妖刀使いがチートスキルをもって異世界放浪 ~生まれ持ったチートは最強!!~
104:時空逆行
城に着くと、すぐに部屋に通された。
そこのソファーに座っていたのは、そわそわしてるクシャーナのお姉さん? が座っていた。
「あっ! クシャーナ。本当に無事でよかったわ」
ドアを開いては言ってきた俺たちの中からクシャーナを見つけると、ソファーから飛びつきクシャーナ抱きしめる。
「お、お母さま。く、苦しいです」
え? お母さん? おねぇさんだと思っていたんだが。
「えぇ、おねぇさんかと思ってました」
フロンが口に出して反応する。
だがクシャーナの母親はクシャーナをじっと見つめた。
「お、お母さま?」
「く、クシャーナ。あなた声が……も、戻ったのね」
クシャーナの母親の目から涙が頬を伝う。
そしてそのままクシャーナをぎゅっと抱きしめた。
俺たちはそのまま、母親が落ち着くまで見守ることにした。
「す、すみません。お見苦しいところをお見せして」
「い、いえしょうがないことだと思います」
ティナが頭をあげさせる。
「申し遅れました。クシャーナの母親のクリューナと申します」
「私はティナ・アカーシャ。こちらにいるのが」
「ユウ・ツキカゲだ。敬語は苦手なんだ。勘弁してもらえると助かる」
「はい。大丈夫です。気軽にクリューナとお呼び下さい」
「わかった。俺もユウでいい」
そのあとフロンたちも自己紹介をした。
一通り終えると、ネルが俺たちの横に立ち、これまでの経緯を話し始めた。
帰国途中にオークに襲われた事。そこで俺たちに助けてもらった事。クシャーナの声を俺が戻したこと。そして盗賊に襲われた事。俺たちがここまでこの二人を護衛してきた事。
「申し訳ありません。私が不甲斐ないばかりにクシャーナ様を危険な目に……」
「いいのよ。こうして無事だったんだから。あなたが気負う前に助けてくれたユウさんたちにお礼をしなくちゃでしょ?」
「はい。本当にありがとう。助かった」
「いや、当然のことをしただけだ」
ネルは俺に向かって深く頭を下げる。
俺の返事を聞くと、もう一度だけお礼を言ってからネルは下がった。
次に俺に頭を下げたのはクリューナだった。
「ありがとうございます。ユウさん。クシャーナとネルを助けていただいて、クシャーナにいたっては声まで……」
「あっ、その事についてだが……」
俺は大事な事を伝えるのを忘れていた。
クシャーナの喉の病気は性格には治っていない。
時空の瞳の能力で、俺が使用したのは時空逆行。つまりは巻き戻しだ。
俺がクシャーナにしたのは病気を発病する前まで戻すということだけだ。だからこのままいけばクシャーナはまた声を失う。
だが、それは何もしなければ、だ。
ティナやここにいる回復術が使える者が治療すればいいだけの話だ。
まぁ、これだけの病気1日程度の治療じゃ治らないだろうけど。定期的に治療すれば問題ないだろう。
「えっとだな。クーシャの喉の病気はまだ治ったわけじゃない」
「「え?」」
声をあげたのはネルとクシャーナ本人。
「ですが、確かに声は元に戻って……」
「そうだな。ここで見たものを秘密にしていただけるのなら、理由を具体的に説明できるが……」
「それについては問題ありませんね?」
クリューナは周りの護衛を退出させネルとクシャーナを含めた3人が残る。
二人はクリューナの視線に頷いて答える。
「それじゃあどうしようか……。こうするか」
俺は立ち上がり、ムラクモを抜刀する。
「い、いったい何を……」
「まぁ、見ててください」
俺は自分の刀を持っていない手で刀の刀身を強めに握る。
「な、なにを!」
「お、お兄様!?」
慌てるネルとクシャーナ。だが二人はクリューナに止められ、行動を起こせない。
「ここに刀傷が出来た」
〝むぅ、私はユウを傷つけたくないのにこんな扱い方酷い〟
(こ、今度なんかしてやるから許せ)
〝ん。甘いものいっぱい食べる〟
それでいいのか……。
俺は切り傷が出来た左手を3人の方に向ける。
「じゃあ見とけよ」
俺は左眼に魔力を集める。
『時空の瞳』『時空逆行』
俺は自分の掌を対象に傷が出来る前まで掌の時間を巻き戻す。
すると、俺の手を伝う血は傷口から体内に戻っていく。そして見る見るうちに傷口が塞がっていく。
「これが、時空逆行。いわゆる、時間の巻き戻し」
「じ、時間の巻き戻し!?」
「そうだ。そこまで大規模な範囲は無理だ。俺がクーシャにしたのは喉の病気が発病する前まで病気自体の時間を巻き戻しただけだ。だからこのままいけばいずれクーシャはまた声を失う」
俺の言葉に3人は驚愕の表情を浮かべる。
「だが、それも何もしなければの話だ。回復術を定期的に施せばいいだけだ。俺もそこまで無責任じゃない。ここにいるティナが回復術が使える。ティナがクーシャを定期的に見てくれる」
「えっ!? あっはい!」
急に話を振られ、ティナは驚きながらもそれを受け入れる。
「お願いします。ティナおねぇ様」
うるうるとした表情でクシャーナがティナを見つめる。
ティナはその愛らしさにめけたのか、クシャーナをギュッと抱きしめていた。
「あっ、すみません」
自分が何をしたのか理解したティナはすぐにクシャーナを話す。
「ぷはっ。てぃ、ティナおねぇ様はでかくて柔らかくて。気持ちいです」
ティナの胸によって抱きしめられていたクシャーナは、離されてもすぐにティナに抱き着いた。
そんなクシャーナをティナは優しく撫でていた。
「ふふっ微笑ましいですね」
「そ、そうだな」
「ユウさんもどうです?」
クリューナが、おいでと言わんばかりに両手を開く。
「「「「なっ!?」」」」
「ふみゅ?」
俺とクシャーナ以外の全員が反応する。ネルも含めてだ。
クシャーナだけはティナの胸の中で状況を理解できていなかった。
「か、からかうのはやめてくれ」
「ふふっ、からかってはいませんが、まぁ残念です」
クリューナは両手を下げる。
それを見て俺は息をつく。
俺は立ち上がる。
「それじゃあ俺らはこの辺で、ネル。約束通りどこか滞在できそうな場所を教えてくれ」
「あ、あぁ支度をしてくる。入口で待っていてくれ」
エルはあわただしくも部屋から出ていく。
「お、お兄様……」
クシャーナがコートの裾を引っ張ってくる。
「あぁ、また明日な」
「え? 明日も来てくれるの?」
「最初だしティナの付き添いで来るよ。……それに用事があるし」
俺はあのエクトとか言うやつに渡された、騎士紋章入りの手紙をぺらぺらしてる。
あーめんどくさいなぁ~。
俺はそう思いながらも、ティナたちを引き連れ城の入り口を目指した。
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