ただの世界最強の村人と双子の弟子
第6話 大魔王、襲来!
===リリ視点=====================
私達の故郷は滅茶苦茶になり、悲しかったけれど、師匠が魔法で両親の墓を作ってくれた。
つい、また、私達は師匠に泣きついてしまった…。
そんな私達を優しい目で、優しい手で、宥めてくれました。
「我慢しなくていい」と言ってくれました。
私はこれまで、『全能の大英雄』様の事を強い人としか、思っていなかったけど、優しい人だという事も知れました。
すると、そこに突如、強大な魔力が2つ転移してきました。
「「「……っ!」」」
「ちぃ、もう追撃しにきたか」
師匠はいい空気を邪魔された様な顔で魔力の反応のある所へ歩いていきます。
師匠は……、私の事をどう思っているのかな……?
……はっ!私ったらなんて事を!!べっ別に、師匠の事は、そっ尊敬しているだけだし~!!
「………、ね え さ ん ?」
ルルが少し怖い顔で私を見てる!
「さっ、さぁ~!早く、師匠の後についていきまひょう~!」
焦り過ぎて、噛んじゃいました…。
「「……、ぶっ!」」
「あ~~!もう!今、笑いましたね!!ルルも師匠も!!」
私が『ソウルウェポン』を振り回して師匠とルルを追いかけていると、
「貴様らがあいつと《ダークゴブリンキング》を殺ったのか?」
突如、目の前に甲冑を着た巨漢の男と魔術師独特のローブを着たヒョロヒョロそうなノッポの男が現れました。
魔力の質も量も桁違いです。
「「……っ!」」
私とルルは男達が現れるなんて気づくはずもなく、息を呑んで後ずさってしまいます。
師匠はここに現れることは分かっていたようで、平然と男達を睨み、そして、
「ああ。俺がやった」
師匠はまさかの正直に暴露しました。
恐らくこの男達は私達が倒した魔王より立場も力も上の筈、そして、それが分からない師匠じゃないので、分かった上での暴露!
男達は驚いた顔をしましたが、すぐに元の表情にもどり、そして、
「そうか、じゃあ死ね」
甲冑の男は目にも止まらぬ速度でいつ間にか持っていた魔剣らしきもので師匠に袈裟斬りをしたらしいのですが、師匠は軽々と左手で挟むように魔剣を掴み、
「てめぇ、この程度の力で死ねとか、舐めてんのか?」
「「なっ!!」」
男達は魔剣が掴まれた事に驚いて、
「取り敢えず、吹っ飛べ」
師匠は掴んだ魔剣をへし折り、投げ捨て、次の瞬間、それぞれ殴ったのか、
(ドゴォーーン)
気付いた時には男達は崩れた家を5軒ほど貫通し、《冒険者ギルド》だったところに2人揃って突っ込んだ事でやっと止まったと思いきや、《冒険者ギルド》が崩れて瓦礫の中へと消えました。
私達は無言で大魔王達の後を歩いて追います。
「「………」」
師匠は規格外とは分かっていたつもりでしたが、まだまだ認識が甘かったです。
だって、大魔王と思われる魔族が一瞬でふっ飛ばされたのですよ。
師匠がてこずる敵は後、魔神だけですけど、魔神も期待は出来なさそうです…。
すると、瓦礫の中から大魔王が、あり得ないとでも言いたそうな顔ででてきました。
もちろん2人共、重症です。
「なんだ!!貴様は!?何者だ!?」
甲冑がボロボロになった男が聞いてきました。
どうやら、魔術師の男の方は正体の見当がついているようで、顔を青くしています。
「早く!撤退するぞ!!早くしないと殺されるぞ!!!」
そう言って魔術師は素早く、"転移"魔法の詠唱をし、魔神領に帰ってしまいました。
でも、気になることが1つ……。
「師匠、なんで、逃したんですか?」
そう、師匠の《ウルフキング》を殲滅した時に見せたスピードを使えば奴らを殺せた筈なのに…。
それなのに、逃したから、不審に思ったのです。
師匠は真剣な表情で、
「あいつらを逃した理由は2つ。
1つ目はあいつらのボスである魔神に俺の存在を伝えさせる事。
2つ目はお前らがあいつらや魔神を倒すからだ」
「「はい?」」
私達は思わす、聞き返してしまいました。
1つ目は分かるけど、2つ目は何で私達に大魔王を倒させるのでしょう……?
そんな考えを見透かすように、師匠は、
「いいか、俺がやっても意味がない。
お前らが魔神を倒すことに意味があるんだ」
「私達が倒すことの意味はなんですか?」
(ウンウン)
私は分からないことを聞いてみます。ルルも分からなかったみたいです。
師匠は、少し悲しげな顔で、
「また、今回も俺が倒したらどうなる?
ただでさえ弱い連合国がもっと弱くなるだろう。
いざとなったら、『全能の大英雄』が助けてくれるからってな。
それじゃあ、意味がない。
人は頑張れば魔神を倒す事も出来るって思えるようにならなくてはならないからな。
だから、お前らが魔神を倒す事に意味があるんだ」
凄い……!師匠はそんな未来の事も考えているんだ……!
あと…、今の発言は暗に自分が人じゃないっていっているような……。
まあ、今更ですよね!
「はい!私達が魔神を倒します!」
(コクコク)
大魔王にすら勝てるかどうか、分からないけど師匠なら私達を強くしてくれる…!
そう思えます……!
師匠は私達の反応を見て、微笑んで、
「大丈夫、お前達は俺たちが強くしてやる。まだ弱い内は俺たちが護ってやる!」
師匠はそんな心強い事を言ってくれましたが、気になることが1つ、
「「俺たち?」」
==============================
やっと、ユウキの相棒達を出せそうです。
次回は特別章になると思います。
私達の故郷は滅茶苦茶になり、悲しかったけれど、師匠が魔法で両親の墓を作ってくれた。
つい、また、私達は師匠に泣きついてしまった…。
そんな私達を優しい目で、優しい手で、宥めてくれました。
「我慢しなくていい」と言ってくれました。
私はこれまで、『全能の大英雄』様の事を強い人としか、思っていなかったけど、優しい人だという事も知れました。
すると、そこに突如、強大な魔力が2つ転移してきました。
「「「……っ!」」」
「ちぃ、もう追撃しにきたか」
師匠はいい空気を邪魔された様な顔で魔力の反応のある所へ歩いていきます。
師匠は……、私の事をどう思っているのかな……?
……はっ!私ったらなんて事を!!べっ別に、師匠の事は、そっ尊敬しているだけだし~!!
「………、ね え さ ん ?」
ルルが少し怖い顔で私を見てる!
「さっ、さぁ~!早く、師匠の後についていきまひょう~!」
焦り過ぎて、噛んじゃいました…。
「「……、ぶっ!」」
「あ~~!もう!今、笑いましたね!!ルルも師匠も!!」
私が『ソウルウェポン』を振り回して師匠とルルを追いかけていると、
「貴様らがあいつと《ダークゴブリンキング》を殺ったのか?」
突如、目の前に甲冑を着た巨漢の男と魔術師独特のローブを着たヒョロヒョロそうなノッポの男が現れました。
魔力の質も量も桁違いです。
「「……っ!」」
私とルルは男達が現れるなんて気づくはずもなく、息を呑んで後ずさってしまいます。
師匠はここに現れることは分かっていたようで、平然と男達を睨み、そして、
「ああ。俺がやった」
師匠はまさかの正直に暴露しました。
恐らくこの男達は私達が倒した魔王より立場も力も上の筈、そして、それが分からない師匠じゃないので、分かった上での暴露!
男達は驚いた顔をしましたが、すぐに元の表情にもどり、そして、
「そうか、じゃあ死ね」
甲冑の男は目にも止まらぬ速度でいつ間にか持っていた魔剣らしきもので師匠に袈裟斬りをしたらしいのですが、師匠は軽々と左手で挟むように魔剣を掴み、
「てめぇ、この程度の力で死ねとか、舐めてんのか?」
「「なっ!!」」
男達は魔剣が掴まれた事に驚いて、
「取り敢えず、吹っ飛べ」
師匠は掴んだ魔剣をへし折り、投げ捨て、次の瞬間、それぞれ殴ったのか、
(ドゴォーーン)
気付いた時には男達は崩れた家を5軒ほど貫通し、《冒険者ギルド》だったところに2人揃って突っ込んだ事でやっと止まったと思いきや、《冒険者ギルド》が崩れて瓦礫の中へと消えました。
私達は無言で大魔王達の後を歩いて追います。
「「………」」
師匠は規格外とは分かっていたつもりでしたが、まだまだ認識が甘かったです。
だって、大魔王と思われる魔族が一瞬でふっ飛ばされたのですよ。
師匠がてこずる敵は後、魔神だけですけど、魔神も期待は出来なさそうです…。
すると、瓦礫の中から大魔王が、あり得ないとでも言いたそうな顔ででてきました。
もちろん2人共、重症です。
「なんだ!!貴様は!?何者だ!?」
甲冑がボロボロになった男が聞いてきました。
どうやら、魔術師の男の方は正体の見当がついているようで、顔を青くしています。
「早く!撤退するぞ!!早くしないと殺されるぞ!!!」
そう言って魔術師は素早く、"転移"魔法の詠唱をし、魔神領に帰ってしまいました。
でも、気になることが1つ……。
「師匠、なんで、逃したんですか?」
そう、師匠の《ウルフキング》を殲滅した時に見せたスピードを使えば奴らを殺せた筈なのに…。
それなのに、逃したから、不審に思ったのです。
師匠は真剣な表情で、
「あいつらを逃した理由は2つ。
1つ目はあいつらのボスである魔神に俺の存在を伝えさせる事。
2つ目はお前らがあいつらや魔神を倒すからだ」
「「はい?」」
私達は思わす、聞き返してしまいました。
1つ目は分かるけど、2つ目は何で私達に大魔王を倒させるのでしょう……?
そんな考えを見透かすように、師匠は、
「いいか、俺がやっても意味がない。
お前らが魔神を倒すことに意味があるんだ」
「私達が倒すことの意味はなんですか?」
(ウンウン)
私は分からないことを聞いてみます。ルルも分からなかったみたいです。
師匠は、少し悲しげな顔で、
「また、今回も俺が倒したらどうなる?
ただでさえ弱い連合国がもっと弱くなるだろう。
いざとなったら、『全能の大英雄』が助けてくれるからってな。
それじゃあ、意味がない。
人は頑張れば魔神を倒す事も出来るって思えるようにならなくてはならないからな。
だから、お前らが魔神を倒す事に意味があるんだ」
凄い……!師匠はそんな未来の事も考えているんだ……!
あと…、今の発言は暗に自分が人じゃないっていっているような……。
まあ、今更ですよね!
「はい!私達が魔神を倒します!」
(コクコク)
大魔王にすら勝てるかどうか、分からないけど師匠なら私達を強くしてくれる…!
そう思えます……!
師匠は私達の反応を見て、微笑んで、
「大丈夫、お前達は俺たちが強くしてやる。まだ弱い内は俺たちが護ってやる!」
師匠はそんな心強い事を言ってくれましたが、気になることが1つ、
「「俺たち?」」
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やっと、ユウキの相棒達を出せそうです。
次回は特別章になると思います。
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