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第四十四章 結合したのか?俺以外の酸素と

無事?本日の通学?を認めてもらった俺は
通いなれた教室の扉に手を掛けた所で担任に止められる

「あー青葉はここで待ってろ」
 「あれ?なんで?てか俺だけ?」
 「混乱しないよう事前に説明をする」

 担任が有無を言わせない様子で俺を押し黙らせると
教室に入り何か説明している
本来なら夏休み明けの校長のスピーチがあるはずなのだが校長不在の為急遽自習となったのだ

「じゃあまた後で」
 「無理しなや」

 俺を残してさっさと教室に入る友人二人
 遅れて入ってきた二人を男子生徒がからかっている姿が目に映る

夏休みが明けただけなのに随分と長い期間来なかったような気がする
改めて夏休みが終わったんだなーと実感していると担任が手招きしている

「覚悟を決めていたとはいえ少し緊張するな・・・」

 案外姉と同じような反応かもしれないが・・・
勇気を振り絞って教室に入ると教室がざわめく

『あの子が青葉!?』
 『小学生じゃないか?』
 『青葉の親戚じゃないの?』

 皆の驚きの視線に
 イタズラが成功した子供のように口をムニムニさせる
馬鹿兄が喜びそうなシチュエーションである

『鬼策士様じゃん!』
 『まさか!俺の俺達の寮長様じゃないか!』
 『おかみさん!おかみさん!じゃないか!』

 BGO内での俺を知ってる学徒もいるようだ
 ていうかなんだその呼び方?
 変な呼び方をした学徒は後で制裁を加える必要がありそうだ
睨みを聞かせて外野を黙らせると自分の席につく

足がつかない・・・

「あー色々聞きたい事はあるだろうが今はこっちに注目しろー」

 課題の提出や担任のありがたいお言葉(笑)を一通り聞き終わる頃、授業終了の鐘がなる
今日は初日の挨拶だけ
担任が教室から出ると同時に質問攻めに会うかと思ったが
皆ざわつくだけで話しかけてこない

「一応初等部の子の可能性云々って言ってたもんね・・・」
 「縮むくらい普通にあるだろ?皆何を疑ってるんだ?」
 「いや・・・わいは天正の正気を疑いたいよ・・・」

つまりみんなまだ俺が青葉大和だと信じてないのか
当たり前といえば当たり前だが・・・

「なんだ・・・ちょっと寂しいな・・・」

 落ち込む俺の頭を乱暴に撫でながらふるやんが笑いかける

「なんにせよ・・・無理はよくないで?」

 何の話だ・・・?そう言おうとしたがふるやんの表情に言葉が出ない
続いて天正が頭を優しく撫でる

「その空元気、青葉隠してるつもりだったのか?」

ああ・・・ばれてたか・・・
緊張の糸が切れた俺は机に突っ伏して顔を隠す
少し涙が出ているのは内緒だ

           ◇

「理科準備室なう」

 誰もいない部屋で一人呟く
 この学校の理科準備室には常に薬品がそろっているのだが
 フラスコ一つ一つに違う精霊が視えるのである

「でもこの子達・・・精霊にしては小さいな」

 普段の精霊の半分くらいのサイズしかない精霊達に小首を傾げながら一つ一つ指先でつまむ
意識を集中させて精霊を射出するイメージ・・・目が光り髪が光を発する・・・いける!
手を前に出して魔法を放つ

「これが俺の!新魔法だ!」

シーンという音が聞こえてきそうな部屋の中で羞恥にもだえる

「不発・・・?」

 気を取り直して何も起きなかった事に関して考察する
 もしかして精霊の半分しか大きさがないから発動しないとか・・・?
 今度は二つの同じ精霊を両手に持つと拝むように両手を合わせる

 ブワッという音と共に空気が流れ見慣れた風精霊が生まれる

「風精霊が出て来た・・・!?」

もしかしてもしかして!
 確かな手ごたえを感じた俺は今度は違う精霊を手に取る
水色の精霊
この精霊は先ほどの精霊より更に小さい
先程と同じように二つの精霊を合わせる

「魔法の発動は無し・・・でもこれは・・・」

 水色の精霊が先ほどの精霊と同じサイズになる

「もしかして!もしかして!」

 今度は大きくなった水色の精霊と先ほどの精霊を混ぜ合わせる
俺の予想通りなら・・・

 ワクワクしながら両手を合わせると見慣れた水精霊と共に大量の水が溢れ出す
溢れ出した水は形を保てずその場に水たまりを作ったが水精霊は残っている

「これ・・・元素か・・・?」

 水たまりの中で呆然と呟く俺は疑問もそこそこに更に薬品に手を伸ばす
精霊同士の結合が上手くいったなら反対は・・・?

 「切り離しもできるんじゃあ・・・」

 目の前を飛ぶ黒い精霊を観察する
 よくよく見ると小さい黒い精霊を挟むように緑の薄い精霊がくっついている

「そーっとそーっと・・・」

 新調に緑色をはがしていくと精霊が消えて輝く塊ができる
出来上がった品を手に取りしげしげと眺める
 これは噂に聞くダイヤモンドでは!?
 精霊術の新たな可能性に到達した俺は喜びに打ち震え・・・

「なんじゃこりゃー!!」

 部屋に響く声で我に返る
入口に理科学の教諭の姿が映る

水浸しになった教室を掃除して帰宅する事になった

        ◇

家に帰りそそくさとヘッドギアを被ってBGOを始めた俺は
BGO内でステータスを改めて確認していた


<Lv13
 <HP106 MP39 力14 防御10 知力67 俊敏10 運58 残9P 
 <スキル:自然界の盟友、人形使い、精霊術、自然調和、独力     枠外、料理人、隠密術、見切り、逃走術、複数思考


 「スキルに変わりはない・・・」

だがゲーム内でも小さい精霊を視えるようになっていた

元素魔法!とか考えて色々掛け合わせていたが
戦闘に置いて精霊を掛け合わす時間が無い事に気づく
 ならばとダイヤモンドを大量生産して金策する事にした

「むぅ・・・また失敗か・・・」

 手には炭が握られている
 ダイヤモンドの生成は100%成功するわけではなく
 カーボン材や炭等のアイテムが生まれる事もあるようだ

「まあこれはこれで使え・・・る・・・あれ・・・」

HPゲージが緑と紫に・・・毒と混乱の状態異常
ヤバい・・・咄嗟にその場を逃げ出そうとする

 しかし混乱している!アズは不思議な踊りを踊り出した
毒で息も絶え絶えに部屋からの脱出を試みる

 しかし混乱している!アズはその場で眠りだす

綺麗なステンドグラスに映る天使の姿はまるで俺を迎えに来たような・・・
気づいたら教会の前に死に戻りする事になっていた

「酸素中毒・・・ってところか?」

 現実であのまま実験をしていたら今頃俺は空の上だったのだろう
今更起きていたかもしれない可能性に身震いする

「上達するまでリアルでの実験は禁止だな・・・」

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