ただの世界最強の村人と双子の弟子
第7.5話 魔神の意識の変化
ユウキ達が森に転移した後…
===魔神視点=====================
「はぁ…、はぁ…、はぁ…、はぁ…、何……、とか…、逃げ出せた……、よう…、じゃな……」
魔力は全く減っておらんが、あの女神の所為で、体はヘトヘトじゃ…。
追っ手は来てないみたいで何よりじゃ。
妾には利用価値がないと判断したんじゃな。
「しっかし、まぁ、酷い有り様じゃのう…」
自分の部下がやって、尚且つ、それを許しておったのに、実際見ると、なんか……、こう………、来るものがあるのう…。
あれ?今、妾、人の死を悲しんでいた…?
もしや、自身が死の恐怖を体感したから、死の恐ろしさが根に染み込み、他人が自身がなるかもしれない"死"を体現しているから、こんな事を思ってしまうのかもしれぬ…。
そうか…、妾はこの惨状を大陸全土に広げようとしていたのか……。
何と馬鹿な事を……。
でも、こんな考えを持っている妾は魔神失格じゃな……。
この業は、奴に介錯してもらおうとするかの…。
何じゃ、妾は死にたいのか……。
いや、これは"罪の意識"というやつかの…。
ハハッ、もう魔族どころか魔物としても失格じゃな…。
さて、奴を捜すとしよう。
途中、滅多斬りされた《ダークゴブリンキング》や、崩壊しまくった家や施設を見て回ったが、街にはもう、奴は居なかった…。
(ガシャガシャ)
街の外から鎧の鳴る音が聞こえる…。
どうやら救援に来たみたいが、もう、遅い…。
って!そうじゃなくて!妾の正体を隠さなければ…。
「"幻覚"魔法、エルフ族」
妾は武術より、魔法の方が強いから、同じく魔法がうまいエルフ族に化けた。
髪は艶の入った緑色、常緑樹のような深緑の目に、整った白い顔に長細いエルフ族特有の耳、緑を基調とした魔術師装備の女エルフ。
うん。妾ながら、上手くいった。
よし、後は森から初めて出て、いきなりこの現場に遭遇してしまった旅エルフのような振る舞いで、
「すみません!この惨状は一体どういう事なんでしょう!?」
先頭を歩いている騎士の様な男に話しかけてみる…。
話しかけられた男も違和感なく、返事を返してくれた。
よし、喋り方も問題なさそうじゃ…。
「君は…、エルフ族か!ちょうどいい、ここに魔王が攻め込んだらしく、今から魔王の捜索と生存者の確認をする。君の得意な魔法は何だ?」
う~ん、妾は攻撃系の魔法が得意なのじゃがな…。
"治癒"魔法は魔族だから、使えないし、"探知"魔法ももの凄く狭いんじゃよな~。
「あの~、私はまだエルフ族では見習い程度で、"治癒"魔法も"探知"魔法も使えないです…」
下手に出来ると言ってあまり、出来なかったら疑われる可能性があるからの…。
すると、男は見るからに落胆し、
「そ、そうか……、なら君は瓦礫を退かして埋もれている人が居ないか、探してくれ」
うむ、それなら妾でも出来るな。
「分かりました。手始めにここら一体の瓦礫を退かしますね」
「「「「「「「え?」」」」」」」
妾は"重力"魔法を下から上に発動させ、ここら一体の瓦礫を浮かす。
「ここら一体には埋もれている人はいない様ですね。次の場所に行きましょう」
「「「「「「「………。」」」」」」」
それにしても、この丁寧な喋り方は慣れないのう……。
エルフの連中はよくこんな喋り方でコミュニケーションを取れたもんじゃ…。
それにしても、さっきから妾の後を誰もついてこない。
「どうかされましたか?早く行かないと手遅れになりますよ?」
「あ、ああ。早く済ませようか…」
男は漸く妾の後を追ってきて、それから徐々に人が付いて来た。
妾達は順調に作業を進め、日没前には終了し…、
妾達は街の広場に張ったテントで報告を待っておったところに、1人の男が入ってきて、
「報告します…。王都《オウガ》の生存者は…、行方不明者2名を除き、0です……」
「……っ!」
分かっていた筈じゃが、いざ聞くと…、信じたくない様な気分になる…。
そりゃあ、魔王に、《ダークゴブリンキング》の変異体を送り込めば冒険者のいない街など…、攻め落とすのは簡単じゃろうな…。
そんな妾を見て、初めて話した男が、
「気にするな…、エルフのねぇちゃん。あんたのせいじゃねぇ…」
そう言って肩を叩いてくれたが、その叩いた相手が犯人のボスとは言えんな……。
妾は何も言わず、テントを出て、街の外へと歩きだした…。
行き先は防衛都市《ブリュンビレ》。
そこで奴を待つとしよう…。
魔神領に攻め込むには必ず通る場所じゃからな…。
ここから《ブリュンビレ》までは歩いて2週間ほど。
まあ、奴が来るまでは人助けでもやろうかの…。
せめてもの罪滅ぼしとして……。
==============================
皆さん的には魔神はどうなのでしょう?
そこらへんの意見も聞きたいです。
今回の投稿が遅れて申し訳ありません。
===魔神視点=====================
「はぁ…、はぁ…、はぁ…、はぁ…、何……、とか…、逃げ出せた……、よう…、じゃな……」
魔力は全く減っておらんが、あの女神の所為で、体はヘトヘトじゃ…。
追っ手は来てないみたいで何よりじゃ。
妾には利用価値がないと判断したんじゃな。
「しっかし、まぁ、酷い有り様じゃのう…」
自分の部下がやって、尚且つ、それを許しておったのに、実際見ると、なんか……、こう………、来るものがあるのう…。
あれ?今、妾、人の死を悲しんでいた…?
もしや、自身が死の恐怖を体感したから、死の恐ろしさが根に染み込み、他人が自身がなるかもしれない"死"を体現しているから、こんな事を思ってしまうのかもしれぬ…。
そうか…、妾はこの惨状を大陸全土に広げようとしていたのか……。
何と馬鹿な事を……。
でも、こんな考えを持っている妾は魔神失格じゃな……。
この業は、奴に介錯してもらおうとするかの…。
何じゃ、妾は死にたいのか……。
いや、これは"罪の意識"というやつかの…。
ハハッ、もう魔族どころか魔物としても失格じゃな…。
さて、奴を捜すとしよう。
途中、滅多斬りされた《ダークゴブリンキング》や、崩壊しまくった家や施設を見て回ったが、街にはもう、奴は居なかった…。
(ガシャガシャ)
街の外から鎧の鳴る音が聞こえる…。
どうやら救援に来たみたいが、もう、遅い…。
って!そうじゃなくて!妾の正体を隠さなければ…。
「"幻覚"魔法、エルフ族」
妾は武術より、魔法の方が強いから、同じく魔法がうまいエルフ族に化けた。
髪は艶の入った緑色、常緑樹のような深緑の目に、整った白い顔に長細いエルフ族特有の耳、緑を基調とした魔術師装備の女エルフ。
うん。妾ながら、上手くいった。
よし、後は森から初めて出て、いきなりこの現場に遭遇してしまった旅エルフのような振る舞いで、
「すみません!この惨状は一体どういう事なんでしょう!?」
先頭を歩いている騎士の様な男に話しかけてみる…。
話しかけられた男も違和感なく、返事を返してくれた。
よし、喋り方も問題なさそうじゃ…。
「君は…、エルフ族か!ちょうどいい、ここに魔王が攻め込んだらしく、今から魔王の捜索と生存者の確認をする。君の得意な魔法は何だ?」
う~ん、妾は攻撃系の魔法が得意なのじゃがな…。
"治癒"魔法は魔族だから、使えないし、"探知"魔法ももの凄く狭いんじゃよな~。
「あの~、私はまだエルフ族では見習い程度で、"治癒"魔法も"探知"魔法も使えないです…」
下手に出来ると言ってあまり、出来なかったら疑われる可能性があるからの…。
すると、男は見るからに落胆し、
「そ、そうか……、なら君は瓦礫を退かして埋もれている人が居ないか、探してくれ」
うむ、それなら妾でも出来るな。
「分かりました。手始めにここら一体の瓦礫を退かしますね」
「「「「「「「え?」」」」」」」
妾は"重力"魔法を下から上に発動させ、ここら一体の瓦礫を浮かす。
「ここら一体には埋もれている人はいない様ですね。次の場所に行きましょう」
「「「「「「「………。」」」」」」」
それにしても、この丁寧な喋り方は慣れないのう……。
エルフの連中はよくこんな喋り方でコミュニケーションを取れたもんじゃ…。
それにしても、さっきから妾の後を誰もついてこない。
「どうかされましたか?早く行かないと手遅れになりますよ?」
「あ、ああ。早く済ませようか…」
男は漸く妾の後を追ってきて、それから徐々に人が付いて来た。
妾達は順調に作業を進め、日没前には終了し…、
妾達は街の広場に張ったテントで報告を待っておったところに、1人の男が入ってきて、
「報告します…。王都《オウガ》の生存者は…、行方不明者2名を除き、0です……」
「……っ!」
分かっていた筈じゃが、いざ聞くと…、信じたくない様な気分になる…。
そりゃあ、魔王に、《ダークゴブリンキング》の変異体を送り込めば冒険者のいない街など…、攻め落とすのは簡単じゃろうな…。
そんな妾を見て、初めて話した男が、
「気にするな…、エルフのねぇちゃん。あんたのせいじゃねぇ…」
そう言って肩を叩いてくれたが、その叩いた相手が犯人のボスとは言えんな……。
妾は何も言わず、テントを出て、街の外へと歩きだした…。
行き先は防衛都市《ブリュンビレ》。
そこで奴を待つとしよう…。
魔神領に攻め込むには必ず通る場所じゃからな…。
ここから《ブリュンビレ》までは歩いて2週間ほど。
まあ、奴が来るまでは人助けでもやろうかの…。
せめてもの罪滅ぼしとして……。
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皆さん的には魔神はどうなのでしょう?
そこらへんの意見も聞きたいです。
今回の投稿が遅れて申し訳ありません。
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