ただの世界最強の村人と双子の弟子
第7話 村人の相棒達
===ルル視点=====================
私達はお師匠様に鍛えてもらえることになったけど、
「もしかして、師匠には、仲間がいたのですか!?」
姉さんが顔を輝かせて、お師匠様に質問した。
確かに気になる。
お伽話では『全能の大英雄』様が仲間と一緒にいるような事は書かれていなかった。
すると、お師匠様は少し、悲しげな顔をして、
「仲間……、はいない。お前らの修行を手伝うのは俺の相棒達だ」
姉さんもこの反応で、お師匠様には仲間がいたのだろうが、もういないって事を察したのだろう、少し、悲しそうな顔になってしまった。
「おい、何落ち込んでやがる。さっさと帰るぞ」
「え、帰るってどこに…」
私は思わず聞いてしまい、その事で姉さんがさらに暗い顔になってしまった。
「はぁー、決まってるだろ。俺の家でもあり、これからお前達の家にもなるところだ」
「「と、いう事は……」」
お師匠様は顔を少し赤くし、頭をかきながら、
「お前らは、俺の弟子になったんだ。俺は弟子に帰る場所をつくらないほど、人でなしではないからな」
「「……っ! 師匠!!
お師匠様!!」」
私達は何度目になるか分からないけどお師匠様の胸に飛び込んだ。
そして、泣きまくった。
お師匠様は困った様な顔をしながら、でも、優しく私達を宥めてくれた。
しばらくして、気持ちが落ち着いたから、お師匠様から離れると、姉さんはまだ、お師匠様にくっついている。
よく見ると口が少し緩んでいる……!
「……!姉さん、もう大丈夫でしょ…!」
私は強引に姉さんを引き剥がす。
姉さんは、「あぁ、もうちょっと……!」と駄々をこねていたが、気にしない。
お師匠様はそんなやりとりを見て、微笑んでいたが、何かを思い出したのか、焦り出し、
「おい!そろそろ帰るぞ!手を掴め!"転移"!」
お師匠様は無理矢理私達の手を掴み、転移した。
目を開けると、お師匠様と初めて会った森にいるのは辛うじてわかったが、目の前には……、
「ねぇ、目の前にあるのって家だよね」
「……、うん。家だね」
そう、私達の目の前には少し高い丘に家があった…。
「よし!それじゃあ、行くぞ」
「あっ待って!」
お師匠様は平然と家に向かい、姉さんがその後をついていっている。
私もついていき、お師匠様が玄関扉を開ける。
「「……。(ゴクッ)」」
私と姉さんは緊張しながら扉が開くのを待っていると、
「ご主人様~~!!!」
凄く綺麗なメイド姿の銀髪のお師匠様と同じくらいの歳の女性がお師匠様に飛びついてきた!
「ふぐっ!」
(ヒューン、ドゴォーン!)
「「……………」」
大魔王すら相手にならなかったお師匠様が女性とともに一直線にふっ飛ばされ、森の木に激突した。
お師匠様は激突する直前、女性を庇い激突した様で、女性はお師匠様の上に馬乗りになっている。
「おい!それを止めろって何回言えば分かる!お前が怪我したらどうするんだ!」
お師匠様はふっ飛ばされた事よりも、女性が怪我する事の方が許せないらしく、そんな事を聞いた女性は、目に涙を浮かべ、
「うっうぅ~~!ご主人様に心配してもらえるなんて!嬉しい……!」
本当に嬉しそうに泣いていたが、急に何かに気付いたらしく、
「はっ!そういえばご主人様!何で今日はこんなに帰ってくるのが遅いのですか!?もう昼ですよ!?あと、そこにいる女2人は誰ですか!?」
と、一気に責め立て、私達の話題が上がった時にはこっちを指差しながら責め立ている。
そして、急に、
「おい!ユウキ!こいつらは誰だ!?強いのか!?」
「我が主人よ、この状況の説明を要求する」
好戦的な事を言ったのは赤髪をオールバックにし、軽い服装で、お師匠様よりも背が高く、年上そうな男と、
機械的な事を言ったのは短髪の黒髮とスーツ姿のお師匠様よりも若干背が小さくて、大人びた女性が玄関から現れた。
私達はこの人達に全く気がつかなかった…。
お師匠様はさっきまで馬乗りになって責め立てていた女性になんとキスをして、黙らせ、女性をお姫様抱っこしてこちらに戻ってきた。
その一連の流れをみた姉さんは、悔しそうに唇を噛み締め、キスをされた女性は「ご主人様、全くもう…!」と言ってはいるが、顔は緩みに緩みまくっている。
そんなカオスな空気を気にせず、お師匠様は、私達に自己紹介をしろ、と言いながら女性を降ろした。
姉さんは少し、不機嫌になってはいるが、
「私の名前はリリ!10歳!ルルとは双子で私が姉!『ソウルウェポン』は両刃直剣!」
「……、私の名前はルル。同じ10歳。リリの双子の妹。『ソウルウェポン』は魔法杖」
私達の自己紹介を終え、お師匠様は満足そうだ。
「次、お前ら」
お師匠様は次に彼女らに自己紹介をさせる様だ。
「まずは俺から!俺の名前は攻武!武器は片刃直剣だ!接近戦なら俺だ!!」
「私の名前は技姫。武器は刀。戦術を考えるのが得意です」
「最後に、私の名前は守姫。武器は片刃直剣だけど、魔法を使った遠距離の方が得意です!」
男の人が攻武さんで、スーツ姿の人が、技姫さん、お師匠様とラブラブなのが、守姫さん……。
年齢は別にいいが、聞いておきたい事がある。それは姉さんも同じようで、
「「あ、あの~?」」
「なんだ?」
お師匠様が何か、足りなかった事でもあったか?とでもいうような表情をしていたが、
「「皆さんの『ソウルウェポン』はなんですか?」」
そう、守姫さん達は武器と言っていた。この流れでは『ソウルウェポン』と言う流れの筈なのに…。
すると、お師匠様含め4人が吹き出し、笑っていたが、落ち着いたのか、
「お前ら、答えてやれ」
と、お師匠様が絞り出すようにいうと、3人は顔を見つめ合わせ、
「俺達が王の『ソウルウェポン』だ」
「私達がご主人様の『ソウルウェポン』よ」
「我々が主人の『ソウルウェポン』そのものだ」
「「はい?」」
私達はお師匠様最大の秘密を知ってしまったのかも知れません。
==============================
少し長くなりました。
やっと3人を出せて、正体も!
次回はユウキ視点です。
私達はお師匠様に鍛えてもらえることになったけど、
「もしかして、師匠には、仲間がいたのですか!?」
姉さんが顔を輝かせて、お師匠様に質問した。
確かに気になる。
お伽話では『全能の大英雄』様が仲間と一緒にいるような事は書かれていなかった。
すると、お師匠様は少し、悲しげな顔をして、
「仲間……、はいない。お前らの修行を手伝うのは俺の相棒達だ」
姉さんもこの反応で、お師匠様には仲間がいたのだろうが、もういないって事を察したのだろう、少し、悲しそうな顔になってしまった。
「おい、何落ち込んでやがる。さっさと帰るぞ」
「え、帰るってどこに…」
私は思わず聞いてしまい、その事で姉さんがさらに暗い顔になってしまった。
「はぁー、決まってるだろ。俺の家でもあり、これからお前達の家にもなるところだ」
「「と、いう事は……」」
お師匠様は顔を少し赤くし、頭をかきながら、
「お前らは、俺の弟子になったんだ。俺は弟子に帰る場所をつくらないほど、人でなしではないからな」
「「……っ! 師匠!!
お師匠様!!」」
私達は何度目になるか分からないけどお師匠様の胸に飛び込んだ。
そして、泣きまくった。
お師匠様は困った様な顔をしながら、でも、優しく私達を宥めてくれた。
しばらくして、気持ちが落ち着いたから、お師匠様から離れると、姉さんはまだ、お師匠様にくっついている。
よく見ると口が少し緩んでいる……!
「……!姉さん、もう大丈夫でしょ…!」
私は強引に姉さんを引き剥がす。
姉さんは、「あぁ、もうちょっと……!」と駄々をこねていたが、気にしない。
お師匠様はそんなやりとりを見て、微笑んでいたが、何かを思い出したのか、焦り出し、
「おい!そろそろ帰るぞ!手を掴め!"転移"!」
お師匠様は無理矢理私達の手を掴み、転移した。
目を開けると、お師匠様と初めて会った森にいるのは辛うじてわかったが、目の前には……、
「ねぇ、目の前にあるのって家だよね」
「……、うん。家だね」
そう、私達の目の前には少し高い丘に家があった…。
「よし!それじゃあ、行くぞ」
「あっ待って!」
お師匠様は平然と家に向かい、姉さんがその後をついていっている。
私もついていき、お師匠様が玄関扉を開ける。
「「……。(ゴクッ)」」
私と姉さんは緊張しながら扉が開くのを待っていると、
「ご主人様~~!!!」
凄く綺麗なメイド姿の銀髪のお師匠様と同じくらいの歳の女性がお師匠様に飛びついてきた!
「ふぐっ!」
(ヒューン、ドゴォーン!)
「「……………」」
大魔王すら相手にならなかったお師匠様が女性とともに一直線にふっ飛ばされ、森の木に激突した。
お師匠様は激突する直前、女性を庇い激突した様で、女性はお師匠様の上に馬乗りになっている。
「おい!それを止めろって何回言えば分かる!お前が怪我したらどうするんだ!」
お師匠様はふっ飛ばされた事よりも、女性が怪我する事の方が許せないらしく、そんな事を聞いた女性は、目に涙を浮かべ、
「うっうぅ~~!ご主人様に心配してもらえるなんて!嬉しい……!」
本当に嬉しそうに泣いていたが、急に何かに気付いたらしく、
「はっ!そういえばご主人様!何で今日はこんなに帰ってくるのが遅いのですか!?もう昼ですよ!?あと、そこにいる女2人は誰ですか!?」
と、一気に責め立て、私達の話題が上がった時にはこっちを指差しながら責め立ている。
そして、急に、
「おい!ユウキ!こいつらは誰だ!?強いのか!?」
「我が主人よ、この状況の説明を要求する」
好戦的な事を言ったのは赤髪をオールバックにし、軽い服装で、お師匠様よりも背が高く、年上そうな男と、
機械的な事を言ったのは短髪の黒髮とスーツ姿のお師匠様よりも若干背が小さくて、大人びた女性が玄関から現れた。
私達はこの人達に全く気がつかなかった…。
お師匠様はさっきまで馬乗りになって責め立てていた女性になんとキスをして、黙らせ、女性をお姫様抱っこしてこちらに戻ってきた。
その一連の流れをみた姉さんは、悔しそうに唇を噛み締め、キスをされた女性は「ご主人様、全くもう…!」と言ってはいるが、顔は緩みに緩みまくっている。
そんなカオスな空気を気にせず、お師匠様は、私達に自己紹介をしろ、と言いながら女性を降ろした。
姉さんは少し、不機嫌になってはいるが、
「私の名前はリリ!10歳!ルルとは双子で私が姉!『ソウルウェポン』は両刃直剣!」
「……、私の名前はルル。同じ10歳。リリの双子の妹。『ソウルウェポン』は魔法杖」
私達の自己紹介を終え、お師匠様は満足そうだ。
「次、お前ら」
お師匠様は次に彼女らに自己紹介をさせる様だ。
「まずは俺から!俺の名前は攻武!武器は片刃直剣だ!接近戦なら俺だ!!」
「私の名前は技姫。武器は刀。戦術を考えるのが得意です」
「最後に、私の名前は守姫。武器は片刃直剣だけど、魔法を使った遠距離の方が得意です!」
男の人が攻武さんで、スーツ姿の人が、技姫さん、お師匠様とラブラブなのが、守姫さん……。
年齢は別にいいが、聞いておきたい事がある。それは姉さんも同じようで、
「「あ、あの~?」」
「なんだ?」
お師匠様が何か、足りなかった事でもあったか?とでもいうような表情をしていたが、
「「皆さんの『ソウルウェポン』はなんですか?」」
そう、守姫さん達は武器と言っていた。この流れでは『ソウルウェポン』と言う流れの筈なのに…。
すると、お師匠様含め4人が吹き出し、笑っていたが、落ち着いたのか、
「お前ら、答えてやれ」
と、お師匠様が絞り出すようにいうと、3人は顔を見つめ合わせ、
「俺達が王の『ソウルウェポン』だ」
「私達がご主人様の『ソウルウェポン』よ」
「我々が主人の『ソウルウェポン』そのものだ」
「「はい?」」
私達はお師匠様最大の秘密を知ってしまったのかも知れません。
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少し長くなりました。
やっと3人を出せて、正体も!
次回はユウキ視点です。
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