BLOOD HERO'S

ノベルバユーザー177222

第3章 #9「1ヶ月後」

 「ハア、ハア…」

 「ええぞ!もうちょっとやー!」

 (足が重い!息が苦しい!でもあと少しなんだ!!あと少し!)

 炎美は自分に喝を入れ足を止めず走り続けた。もうゴールは目前だった!

 「ッハア、ッハア!…つ、着いた…」

 最後の力を振り絞り何とかゴールした炎美。

 「ふう!ようやく着いたな!もうすっかり真っ暗やんけー!!」

 朝の8時からスタートしゴールした時には夜の7時を回っていた。

 「…ッハア、…ッハア!」

 疲れきったせいで倒れこむ炎美。

 「ホンマはこの後のメニューもあるんやけど…まあ最初にしては上出来や!今日はこんなところで終わりしとくか。一応筋トレは空いてる時間にやっときやー!」

 「は、はい…」

 ---それから炎美は毎日、朝から走り続け、夜は筋トレの日々を送っていた。

 炎美の成長は思いの外早く、地獄の重量マラソンも夕方には走り切り、筋トレも1日5時間以上はやる様になっていた。

 「………」

 「どうしたの柑菜?」

 「ううん、なんでもない!行きましょ、涼子」

 ---それから二週間が経った。マラソンと筋トレの合間にも能力を制御する為、イメージトレーニングを組み込んでいた。

 「ええか、周りの空気を自分の体内に取り入れる感じをイメージするんや!」

 座禅を組みながら言われた通りにイメージする炎美。

 (空気を体内に、空気を体内に…)

 「空気を体内に凝縮させたらそれをゆっくりと体内から放出するイメージをするんや!」

 「………」

 体内に放出するイメージを続けていると…

 「…ッハア、…ッハア」

 さっきまで上手くいっていたが一気に集中が切れてしまった炎美の体のあちこちに汗をかいていた。

 「残りの期間はこのトレーニングも組み入れていくで!」

 「は、はい…」

 ---そして時は1カ月が経った。

 「1カ月間よお頑張ったの~!ガッハハハハハ!!!」

 「本当にありがとうございました!豪鬼さんのご指導のお陰で大分能力の制御ができる様にありました!!」

 笑いながら喋る豪鬼に深々と頭を下げる炎美。

 「いや、それは違うで!お前さんが諦めず頑張ってきたからやで!!正直、前とは雰囲気が変わったとるやがな!」

 「確かに見違える様に変わったね~!」

 すると突然、志村が2人の前に現れた。

 「志村さん?」

 「いや~、豪鬼さんも炎美君もお疲れ様!コレにて強化月間は終了だね!」

 「いや、まだ終わりちゃうで!」

 「??」

 炎美だけでなく志村まで首を傾げた。

 「最後のトレーニングや!炎美、ワシとタイマンや!!」

コメント

  • ノベルバユーザー273734

    1っか月後の主人公のセリフの最後が なりましたじゃなく ありましたになっていると思う

    0
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