「ここが変だよ異世界トリップ」

パクリ田盗作@カクヨムコン3参戦中

ここが変だよ異世界トリップ 奴隷編



異世界トリップ物のテンプレ展開の一つ、奴隷購入についてツッコミ入れてみます。


あ、ちなみに私は奴隷購入展開には否定的ではありません。


ただ、異世界トリップして間もない主人公は根城を持たないその日暮らしの旅人であることが多いですよね?


特に物語の序盤では、特に自分ひとりの食いぶちを稼ぐにも精いっぱいだろう。
しかし、そんないかにも蓄えを持っていなさそうな主人公が、いきなり奴隷を購入? ばかじゃね?


異世界トリップじゃなくて現代社会で例えるなら貯金もなく、生活水準がまるで安定していない日雇いのフリーターが、家出した女の子を拾って一生俺が面倒見てやるからなとアパートに住まわせるようなものですよね。


その上、主人公のアルバイトの内容は総じて日雇いの身体を張った危険なお仕事ときたものだ。
後先考えていないレベルの問題ではないんじゃなかろうか。


と言ってもこれが、今にも殺されそうになっていた奴隷を助けてなし崩しに共同生活………といった状況的に主人公が動かなければならない展開だったり、あるいは


「あの奴隷の子に惚れちまったよ。これはもう、何が何でも俺が身請けしないといけないぞ!!」


といった意識で、使命感なり一目惚れなり、感情的な行動によるものであればストーリー上は問題ないかと思う。


つまり、主人公にその奴隷を身請けしなければならない理由があるのであれば、どれほど生活水準が低かろうが将来性がなかろうがテンプレだろうが別にいいのだ。


そこから先の生活苦も、後先考えず突っ走った結果としてひとつのストーリーになってくれることだろう。


………が、主人公が奴隷を無理して身請けする必要性がないのであれば?
要するに、ただ欲しいから奴隷を買いました、という展開の場合だ。
かわいい女の子と一夜を共にしたいなら、それこそ娼館があるんだからそっちに行けばいい。
奴隷を買うよりもずっと格安で、かつ衣食住の世話なんてしなくていいじゃん。


単純に戦うための(言い方はかなり悪いが)使い捨ての人員だとか、労働力として必要とした場合は、かよわい女の子など選択肢から真っ先に除外される。
その作品の異世界の常識が【小さな女の子の方が強い】なのであれば問題はないけど、戦闘人員を求めるならば、当然ながら戦闘経験のある屈強な戦士を選ぶでしょ。


習得したスキルに応じて選ぶこともあるだろうが、旅に連れ回す前提を考えれば、いかにも体力が無さそうな少女は不適切になる。


つまり作中でどんな理由を述べたところで、殆どの異世界トリップ主人公は、愛玩用としての意図で奴隷を買っていることになる。


異世界ファンタジーでよく見る奴隷市場として、愛玩用としての奴隷のニーズがあるのは確か。そこを否定したりストーリー上の問題とするつもりはない。
もう一度前提をまとめるが、今問うているのは【現代日本人が】【町に来ていきなり】【自分の生活も安定していないのに】【特に必要性はないが】【愛玩用として】「女の子の奴隷を買う」といった展開に私はツッコミたい。



かなり強めの表現を使うが、つまりこの主人公は「かわいい女の子が欲しい」というかるーい理由で、無鉄砲無計画無予算の状態で人の命を背負ったということだ。


異世界では奴隷の命は金で買える。


家畜同然の存在なんだから、異世界の人々はお金さえあれば誰も気軽に奴隷を買うことができる。
こういった常識が異世界に根付いているのだとしても、それは異世界の常識であって主人公の常識ではない。


とある作品ではこんなテンプレ思考で愛玩用少女奴隷を購入して「奴隷制度よくない、僕が奴隷制度を壊してみせる」なんて宣言していた主人公が居ました。
この時点で私は読むのを辞めましたが。


私の中での肯定的な奴隷購入展開は先程書いた主人公にその奴隷を身請けしなければならない理由があることです。


説明回の歴や通貨の名称を奴隷から教えてもらうためだったり、異世界の生活水準がリアル中世ヨーロッパで、竈に薪で火をおこし、川や井戸から水を汲まないといけないが、現代社会の文明の利器に慣れ親しんだ主人公はやり方が分からず、お手伝いさんとして奴隷を購入したとかなら納得できます。


          

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