異世界召喚!?ゲーム気分で目指すはスローライフ~加減知らずと幼馴染の異世界生活~

梅谷シウア

4-3屋敷の中はなんだかんだで騒がしい

「ただいま」
「ただいま戻りましたー」
「えっと、お邪魔します。」
「おかえり〜、ユウくんやっと戻ってきたよ。」
うちの中から混沌とした雰囲気が無くなっているし、みんな頑張ったんだろーな。領主さんとエリさん、ミーシャにユウコさん女性陣はマイカとミアちゃん以外全滅してる。領主さん押さえるのにどれだけ消耗してるんだ。この状況作り出した張本人のラピスは、呑気にトモキと喋ってるし。
「なんか、おつかれ。」
「うん、疲れたよ〜。ユウくんが逃げちゃうから〜。それはそうと、その少年くんは?」
「俺に弟子入りしたいって言ってきた、ニカの知り合いのオルト君。」
「えっと、オルトです。よろしくお願いします。」
ちょっと、主は俺だよ。他は居候みたいなもんなんだけど。いや、居候よりは兄弟とか家族とかそんな感じの方が正しい気がするな。なら良いのか?
「ユウくんに弟子入りしたいって、ユウくんその腕でまたなんかしてきたの?というかニカさんとの関係は?」
「ちょっと元クラスメイトを消しただけだから気にするな。ニカとの関係は、女子会の時にでもニカに問いつめてみたらどうだ?」
ちょっと消すって変か。あいつらにちょっとも力使ってないし、試し撃ちしただけだしな。ニカだったから、本人達消しただけで許したんだよなぁ。俺超優しい、ただ消すだけで許しちゃうとか。
「アレがちょっととか、マジで凄いです。やっぱり弟子入りさせて下さい。」
「だから、弟子とか募集してないから。」
「良いじゃないか、弟子くらい取ってやっても。」
おい、ラピス関係無いからって、無責任なことを言わないで欲しいな。俺が弟子とか育てられないんだ、所詮は恩恵ギフトと固有能力頼りなんだし。
「ラピス、流石に関係無いからってそういうのはどうかと僕は思うな。まぁ、しかしユウトに弟子か、変わってるな。」
ちょっと、前半部分でした俺の感動、返せよ。というか、後半に至っては笑いこらえながらだったし、もう泣いても良いよね。
「良いんじゃないのユウ君、ちょっとしたら行く旅に連れてってあげれば。それにほら、弟子とかいるとかっこいいと思うなー。」
まぁ、弟子を取る事自体は問題ないんだけどさ、教えられないから無理なんだよな。それに最後目を泳がせながら言うなよ。
「とりあえず夕飯食う前には考えとく。今からちょっと風呂入って、部屋で魔道具いじってくるから。」

*****

大変だった。風呂にも魔法駆使してようやく1人で入れる様になったのに、うちの女性陣がラピスと領主さんの話し合いやら、トモキさんとユウコさんのイチャつきに耐えられないやら、ニカとオルト君の純粋さに耐えられなくなって、背中流しに代わり代わりに来るものだから心休まるなんてもんじゃなかった。いや、ミアちゃん可愛かったし良かったんだけども、他の3人はなんか色々心臓に悪かった。何処から手に入れてきたのか分からない、水着を着てたけどさ。
「はぁ、魔導具いじってみるか。エアガンもいじって魔導体の機能取り付けられるかも検証したいな。領主さんの所いくしか無いか。」
下にいるんだけどね、うちの女性陣が話し合いに恐怖してたレベルらしいし少し怖いんだが。
「あれ、ユウト君じゃないか。もう風呂はあがったのかい?」
「ええ、まぁ、色々ありましたけどね。ところで1つ相談しておきたい事があるんですけど。」
「なんだい?ラピス君が帰ってくるまではここの女子会に参加させてもらうし、仕事も片付けてきたから暇な僕に何でも言ってくれ。」
結局ラピスはなんとか説得に成功したんだな。うん、良かった良かった。どんな交渉があったのかは知りたくないけど。
「これの改造についてなんですけど。」
「これはなんだ?新しい魔道具か?」
「魔道具にしたいものですよ。まずはそのまま使ってみて下さい。そこを引いて弾を込めたら、引き金を引くんです。」
「これを引いて、こうだな。」
今まで使っていた時と全く変わらぬ威力で発射されたエアガンの弾は的の紙コップに穴をあけて落とした。
「これは十分に強いと思うんだけど、これ以上なにするつもりなんだい?」
「魔導体を取り付けて、弾に魔法を付与できるようにしたいんですが、出来ますかね?」
「まぁ今まで魔法付与にまつわる商品は今まで沢山捌いてきたし、魔法付与に付いては独学でも勉強しているから出来ない事は無いと思うんだけど、初めてだし時間を貰えるかな?」
「別に構いませんので、ゆっくりやって下さい。」
「うん、分かった。楽しみにしててくれ。帰ってくる頃には完璧にしておく。」
「ご主人、領主さんご飯出来ましたよ。」
「おぉ、もうこんな時間だったかー。」
まさか風呂とエアガンの話だけで、ご飯の時間になるとは思わなかった。もう少しやりたい事もあったんだがな。ってもう皆そろってるし。席順は特に普段から決めている訳じゃないけども、ラピスと領主さん、ニカとオルト君、トモキさんとユウコさんが隣同士になるのは決まってるんだろうけどな。
「じゃあ俺はここにするか。」
ニカは俺に気を使ってかどうかは知らないが片手でも食べられるもの多めにしておいてくれたから1人で食べられそうだ。けどまぁ、気を使われてると思うと嬉しかったりするんだけどな。
「じゃあ、私はこの席にしよ〜。」
「私はこっちにします。」
「ご主人両手に花です。」
確かに2人ともというか、この場にいる女性陣は容姿はいいと思うけどさ、心が休まる時が無いんだよね。こっちに来てからずっと。
「あっ、もうご主人の隣埋まっちゃってるし。」
「もう全員そろったのか。それじゃ、いただきます。」
『いただきます。』
「お口に合えば良いのですが。」
「まさか、ニカ君の料理が口に合わない人はいるのかい?こんなにも、美味しいのに。」
「褒め過ぎですよ。私なんてまだまだですよ。」
そんな事はないと思う。三ツ星レストランに出てきてもおかしくないくらいに美味しいと思う。いや、三ツ星レストラン行った事無いからよく分かんねーんだけど。
「ニカ、謙遜したつもりなのかもしれんが、他の女性陣にダメージ与えてるからな。」
凄かった、ニカが謙遜してからずっとみんな動かなくなっちゃってるから。特に微塵も出来ない勢に関しては、今にも崩れ落ちそうだし。
「ごしゅじーん、あーん。」
「えっ、なに。」
ミーシャよ、振り向き様に、あーんとか言いながら、俺の口にサンドウィッチねじ込むなよ。なにが起きたのか一瞬分からなかったぞ。
「ミーシャそんな事したら、そこの2人が怒ると思いますよ。」
「知ってる、だからこそ今のうちにやったんだよ。2人とも気付けないからね。」
「ユウくん、私のも食べるよね、あーん。どうしたの?ほら昔見たく甘えていいよ。」
気付いてたのかよ。っていうか今無理だから、ミーシャのサンドウィッチまだ口に残ってるから。あと、昔の話を引き合いに出すのもやめてね。
「えっと、僕の弟子入りの話って、どうなったんですか?」
オルト君、ナイス。このまま弟子の話に持っていくか。
「とりあえず今回の旅だけなら付いてきていいぞ。」
どうせ今回の旅は、義手作りに行くだけだし、何も無いだろ。
「あっ、ありがとうございます、師匠。」
「師匠って呼ぶのは止めろ。」
「ほら、ユウくんあーん。」
まだ諦めてなかったのかよ。話し終わるや否や、食わせようとしてくるとか。
「なっ、マイカさんだけずるいです。ほら、ユウトさん、アーン。」
「ラピス君、僕たちもやろうよ。」
「ちょっ、ミレナ。ユウトは、あれでも怪我人だからやってもらってんだぞ。」
あぁ、なんか屋敷はいつ帰ってきても騒がしいな。それと、あと苦しい、無理矢理食わされ過ぎだか。

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