妖刀使いがチートスキルをもって異世界放浪 ~生まれ持ったチートは最強!!~
100:鬼ごっこ
フィリアは予想以上に早く、少し間を開けたこともあってかなかなか追いつくことが出来ない。
「フィリアの奴結構早いな。しょうがないか」
俺は足に魔力を集中させ、エルに呼びかける。
(エル。周辺の確認を頼む。何かあったら連絡)
《了解しました》
『飛天速』『雷身光』
俺は足に風を纏わせ、体を雷で覆う。
巫女の里の森でフロンがしたのと同じ状況だ。
俺は加速してフィリアの元へ向かう。
すると前方からつまりフィリアから呪文の詠唱が聞こえた。
『汝 風の精霊よ わが身に宿れ わが身を大いなる風と為せ』
すると、フィリアは体全体に風を纏いさらにスピードを上げる。
「いいぜ、鬼ごっこなら付き合ってやるよ。手加減しないけどな」
きっと月詠ノ瞳とかを使えばすぐに捕まえられるんだろうけどな。
俺はあえて魔法戦を挑むことにしよう。
そして俺は連続で魔法を発動させていく。
『幻影想』
俺は自分の幻影を3体作り出す。
『土封壁』
俺がそう唱え右手に地面を触れさせるとフィリアの目の前の地面がフィリアを覆うように広がり、フィリアを捕まえようとする。
『汝 水の精霊よ 汝我が行く道を其の穢れなく 浄化せん!』
フィリアの掌からまるでレーザー化のように水が打ち出される。その水は土の壁を砕き穴をあけた。
その穴からフィリアは飛び出る。
だがそうやすやす逃がす俺ではない。
『黒影縛鎖』
「きゃっ」
俺はあえて捕まえるように鎖は動かさず、その穴から飛び出るフィリアの足の着地点の少し前に鎖を横にぴんと張ったのだ。
フィリアの視界に鎖が入ることは無くたった今フィリアはその鎖によって躓いたのだ。
だが、往生際の悪いフィリアはこけながらも前に前転。体勢を立て直しまた走り出す。
「主様! しばらく一人にさせて!」
フィリアが走りながら俺にそう言ってくる。
「いやだね」
「なっ!?」
「これからエルフの国に行くのにこんな蟠りがあってたまるか、まぁそんなことより俺はこんな状況でお前を一人したくないんだ」
「いいじゃない! 私が一人になりたいと言ってるの。ちゃんと戻るから少し一人にさせて!」
俺はあえてフィリアの速度に合わせて、距離を開けて後ろを走る。
「何かあっても俺がなんとかしてやる。俺がフィーの傍に居てやるから! とりあえず止まれ!」
俺はフィリアに呼びかける。
すると、若干だがフィリアのスピードが落ちる。
だが、フィリアはまたすぐにスピードを戻す。
「チッ、しょうがないか」
俺は一気に足に力を籠める。そしてフィリアとの距離を一気に詰めた。
『縮地』
俺はフィリアの前へと飛び出し、足で急ブレーキをかける。
すると、一気にスピードが落ちた俺が急に目の前に現れフィリアは自分のスピードの勢いを殺しきれず、俺と真正面から衝突する。
そのまま俺とフィリアは地面に転がす。
とっさにフィリアを抱きしめ、地面への接触は極力、俺がぶつかるようにする。
最終的に気にぶつかって俺たちは停止した。
ほとんどのダメージは俺が吸収したおかげか、フィリアに主だった傷は見当たらない。
「フィリア。大丈夫か?」
「だ、大丈夫。本当、主様は無茶するんだから」
俺の胸の位置から顔をあげ俺を見つめてくるフィリア。
どうにもその顔が愛おしくて、守ってあげたくなる。
俺はフィリアのきれいな赤髪に手を乗せる。そしてそっと撫でる。
「心配するな。俺が傍に居てやる。俺がフィーのことを守ってやる。だから安心しろ」
俺は宥めるようにフィリアの頭を撫で続ける。
その間フィリアは、俺が誓うにいるのを確かめるように頭を俺の胸へとぐりぐり押し付けてきていた。
フィリアのことは前に聞いている。ハーフエルフは精霊を使役できないもの。だがフィリアは出来てしまった。そこからの恨みや嫌がらせなどもあっただろう。
きっとそれで、ネルともいざこざがあったのだろう。
だが、あのネルの様子を見た限りフィリアが認めさえすればそこまで大ごとにはならないようにも見える。
「あ、主様……」
フィリアが、恥ずかしそうに俺の顔を覗いて来る。
「いつまで私を撫でるの?」
「わ、わるい」
俺はフィリアの頭から手を退かす。
だがそう言ったはずのフィリアの顔は残念がっているようにも見えた。
「もう落ち着いたか」
「まぁ、少しは……」
「大丈夫だ。何があっても手は出させない。だから一度話を聞いてやってくれ」
「ここまでして止められたんだもの。それに主魔の”お願い”だからね、聞いてあげる。でもお願いを聞くからには対価を望んでもいいのよ……ね?」
そう言ってフィリアは俺を見つめてくる。
そのフィリアの顔は真っ赤で俺に何かを求めているようだった。
「まぁ、俺に出来ることなら……って、っん!?」
俺の口がフィリアの唇によって強引に塞がれる。
「んっ、ぷはー」
息がギリギリのところで、ようやく唇が離れる。
ただ当てるだけのキスだったが、その時間は長く息する時間もなかった。
「これが、きす。ふふっ、好きな人とのきすだぁ」
顔を蕩けさせ、俺にもたれかかっているフィリアが耳元でそんなことを言っている。
俺たちは木にもたれかかり抱き合っているような格好で少しの時間だけ休憩することにした。
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