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第四章 足りないもの


 現在緊急メンテナンスということでおれとフーキ事ふるやんはLINEで愚痴半分面白半分でBGOの事で盛り上がっていた

「そういえばフレンドから聞いたんやけどLv5からはステータスの伸びがよくなってスキルの習得がなくなったらしいで」

フレンドだと!?こいついつの間にそんな交友関係を!?俺も次ログインしたらフレンド作ってやる
まぁそれは置いといて
Lv5からはステータスがいままでの倍上がるようになり
スキルもLv5から何Lvまで習得できないのか等議論が交わされているらしい
Lv5まででスキルを覚えれなくなるのであればこれから行動を厳選してスキルをとらなくてはならないだろう

ちなみに放置の人はLv9でHPはすでに80を超えているらしい(尚他のステータスは一切の上昇無し

「とりあえずわいは今日はもう休むーおつーノシノシ」

と返信が返ってきたので時計を見るともう22時だ、朝からやっていたがゲーム内は常に朝な為、時間の感覚がずれた感じがする
しかし時間を意識しだすと急激にお腹がすいてくる、枕元のカロリーメイトをもしゃもしゃ食べる

「やっべ・・・昼飯と夕飯作ってねえや・・・」

部屋からでて一階に降りると机の上に姉からのメモ書きと夕食が置いてあるのに気づく

[ゲームに夢中なんだろうけど当番は忘れちゃだめだよーあと夜更かしは美容に悪いよー]

手紙の文章が姉の声で再生される
すぐ抱き着いてこなければ良い姉なんだけどなぁ・・・

姉が作った料理を食べつつ居間でテレビを見ていると不意に家のチャイムが鳴る

「こんな時間に来客?」

月明りの下、右手を額にあて左手を腰に
少し哀愁漂う表情で目を閉じ少し上を向いた短髪の黒髪
背は170くらいの美形の男性

「我、冥府の理より今舞い戻った」

馬鹿兄がそこにいた
そう兄は中学で厨二病を発症、治らずに現在に至る
ちなみに苦手な理由はそのまま厨二病
名前は青葉太郎という平凡な名前だったりする

「明日帰ってくるんじゃなかったの?」

ポーズを変える馬鹿兄

「急用、故な」

そう言いいながら違うポーズを決めた馬鹿兄の腹が鳴る

「っく!静まれ!我が暴食のイグニス!?」
「わかったからとりあえず夕飯食べようよ」

ポーズを取ったまま居間に入る馬鹿兄に頭を抱えつつも
夕飯をレンジで温めてテーブルに置く

「それで?急ぎの用事ってなんなの?」

大仰に手を挙げ上を見ながら兄は言う、どうでも良いがいちいちポーズを変えるのはさすがである

「我が盟友に誘われBGOなるものをする」

口の中の物を吹き出す
まさかゲームがあまり好きではない兄がBGOを!?

「・・・どちらにせよ今日は緊急メンテでBGOはできないよ?」
「緊急免帝!真良い響きだな!」

あっ駄目だこいつはやくなんとかしないと(手遅れ

緊急メンテナンスの詳しい説明もほどほどに話を切り上げ部屋に戻る
兄との会話は疲れる、何を言ってるのか大抵わかるのはそれは・・・これ以上は思いかえすのはやめよう

「それにしても」

今日の戦闘の事を思い出す
ふるやんと俺、二人に足りないものはやはり火力だろう
俺もふるやんみたいに新しいフレンドをつくろう
酒場では一時的、永続的な付き合いを求めて冒険者がフレンドを募集する
基本はそこから冒険者ギルドでクエストを受けてRを稼ぐ仕組みだ

いつものようにぬいぐるみを抱きかかえて眠りにつく

「おやすみ、ジロー」
 
朝目が覚めると相変わらずジローが床に転がっている
さすがにゲーム内で似たような人形と旅をしている分少し罪悪感が沸き
ベッドの上に座らせ頭を撫でて部屋を出る

今日は兄が食事当番の日だ、兄の食事は独特で見た目は悪いが味は良い
ちなみにトマトを人間の生き血だとか説明を聞くとげんなりするのでタブーである

居間に降りてくると姉が料理をつくっていた

「あれ?兄貴は?なんで姉さんが料理つくってんの?」

居間の椅子に座りながら姉に問いかける、ちなみに姉が当番の時は流石に一緒に食べる
作ってもらってる相手に対してのせめてもの礼儀だ

「んー今朝起こしにいったらひろと同じ機械頭にかぶっててねー仕方ないから私がつくってるんだよー」

姉は朗らかな笑みを浮かべる、約束事を守らずにゲームとは・・・良い度胸である、昨日同じ事があった気がするが気のせいだろう

「でもでもーおかげでひろと一緒にご飯が食べれてお姉ちゃんとっても幸せだよー?」

適当に相槌を打ちながら朝食を終え(途中姉に捕まりそうになったが捕まる寸前に姉に先制攻撃を加え悶絶している隙に部屋に駆け込む、後ろからぐぅ・・・腕を上げたわねひろ・・・バタリという声が聞こえた気がするが気にしない

部屋について頬を一発気合をいれる
「よし!今日の目標は新しいフレンド探しとスキルの厳選だ!」
ヘッドギアをかぶり今日もBGOの世界にダイブする

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