BLOOD HERO'S
episode3 #12「狂気の拳」
 炎美の攻撃が初めて決まった。柑菜戦の時は陽炎で避けて攻撃体勢のまま気を失ってしまったので実際に相手に攻撃を当てたのはコレが初めてである。
 「ぐうっ!」
 豪鬼の背中は炎美の黒い炎で燃えていた。だがあっという間に炎はかき消されてしまった。
 (けど、それで良いんだ!格上相手にココまで奮闘したんだ。例えここからボコボコにされても十分なくらいだ!)
 炎美はふと笑みを浮かべた。力を十分に出しきり満足している様子だった。
 「なんや、もう満足みたいな顔しとるのお」
 すると豪鬼からとてつもない殺気を炎美は感じ取った。
 「…!?」
 「そんじゃあ、ココで死ぬか?」
 肌にピリつく殺気が炎美に恐怖を与えた。
 その頃外で見物していた志村の所に柑菜と涼子が慌てながら乗り込んで来た。
 「ちょっと局長!何してるんですか?」
 柑菜は責めるように志村に問いただしてくる。
 「私達凄い殺気を感じて来たんです。どうか2人を止めてください!」
 涼子は心配そうな顔をして志村に言った。
 「………」
 しかし志村は何か考え込んでいる顔をして沈黙していた。
 「局長!!」
 柑菜は大きな声を張り上げる。彼女の内心は焦っているようだった。
 「…分かった。今回ばかりは中止だな」
 ようやく重い腰を上げる志村はトレーニングルームのドアを開けようとしたがドアノブが回らない。
 「………!?」
何度も回してみるがちっとも動く気がしない。志村はドアノブを片手に再び黙り込んでしまった。
 「どうやら豪鬼さんには一杯くわされたようだね」
 「どうしたんですか?」
 涼子は黙り込む志村にそう聞いてくる。その志村はしてやられたと言わんばかりの渋る表情を見せていた。
 「内側のドアノブを変な方向に曲げて回せなくしてある」
 「ええーー!!」「ええーー!!」
 柑菜と涼子はハモるように声を上げる。どうやら豪鬼は邪魔されない為に開けられない様にしてあったのだ。
 そんな状態で足止めをくらっている間、豪鬼は炎美を鬼の様に睨みつけていた。逃げようにも体がボロボロで立っているので精一杯だった。そして豪鬼は右腕を大きく振りかぶった。豪鬼の目は白目を剥き充血している。まるで正気を失い狂気に変わったかのようだった。
 「…シネ!」
 その瞬間炎美は死を感じた。
 (ーー菜)
 死を感じた直前、炎美は誰かの名前と後ろ姿がふと頭に浮かんだ。金髪でツインテの女性、どこかで見覚えのある姿。だがどことなく自分の知っている人物とは雰囲気をしていた。一体誰なんだ?
 「風爆銃!」
 ふと現実に引き戻されると豪鬼が振り被った右腕が目の前に突きつけられた。すると炎美の体内に異変が起こった。体内が一気に爆発するような感覚があった。
 「ごはっ!!!」
 炎美は大量に吐血しただけでなく体中から血が流れる。そんな事態とほぼ同時に志村達はドアを蹴破り中に入ってきた。
 「炎美ーー!!」
 ドアを破るといち早く柑菜がトレーニングルームに入って来た。そして柑菜の叫びがトレーニングルーム内に響き渡った。
 「ぐうっ!」
 豪鬼の背中は炎美の黒い炎で燃えていた。だがあっという間に炎はかき消されてしまった。
 (けど、それで良いんだ!格上相手にココまで奮闘したんだ。例えここからボコボコにされても十分なくらいだ!)
 炎美はふと笑みを浮かべた。力を十分に出しきり満足している様子だった。
 「なんや、もう満足みたいな顔しとるのお」
 すると豪鬼からとてつもない殺気を炎美は感じ取った。
 「…!?」
 「そんじゃあ、ココで死ぬか?」
 肌にピリつく殺気が炎美に恐怖を与えた。
 その頃外で見物していた志村の所に柑菜と涼子が慌てながら乗り込んで来た。
 「ちょっと局長!何してるんですか?」
 柑菜は責めるように志村に問いただしてくる。
 「私達凄い殺気を感じて来たんです。どうか2人を止めてください!」
 涼子は心配そうな顔をして志村に言った。
 「………」
 しかし志村は何か考え込んでいる顔をして沈黙していた。
 「局長!!」
 柑菜は大きな声を張り上げる。彼女の内心は焦っているようだった。
 「…分かった。今回ばかりは中止だな」
 ようやく重い腰を上げる志村はトレーニングルームのドアを開けようとしたがドアノブが回らない。
 「………!?」
何度も回してみるがちっとも動く気がしない。志村はドアノブを片手に再び黙り込んでしまった。
 「どうやら豪鬼さんには一杯くわされたようだね」
 「どうしたんですか?」
 涼子は黙り込む志村にそう聞いてくる。その志村はしてやられたと言わんばかりの渋る表情を見せていた。
 「内側のドアノブを変な方向に曲げて回せなくしてある」
 「ええーー!!」「ええーー!!」
 柑菜と涼子はハモるように声を上げる。どうやら豪鬼は邪魔されない為に開けられない様にしてあったのだ。
 そんな状態で足止めをくらっている間、豪鬼は炎美を鬼の様に睨みつけていた。逃げようにも体がボロボロで立っているので精一杯だった。そして豪鬼は右腕を大きく振りかぶった。豪鬼の目は白目を剥き充血している。まるで正気を失い狂気に変わったかのようだった。
 「…シネ!」
 その瞬間炎美は死を感じた。
 (ーー菜)
 死を感じた直前、炎美は誰かの名前と後ろ姿がふと頭に浮かんだ。金髪でツインテの女性、どこかで見覚えのある姿。だがどことなく自分の知っている人物とは雰囲気をしていた。一体誰なんだ?
 「風爆銃!」
 ふと現実に引き戻されると豪鬼が振り被った右腕が目の前に突きつけられた。すると炎美の体内に異変が起こった。体内が一気に爆発するような感覚があった。
 「ごはっ!!!」
 炎美は大量に吐血しただけでなく体中から血が流れる。そんな事態とほぼ同時に志村達はドアを蹴破り中に入ってきた。
 「炎美ーー!!」
 ドアを破るといち早く柑菜がトレーニングルームに入って来た。そして柑菜の叫びがトレーニングルーム内に響き渡った。
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