BLOOD HERO'S
episode5 #2「出発前日」
 ---炎美が遠征に出る前日、炎美は志村に呼びだされていた。
 「君が入ってきてかれこれ3ヶ月ぐらいは経つかな?どうだい仕事の方は?」
 志村は炎美に質問を投げかけるが志村の視線はペン回しをしている自分の手に向いていた。
 「おかげさまで大分板についてきたと思います」
 「そっかそっかー!」
 そう言うと志村はペン回しを止め視線を炎美に移した。
 「ならそろそろアレをやらしても大丈夫かなー!?」
 「?アレ?」
 志村はニヤけた笑みを浮かべながら言うが炎美には『アレ』というのが分からず首を傾げた。
 「そう言えば炎美君には『遠征』の事については話したっけ?」
 「遠征?ええっと…」
 (確かどっかで教えて貰ったような教えて貰ってないような…)
 炎美は思い出そうと視線を斜め上に向け記憶を辿ろうとしたが志村は自分の人差し指を炎美の唇に当てた。
 「ちょうどいい機会だから1から説明してあげよう!」
 志村にそう言われ炎美は思い出すことを辞め志村の話に耳を傾けた。
 「先ず私達のような能力者に対抗出来る組織は他の地方を探してもここスフィアしか存在しないんだ!」
 「えっ?ココだけ!?」
 話の冒頭で既に炎美には衝撃を受けた。
 (てっきり他の地方にも同じような人達がいると思ってたんだけど…)
 炎美はそんな風に思っていたからだ。
 「理由は大きく分けて2種類あるんだけど1つは能力についてだ」
 「能力?」
 「そう。Ra:SEEDは能力が使えない人間に対し一時的に能力を貸し与える事が出来る特殊な血液だ。しかしその貸し与える能力は人により様々だ!」
 「あっ」
 志村の話を聞いているうち炎美はその1つの理由について気がついてしまったようで思わず声が口から溢れてしまった。
 「もしRa:SEEDが貸した能力が途轍もなく強力な能力だったら…」
 炎美は独り言を言うかのようにボソリと呟いた。すると志村は両手を前に組みだした。
 「その通り、強力な能力を持つと悪用される可能性が出てくるんだよ」
 まるで過去にそんなことがあったかのような口ぶりで話す志村。しかし志村は決して過去の話をしようとはしなかった。むしろその理由をあくまで可能性の話として終わらせようとしていた。
 「あと1つはそれを監視及び管理がし辛くなってしまうことだね。離れた場所に置かれるとやはり様子を伺いにくくなるからね」
 「………」
 もう1つの理由を聞いて炎美は不信感を覚えていた。
 (なんかまるで信頼してないような言い方だな)
 炎美にはそこが引っかかっていた。スフィアのメンバーは信頼されて仕事を任せたりしているハズなのにその他の人はまるで信頼に値しないようだ。やはり過去に何かがあったからだろうか?
 「そんな訳で他の地方には置けないという判断になったんだがそのまま他の所を疎かにする訳にはいかないからね。そこで遠征というものを取り入れたわけさ!」
 志村は急に立ち上がりさっきの真面目な顔とは打って変わって笑顔で身振り手振りをしながら話出した。
 「もうここまできたら分かると思うけど今回の遠征は…炎美君!君に行ってもらいたい!」
 「君が入ってきてかれこれ3ヶ月ぐらいは経つかな?どうだい仕事の方は?」
 志村は炎美に質問を投げかけるが志村の視線はペン回しをしている自分の手に向いていた。
 「おかげさまで大分板についてきたと思います」
 「そっかそっかー!」
 そう言うと志村はペン回しを止め視線を炎美に移した。
 「ならそろそろアレをやらしても大丈夫かなー!?」
 「?アレ?」
 志村はニヤけた笑みを浮かべながら言うが炎美には『アレ』というのが分からず首を傾げた。
 「そう言えば炎美君には『遠征』の事については話したっけ?」
 「遠征?ええっと…」
 (確かどっかで教えて貰ったような教えて貰ってないような…)
 炎美は思い出そうと視線を斜め上に向け記憶を辿ろうとしたが志村は自分の人差し指を炎美の唇に当てた。
 「ちょうどいい機会だから1から説明してあげよう!」
 志村にそう言われ炎美は思い出すことを辞め志村の話に耳を傾けた。
 「先ず私達のような能力者に対抗出来る組織は他の地方を探してもここスフィアしか存在しないんだ!」
 「えっ?ココだけ!?」
 話の冒頭で既に炎美には衝撃を受けた。
 (てっきり他の地方にも同じような人達がいると思ってたんだけど…)
 炎美はそんな風に思っていたからだ。
 「理由は大きく分けて2種類あるんだけど1つは能力についてだ」
 「能力?」
 「そう。Ra:SEEDは能力が使えない人間に対し一時的に能力を貸し与える事が出来る特殊な血液だ。しかしその貸し与える能力は人により様々だ!」
 「あっ」
 志村の話を聞いているうち炎美はその1つの理由について気がついてしまったようで思わず声が口から溢れてしまった。
 「もしRa:SEEDが貸した能力が途轍もなく強力な能力だったら…」
 炎美は独り言を言うかのようにボソリと呟いた。すると志村は両手を前に組みだした。
 「その通り、強力な能力を持つと悪用される可能性が出てくるんだよ」
 まるで過去にそんなことがあったかのような口ぶりで話す志村。しかし志村は決して過去の話をしようとはしなかった。むしろその理由をあくまで可能性の話として終わらせようとしていた。
 「あと1つはそれを監視及び管理がし辛くなってしまうことだね。離れた場所に置かれるとやはり様子を伺いにくくなるからね」
 「………」
 もう1つの理由を聞いて炎美は不信感を覚えていた。
 (なんかまるで信頼してないような言い方だな)
 炎美にはそこが引っかかっていた。スフィアのメンバーは信頼されて仕事を任せたりしているハズなのにその他の人はまるで信頼に値しないようだ。やはり過去に何かがあったからだろうか?
 「そんな訳で他の地方には置けないという判断になったんだがそのまま他の所を疎かにする訳にはいかないからね。そこで遠征というものを取り入れたわけさ!」
 志村は急に立ち上がりさっきの真面目な顔とは打って変わって笑顔で身振り手振りをしながら話出した。
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