計22体の《ミノタウルスキング》の屍の上に寝転びながら………。
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少し、投稿が遅れてしまって申し訳ありません。
リリとルルの成長は止まりません!何せ、リリとルルには強くなってもらわないと困りますからね!!
さて、次回はルル視点になります。
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