BLOOD HERO'S
episode5 #48「密会」
 ---「話は終わりか?」
 「んん?」
 多原が電話を切るのを見るや否や背後から鬼余彦が声を掛けてきた。
 「ええ。ちょうど終わった所ですよ」
 多原は後ろを振り返り鬼余彦を見つめてそう返した。
 「わざわざこんな場所を選んでする話とはとても思えんかったが?」
 「なんだ、聞いてたんじゃないですか?」
 2人が居る場所は八天翔のとある地下50mにある元々放水路になる場所に居た。今は直径10mはある無数の柱しかなく無論人一人として入り立つ者などいなかった。
 「ここは私もちょっとだけ関わってた事がありまして数年前、立派な放水路が出来る予定だったんですが完成間近で何故かトラブルが多発しておりまして実際の所完成はしてますがあまりにも気味が悪いという事で結局、利用するのは断念したそうです」
 「誰もそんな事聞いてねーし」
 長々と説明してくる多原に苛立ちを感じ皮肉を言う鬼余彦。彼が聞きたかった事とはま全く違っていたからだ。
 2人の会話は特に隠す程の無い内容だった。そもそもここでは圏外の為電話等出来る訳が無かった。
 「圏外になってねーってことはアイツか?」
 鬼余彦はふと自分のスマホの画面を見た。時間は18時を回っていた。そして電池は4本立っていた。鬼余彦はスマホを確認し終えると視線は上に向いていた。
 「そうですよ。彼の能力で電波をここまで延ばしてくれてるんです」
 「ああそうかよ。んでここに来た本当の目的は?」
 多原が頷いて説明してくれたが鬼余彦は微塵も興味がなさそうですぐに話を切り替えた。
 「それならすぐに分かりますよ。ちょうど来てくれたようですし」
 「?」
 多原の妙な発言に首を傾げる鬼余彦。するとそのすぐ後、何者かの足音が2人に近づいて来ていた。
 「………」
 その音に気づいた鬼余彦は足音が聞こえる方向に殺気を漂わせながら視線を移し警戒し始めた。だが薄暗くて視界ではまだ姿を捉えることが出来なかった。
 「鬼余彦君。そんなに殺気だてなくても大丈夫ですよ。ここに来た理由は彼と会う為です」
 ゆっくりと近づいて来る足音に身構える鬼余彦をなだめる多原。一歩一歩足音が大きくなってきた。
 「お久しぶりですね、仙君」
 多原が声をかけると足音の持ち主がようやく姿を見せた。その人物は真っ白な短髪と生気を感じられない目が特徴的な青年であった。
 「彼は白凪 仙。今はここの住人で盗賊『針鼠』のリーダーです」
 「んん?」
 多原が電話を切るのを見るや否や背後から鬼余彦が声を掛けてきた。
 「ええ。ちょうど終わった所ですよ」
 多原は後ろを振り返り鬼余彦を見つめてそう返した。
 「わざわざこんな場所を選んでする話とはとても思えんかったが?」
 「なんだ、聞いてたんじゃないですか?」
 2人が居る場所は八天翔のとある地下50mにある元々放水路になる場所に居た。今は直径10mはある無数の柱しかなく無論人一人として入り立つ者などいなかった。
 「ここは私もちょっとだけ関わってた事がありまして数年前、立派な放水路が出来る予定だったんですが完成間近で何故かトラブルが多発しておりまして実際の所完成はしてますがあまりにも気味が悪いという事で結局、利用するのは断念したそうです」
 「誰もそんな事聞いてねーし」
 長々と説明してくる多原に苛立ちを感じ皮肉を言う鬼余彦。彼が聞きたかった事とはま全く違っていたからだ。
 2人の会話は特に隠す程の無い内容だった。そもそもここでは圏外の為電話等出来る訳が無かった。
 「圏外になってねーってことはアイツか?」
 鬼余彦はふと自分のスマホの画面を見た。時間は18時を回っていた。そして電池は4本立っていた。鬼余彦はスマホを確認し終えると視線は上に向いていた。
 「そうですよ。彼の能力で電波をここまで延ばしてくれてるんです」
 「ああそうかよ。んでここに来た本当の目的は?」
 多原が頷いて説明してくれたが鬼余彦は微塵も興味がなさそうですぐに話を切り替えた。
 「それならすぐに分かりますよ。ちょうど来てくれたようですし」
 「?」
 多原の妙な発言に首を傾げる鬼余彦。するとそのすぐ後、何者かの足音が2人に近づいて来ていた。
 「………」
 その音に気づいた鬼余彦は足音が聞こえる方向に殺気を漂わせながら視線を移し警戒し始めた。だが薄暗くて視界ではまだ姿を捉えることが出来なかった。
 「鬼余彦君。そんなに殺気だてなくても大丈夫ですよ。ここに来た理由は彼と会う為です」
 ゆっくりと近づいて来る足音に身構える鬼余彦をなだめる多原。一歩一歩足音が大きくなってきた。
 「お久しぶりですね、仙君」
 多原が声をかけると足音の持ち主がようやく姿を見せた。その人物は真っ白な短髪と生気を感じられない目が特徴的な青年であった。
 「彼は白凪 仙。今はここの住人で盗賊『針鼠』のリーダーです」
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