異世界召喚!?ゲーム気分で目指すはスローライフ~加減知らずと幼馴染の異世界生活~

梅谷シウア

3-5サンブリッジ商会

「おい、マイカ、起きろ。もう昼前だぞ」
「おはよ〜」
「いったいいつまで寝てんだよ」
「あれ、ユウくんもう戻って来てたんだ〜」
「あぁ、今さっき戻って来たぞ。」
珍しいな。マイカがこんなに遅くまで寝てるなんて
「ユウくん、私風邪っぽいんだけど。頭痛いし、寒気がするし。」
「そっか、安静にしとけよ。今日は商談くらいしかすることないんだから。」
知らない世界に来てもう一ヶ月以上経ったし慣れてきたと思ってたが、無理させてたのかもしれないな。
「ご主人、商会の人が来たです。」
「分かった、すぐ行く。マイカは体調が良くないらしいから、看病しといてくれ。」
体調が悪い時とかに独りっきりってのはしんどいだろうしな
「分かったです。マイカさんのことは任されたです。」

*****

「お待たせしてすいません。」
「いえいえ、気にしないで下さい。元々こちらが押し掛けたようなものですから。」
「それでは、本題に入りませんか。と言いたいところだが、敬語は面倒だから止めてくれ。」
「そうか、ならそうさせてもらうぞ。じゃあ本題に入ろうぜ。」
「あぁ、そうだな。トランプについてだろ。」
「トランプっていうのか?あのカードは」
「エリさんとミアちゃんがやってた数字が書かれたカードの事だろ?」
「そう、それだ。単刀直入に言う。それをうちの商会で売らせてもらえないか?」
トランプを売る権利が欲しいってことか。別に良いっか
「詳しい話を聞かせてくれ。」
「うちの商会でトランプを独占販売させえて欲しい。もちろんそちらにもメリットが出るようにはする。毎月5劣金貨でどうだ?」
「いくらで売るつもりだ?」
こっちでも作ろうと思えば作れる訳だし
「2銀貨5劣銀貨位になると思うが」
「1割でどうだ?毎月その月の売上から1割だ」
「おいおい、高くないか?」
「ウルヴァニラ王国に商会を移せるとしても?」
「うちみたいな小規模商会が、商業の国とも呼ばれているところで商売が出来るとでも」
質問を皮肉で返すか…いや、俺も返してたな
「質問に答えてくれ」
「そりゃ、移せるなら移したいに決まってる。全商人の憧れだぞ。特に国境周辺の街はなもう商会があるってだけで儲かるとまで言われてるんだから」
そんなに凄いのかよ、そこに屋敷持ってる俺って実はかなり凄いんじゃ
「例えば『スペレイヤー』とかか?」
「あそこは、領主を筆頭に商業界の有名人の集まる場所だろ、何言ってんだ?」
あの逆セクハラしてくる領主実は凄かったんだ...よく魔法について教えてくれたからオセロあげたらはまってたっけ
「『スペレイヤー』に商会を移すくらいなら出来るんだけど」
「またまた、ご冗談を」
「どうだろうね?」
「…分かった、1割で良い。」
「商談成立だな。ちょっと待っててくれ。」
とりあえずニカに連絡してみるか
「あ、ニカ元気にしてる?」
『えっ、ご主人の声、何がおこってるの。…あっと、元気ですよ。』
「そっか。なら良いんだけど、今からそっちにちょっと戻るから。」
『会話できるのですか。じゃなくって、分かりました。』
「おぉ、ミーシャ。なんか、この数日であった?」
『えっと、領主さんがリバーシだかオセロットだかで、ご主人に会いたがって毎日来てるんですけど』
「じゃあ、領主さん呼んどいて、今ソルバニアにいるからすぐ着くと思う」
『えっ、あっ、はい、分かりました。』
「明日の昼前までそっちにいる予定だから夕飯を作っておいてくれると助かる。5人分かな」
『何人連れてくるつもりですか?』
「1人だけだよ。その人と領主さん、それに俺だろ、そしてお前ら2人。もちろんみんな同じものを同じ時間に同じ部屋で食べる。」
『一応私達は奴隷なんですけど…』
「最初の会話を忘れたか?奴隷扱いしないって言わなかったっけ」
『ご主人はそういう人でしたね、お待ちしてます。』
さて、一応領主さんも来るだろうし早いところ行くか
「ちょっとユウトさん、なんでマイカさんにネックレスあげたのに私には無いんですか。仮にも婚約者なのに。」
勝手にギルドで宣言しただけだろ
「俺は認めたつもり無いんだけど。ちょっと、屋敷に戻るから、よろしく。明日の昼までには戻るから」
「えっ、なんでですか?」
「大丈夫らしいし、行こうぜ。」
「あれ、ほっといて良いのか?いいなら別に良いんだけど。」
「気にしない、気にしない。」
「ちょっと、ユウトさん。」

*****

しかし、国境ってのは何でこんなにも混むんだ
「長いな、後2時間くらい並ぶっぽいな」
「商人ってのは、そんなことが分かるのか。凄いな」
「なぁに、普通だよ。領主でもなきゃ、国境わたる度、街に出入りする度並ぶんだから嫌でも覚えるぞ」
「なぁ、領主でもなきゃってどういうことだ?」
「本当に何も知らないんだな。」
悪かったな、この世界に来たのが最近なんだよ。街中で遊んでいる子供の方が絶対に詳しいと思うぞ
「領主、貴族、勇者、国代表、連合代表は、並ばなくて良いんだよ。付き添いも数人までは許されるらしい。会合とかがある度に並んでて遅刻みたいなことが多発したからだとか」
理由が思いの外しっかりしていることに驚きだよ。ただの権力乱用かと思ったぞ
「ユウトく〜ん、お〜いユウトく〜ん」
「ユウト、お前の知り合いに権力乱用してまで国境越えてくる領主はいたりするか?お前の名前を叫びながら国境の当たりから走って来てたりするか?商人の中では有名な領主なんだが」
ミーシャが後ろからその領主を追いかけてるし、
「紛うこと無くうちの屋敷があるところの領主だな」
「お前といると、常識が音を立てて崩れさっていくんだけど」
「それは、どういう意味だ?」
「そのままの意味だ。」
「ユウトく〜ん、急にいなくなるなんてひどいじゃないか」
「ぐぁっ」
出会い頭にタックルをしてくるのはいい加減に止めて欲しい
「大丈夫、ご主人?止めようとしたけど無理でした。テヘッ」
「テヘッて自分で言っちゃう当たり相変わらずあざといな。」
「突っ込むべきはそこじゃないだろ。」
もうどうにかなるものじゃないから諦めたんだよ
「おや、見ない顔だね。まさか天地がひっくり返ってもあり得ないだろうが、ユウトくんの友達か?」
俺っていったいどう思われてんだよ
「俺と気が合うから、商談することにした奴だよ。俺が屋敷に戻る理由は商談の結果だ。」
「そうか、なら君には感謝しないといけないな、えっと〜」
「サンブリッジ商会の会長をやっている、ラピス・サンブリッジです。」
「ラピスくんは凄いなぁ、ユウトくんとの商談を成立させるなんて。」
「領主さんの商談の相手もしますからとりあえず場所を移動しましょう。」
「屋敷で、二カさんが料理作って待ってるよ。」
「じゃあユウトくんの屋敷に行こうじゃないか。ニカの料理はおいしいからな。」

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