覇王の息子 異世界を馳せる
滝川総兵衛でゴザル!
「……というわけです」
直家からの報告を受け、関羽と曹丕の両名は「ん~ うむ」と微妙な返事を返した。
それもそのはずである。
「エルドレラに攻めると言われても、我々はエルドレラに住んでいるわけで……」
そう、場所はエルドレア。
関羽の家に6人が集まっている。
曹丕 関羽 西行法師 ミノタウロス 宇喜多直家 吉備真備
この顔ぶれが全員そろったのは今日が始めてだった。
「内側から内乱を扇動しろということですかね」と関羽。
「可能ですか?」と曹丕の問いに関羽は頷いた。
「住民の全員が、現状に満足してるわけではありません。心当たりはいくつか」
すると―――
「話は聞かせて貰った……でゴザルよ!」
天井から声がした。
「何奴!?」と直家が抜き身の刀を飛ばした。
「ぬわぁ!危ないでゴザル!?」
慌ただしい声を上げて、派手な人間が落下してきた。
全身が朱色に染められた絹にみを包んでいる。背中には金糸で虎の刺繍が施されている。
紛れもない不審者である。
彼を見た彼らの脳裏に浮かんだのは、この格好でここまで来たのか!?という驚きが大半を占めた。
「安心するでゴザルよ!拙者は関羽どのの友達で滝川総兵衛と言う者でゴザルよ!ニンニン!」
最後の「ニンニン」は「プンプン」と怒りを表す表現として使ったようだが、誰にも理解されなかった。
「そうなのか?関羽?」と曹丕。
しかし、関羽は「確かに知り合いに違いないはありませんが……友達ではありません。幾度か刃を交えた仲です」
「やっぱり、敵じゃねぇか!」と直家。
しかし、直ぐに刀を納め―――
「滝川総兵衛?確か……忍者で始めて大名になったって振れ込みの滝川家の長男じゃねぇか?」
「大名?長男?それじゃ彼は跡継ぎなのですか?」と曹丕の言葉に直家は否定した。
「いいや、コイツの一族は織田信長に気に入られ大名になったんだが、気に入られたのは、コイツの父親じゃなくて、その弟でよ。コイツと親は一族から追い出されたはずだ」
急に総兵衛を見る視線に同情が混ざる。
「せっ拙者の家のは話は止めるでゴザル!」
総兵衛は悲鳴のような声を上げた。
「もっとも、コイツ自身は俺の倅と同格である五大老、加賀百万石前田家に入り、名前を前田慶次郎と改めて、歴史に悪名を残すわけだが……」
「まぁ、見た目に反して要領がいいのでしょう」と関羽。
「流石は、我が戦友でござるよ!ニンニン!」
ちなみにだが、最後の語尾である「ニンニン!」は「ルンルン!」のような使い方であった。
直家からの報告を受け、関羽と曹丕の両名は「ん~ うむ」と微妙な返事を返した。
それもそのはずである。
「エルドレラに攻めると言われても、我々はエルドレラに住んでいるわけで……」
そう、場所はエルドレア。
関羽の家に6人が集まっている。
曹丕 関羽 西行法師 ミノタウロス 宇喜多直家 吉備真備
この顔ぶれが全員そろったのは今日が始めてだった。
「内側から内乱を扇動しろということですかね」と関羽。
「可能ですか?」と曹丕の問いに関羽は頷いた。
「住民の全員が、現状に満足してるわけではありません。心当たりはいくつか」
すると―――
「話は聞かせて貰った……でゴザルよ!」
天井から声がした。
「何奴!?」と直家が抜き身の刀を飛ばした。
「ぬわぁ!危ないでゴザル!?」
慌ただしい声を上げて、派手な人間が落下してきた。
全身が朱色に染められた絹にみを包んでいる。背中には金糸で虎の刺繍が施されている。
紛れもない不審者である。
彼を見た彼らの脳裏に浮かんだのは、この格好でここまで来たのか!?という驚きが大半を占めた。
「安心するでゴザルよ!拙者は関羽どのの友達で滝川総兵衛と言う者でゴザルよ!ニンニン!」
最後の「ニンニン」は「プンプン」と怒りを表す表現として使ったようだが、誰にも理解されなかった。
「そうなのか?関羽?」と曹丕。
しかし、関羽は「確かに知り合いに違いないはありませんが……友達ではありません。幾度か刃を交えた仲です」
「やっぱり、敵じゃねぇか!」と直家。
しかし、直ぐに刀を納め―――
「滝川総兵衛?確か……忍者で始めて大名になったって振れ込みの滝川家の長男じゃねぇか?」
「大名?長男?それじゃ彼は跡継ぎなのですか?」と曹丕の言葉に直家は否定した。
「いいや、コイツの一族は織田信長に気に入られ大名になったんだが、気に入られたのは、コイツの父親じゃなくて、その弟でよ。コイツと親は一族から追い出されたはずだ」
急に総兵衛を見る視線に同情が混ざる。
「せっ拙者の家のは話は止めるでゴザル!」
総兵衛は悲鳴のような声を上げた。
「もっとも、コイツ自身は俺の倅と同格である五大老、加賀百万石前田家に入り、名前を前田慶次郎と改めて、歴史に悪名を残すわけだが……」
「まぁ、見た目に反して要領がいいのでしょう」と関羽。
「流石は、我が戦友でござるよ!ニンニン!」
ちなみにだが、最後の語尾である「ニンニン!」は「ルンルン!」のような使い方であった。
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