魔術がない世界で魔術を使って世界最強
凛緒saido いったいどこに
弥一達が里を出発したてエルネ街に向かっている頃。アーセラム聖堂王国の王城では一つの報告が入っていた。
「森の爆発ですか?」
伝令兵から送られて来た内容にアーセラム聖堂王国第一皇女アーリア・バース・アーセラムは思わず眉をひそめる。
「はっ。ここから東側に約2000キロ地点にあるグリノア大森林で大規模な爆発の跡が見られました。ただ、少し奇妙な爆発でして・・・」
報告をしている近衛兵は少し困惑気味の表情で伝令の報告を読み上げる。歯切れの悪い報告にアーリアは首を傾げる。
「奇妙な爆発?いったいどの様に?」
「それなのですが、木々は放射線状に薙ぎ倒されているのですが、地面などに爆発による焦げた跡などが見られないのです」
「跡が見られない?」
爆発が起きた際は地面などがめくれ上がったり、焦げたりと何かしら痕跡は残るのだが、確かにそれが無いとは少し奇妙な話だ。
「それでその爆発はいつ頃の事ですか?」
「約一ヶ月程前です」
「一ヶ月前ですか・・・」
グリノア大森林は多くの魔物が潜んでおり基本人が近づくかない森である。そんなところでの爆発が起きたため報告が遅れたのだ。しかしアーリアはその事を咎めるつもりはない、それ以上にとある可能性を考え近衛兵に言う。
「報告ありがとうございます。この爆発についてですが、会議室に勇者様達を集めて下さい。」
「はっ!了解いたしました!」
そう指示するとアーリアはすぐに立ち上がり、会議室に向かった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
それからまもなく勇者全員が会議室に集まった。大きなテーブルに勇者達とアーリアに加え騎士団長ロジャーと最高司祭バーリアも席についていた。全員が集まったのを確認したアーリアは席を立ち上がる。
「急な招集に申し訳ありません。至急皆さんに報告しておくべき事がありましたので」
「それはいったい?」
勇者のリーダーである相川が首を傾げ聞いてくる。
「一ヶ月程前ここから東の森、グリノア大森林で大規模な爆発がありました。その爆発跡は木々が薙ぎ倒されているだけの奇妙な爆発だったんです」
「?確かに奇妙ですが、それが一体僕達にどう関係あるのです?」
アーリアの報告に更に首を傾げる、他の者も皆同じように困惑する。そんな中、たったこの報告だけで可能性に至った人物がいた。凛緒だ。凛緒は考える様な表情の後、ガタッと音を立てて立ち上がる。
「一ヶ月前・・・まさか・・・!?」
「そうです凛緒。そのまさかです」
「え、えーっと二人だけで話を理解し合わないんでほしんだけど・・・」
二人だけで話を進めるアーリアと凛緒に隣の彩は困惑して冷静につっこむ。他のものもうんうんと頷き話の答えを訪ねる。
アーリアはそんなみんなに向かって、答え合わせをする。
「奇妙な爆発に、一ヶ月前という時期から推測するに可能性としてこれは日伊月さんの仕業だと思われます」
「「「!!」」」
一ヶ月前、自分達のピンチを救い、そのまま詳細不明となった弥一の名前が出て来たことに全員驚く。
「一ヶ月程前の魔人の襲撃の際魔人が最後、自爆目的と思われる魔法を発動させようとしてそこに日伊月さんが飛び込み、そして魔人ごと姿を消しました。おそらく日伊月さんは転移魔法の様なもので我々の前から姿を消したのだと思われます。そして見つかったのは森が吹き飛ばされ、地面には全くの痕跡がない爆発跡。日伊月さんは魔術師です、私たちが知らない魔法を使ってもおかしくない。この様な可能性から、この爆発には日伊月さんが関わっているのではと考えます。可能性は低いですが。」
アーリアがこの様な結論に至った経緯を聞いてなるほどと納得する者も何人かいる。
そんなみんなの驚きをよそに、アーリアはロジャーの方に向く。
「ロジャー騎士団長、すぐに捜索チームを編成し、グリノア大森林に向かって下さい。日伊月の何かしらの痕跡を見つけ、必ず我らが恩人を見つけてくるのです!」
「はっ!直ちに捜索チームを編成し向かい、必ずや見つけてまいります!!」
そう言って椅子から立ち上がり、すぐさま捜索チームの編成を行うため部屋を出て行こうとするロジャーを引き止めたのは凛緒だった。
「待って下さいロジャーさん!私も、私も付いていきます!!」
凛緒の目には希望の光が見えていた。ようやく見つけた希望だ、自ら動かなくてどうする。凛緒は報告の間ずっと思っていた、だから何が何でも付いていく。そう無言で言ってくる凛緒を見てロジャーは首を縦にふる。
「わかった。ただし一人は幾ら勇者とはいえ危険だ。誰か共に付いていく者はいないか!」
すると真っ先に手を挙げたのは彩と健だった.
「凛緒だけに行かせるわけにはいかないからね。当然私も行くよ」
「こんだけ心配させたんだから、見つけて一発ぶん殴ってやらないとな」
「うんうん。そうだそうだ」
彩と健はお互いに不敵に笑い立ち上がる。それにつられるように他のクラスメイトも手を挙げて、参加の意を示す。
戦争に参加できなくなった生徒も探索に行くだけならということで結局全員参加で行くことになった。こうして弥一捜索隊が結成されグリノア大森林に向かうことになった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
捜索隊が結成され王都を出発してから5日が経過していた。道中に出現した魔物や馬車を使っての大規模な行軍のため予定より少し遅れてしまった。もっとも出てくる魔物は小動物型の魔物ばかりで、たまに獣型も出てきたがここにいるのは女神の加護を受けた勇者達と王都の精鋭騎士である。こうして特に問題なくようやくグリノア大森林に到着していた。
「ここが爆発現場ですね。確かに大規模ですね」
「これだけの規模の爆発ですと最上級魔法か神級魔法しかありえません。しかしこれだけの大規模爆発なのに地面には一切の痕跡がない・・・確かに奇妙ですな」
そこは広大な森にぽっかりと空いた開けた場所だった。規模はだいたい半径300メートル。周りの木々は荒々しく薙ぎ倒さており中心部に関しては木の根元すら残っていない。しかしそれだけの規模の爆発にもかかわらず地面はまるで最初からそうであったかのように何事もなくただただ草木が生い茂っている。
そうこの場所は弥一が転移した場所だった。あの時は地面も抉れていたが【グリノア大迷宮】の地形自動再生のせいか、すでにその時の惨状はどこにもなくのどかな草原とかしていた。
この光景を前にアーリアとバーリアがお互いに考えるように言葉を溢しながら、うーん、と唸る。
すると辺りを捜索していたロジャーがやって来た。
「アーリア姫殿下。この付近の捜索の結果、辺りに誰かがいた痕跡は見つかりませんでした」
「そうですか。ありがとうございます。念のためもう少し捜索を続けてください」
「了解いたしました」
報告の後、再び捜索に戻ろうとするロジャーに凛緒が話しかける。
「あのロジャーさん。この辺りって他に何かないんですか?生活できそうなところとか」
「このグリノア大森林には多くの獣型魔物が生息していてな、危険すぎてこんなところで生活できるようなところはないな。それにこの辺りには【グリノア大迷宮】しかない」
「【グリノア大迷宮】ってなんですか?」
いまの話を聞いていた相川がロジャーに質問をする。いつの間にか同じように辺りを捜索していたクラスメイトが集まってきた。相川の質問にロジャーは、そういえば、というような表情で質問に答える。
「もう少し強くなってから話そうと思っていたのだが、まぁ今のうちに知っておいてもいいだろう」
クラスメイトが全員集まっているのを確認すると改めて迷宮について説明する。
「【グリノア大迷宮】というのは十五年前に突如世界中に出現した六つの迷宮の一つで、どの迷宮も攻略難易度が世界最高レベルの高難易度で、【世界六大迷宮】と言われている。この【グリノア大迷宮】は大迷宮の中でも比較的難易度が低く、もう少しお前たちが強くなったら訓練でこの【グリノア大迷宮】に挑んでみようと思っていたんだ。もっとも低いと言っても騎士団でも三十層あるうちの十二層しか突破できなかったがな」
そういって自虐的な
「そんなものが突如出現したんですか?」
「ああ。なぜこれほどの迷宮が突如出現したのか、なんの目的か、学者たちが躍起になって研究している」
「その迷宮はどこに?」
「ここから少し進んだところに迷宮に続く階段があって、そこから5層分の迷宮を突破して、初めて本当の【グリノア大迷宮】の入り口がある。」
【グリノア大迷宮】の過去最高到達層は王都の精鋭騎士団で十二層、凄腕の冒険者パーティーで十一層、そして精霊の里の精鋭部隊で十五層である。六つの迷宮のなかで一番攻略難易度が低い【グリノア大迷宮】でこの結果であるため大迷宮に挑むものはほとんどいない。その迷宮を一五層まで一人で突破した弥一の規格外っぷりがわかるだろう。
「やいくんがその迷宮にいるって可能性はないんですか?」
凛緒がもしかしたらと聞いてみるがロジャーは首を横に振る。
「日伊月は確かに強いがそれでもさすがに一人は無理だろう。騎士団の精鋭部隊でも無理だったんだ」
「じゃあいったいどこに・・・」
その話を聞いて全員小首を傾げる。いったいどこにいったんだろうかと推測を立てていると辺りの捜索が終わった兵士たちが集まってくる。グリノア大迷宮には危険な魔物が多く生息しているので捜索はここで中断だ。
「見つかりませんでしたね。いったいどこに行ったのでしょうか・・・」
「わかりません。もしかしたらもうすでにこの森から抜けているのかもしれません。ここからだと一番近いのはルグネー村ですのでもしかしたらそこにいるのかもしれません」
「そうですね。それではロジャー私は王都にもどりますので後のことはお願いします。」
「はっ!おまかせください」
アーリアは専務のためここで別れて王都に戻る。騎士団と勇者たちはここから半日進んだところにあるルグネー村にいってそこで訓練をおこなうことになっている。
こうして騎士団とアーリアは来た道を戻っていく。残った数名の騎士とロジャーは勇者たちにこの後について説明をして、ルグネー村に向かって行軍を開始する。
そんななか凛緒はひとり爆発の草原を見つめていた。
「やいくん・・・必ず見つけてみせるからね・・・」
どこかにいる弥一に思いをはせながらら一人呟く。
その声は静かに吹く風に乗っていく。
「森の爆発ですか?」
伝令兵から送られて来た内容にアーセラム聖堂王国第一皇女アーリア・バース・アーセラムは思わず眉をひそめる。
「はっ。ここから東側に約2000キロ地点にあるグリノア大森林で大規模な爆発の跡が見られました。ただ、少し奇妙な爆発でして・・・」
報告をしている近衛兵は少し困惑気味の表情で伝令の報告を読み上げる。歯切れの悪い報告にアーリアは首を傾げる。
「奇妙な爆発?いったいどの様に?」
「それなのですが、木々は放射線状に薙ぎ倒されているのですが、地面などに爆発による焦げた跡などが見られないのです」
「跡が見られない?」
爆発が起きた際は地面などがめくれ上がったり、焦げたりと何かしら痕跡は残るのだが、確かにそれが無いとは少し奇妙な話だ。
「それでその爆発はいつ頃の事ですか?」
「約一ヶ月程前です」
「一ヶ月前ですか・・・」
グリノア大森林は多くの魔物が潜んでおり基本人が近づくかない森である。そんなところでの爆発が起きたため報告が遅れたのだ。しかしアーリアはその事を咎めるつもりはない、それ以上にとある可能性を考え近衛兵に言う。
「報告ありがとうございます。この爆発についてですが、会議室に勇者様達を集めて下さい。」
「はっ!了解いたしました!」
そう指示するとアーリアはすぐに立ち上がり、会議室に向かった。
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それからまもなく勇者全員が会議室に集まった。大きなテーブルに勇者達とアーリアに加え騎士団長ロジャーと最高司祭バーリアも席についていた。全員が集まったのを確認したアーリアは席を立ち上がる。
「急な招集に申し訳ありません。至急皆さんに報告しておくべき事がありましたので」
「それはいったい?」
勇者のリーダーである相川が首を傾げ聞いてくる。
「一ヶ月程前ここから東の森、グリノア大森林で大規模な爆発がありました。その爆発跡は木々が薙ぎ倒されているだけの奇妙な爆発だったんです」
「?確かに奇妙ですが、それが一体僕達にどう関係あるのです?」
アーリアの報告に更に首を傾げる、他の者も皆同じように困惑する。そんな中、たったこの報告だけで可能性に至った人物がいた。凛緒だ。凛緒は考える様な表情の後、ガタッと音を立てて立ち上がる。
「一ヶ月前・・・まさか・・・!?」
「そうです凛緒。そのまさかです」
「え、えーっと二人だけで話を理解し合わないんでほしんだけど・・・」
二人だけで話を進めるアーリアと凛緒に隣の彩は困惑して冷静につっこむ。他のものもうんうんと頷き話の答えを訪ねる。
アーリアはそんなみんなに向かって、答え合わせをする。
「奇妙な爆発に、一ヶ月前という時期から推測するに可能性としてこれは日伊月さんの仕業だと思われます」
「「「!!」」」
一ヶ月前、自分達のピンチを救い、そのまま詳細不明となった弥一の名前が出て来たことに全員驚く。
「一ヶ月程前の魔人の襲撃の際魔人が最後、自爆目的と思われる魔法を発動させようとしてそこに日伊月さんが飛び込み、そして魔人ごと姿を消しました。おそらく日伊月さんは転移魔法の様なもので我々の前から姿を消したのだと思われます。そして見つかったのは森が吹き飛ばされ、地面には全くの痕跡がない爆発跡。日伊月さんは魔術師です、私たちが知らない魔法を使ってもおかしくない。この様な可能性から、この爆発には日伊月さんが関わっているのではと考えます。可能性は低いですが。」
アーリアがこの様な結論に至った経緯を聞いてなるほどと納得する者も何人かいる。
そんなみんなの驚きをよそに、アーリアはロジャーの方に向く。
「ロジャー騎士団長、すぐに捜索チームを編成し、グリノア大森林に向かって下さい。日伊月の何かしらの痕跡を見つけ、必ず我らが恩人を見つけてくるのです!」
「はっ!直ちに捜索チームを編成し向かい、必ずや見つけてまいります!!」
そう言って椅子から立ち上がり、すぐさま捜索チームの編成を行うため部屋を出て行こうとするロジャーを引き止めたのは凛緒だった。
「待って下さいロジャーさん!私も、私も付いていきます!!」
凛緒の目には希望の光が見えていた。ようやく見つけた希望だ、自ら動かなくてどうする。凛緒は報告の間ずっと思っていた、だから何が何でも付いていく。そう無言で言ってくる凛緒を見てロジャーは首を縦にふる。
「わかった。ただし一人は幾ら勇者とはいえ危険だ。誰か共に付いていく者はいないか!」
すると真っ先に手を挙げたのは彩と健だった.
「凛緒だけに行かせるわけにはいかないからね。当然私も行くよ」
「こんだけ心配させたんだから、見つけて一発ぶん殴ってやらないとな」
「うんうん。そうだそうだ」
彩と健はお互いに不敵に笑い立ち上がる。それにつられるように他のクラスメイトも手を挙げて、参加の意を示す。
戦争に参加できなくなった生徒も探索に行くだけならということで結局全員参加で行くことになった。こうして弥一捜索隊が結成されグリノア大森林に向かうことになった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
捜索隊が結成され王都を出発してから5日が経過していた。道中に出現した魔物や馬車を使っての大規模な行軍のため予定より少し遅れてしまった。もっとも出てくる魔物は小動物型の魔物ばかりで、たまに獣型も出てきたがここにいるのは女神の加護を受けた勇者達と王都の精鋭騎士である。こうして特に問題なくようやくグリノア大森林に到着していた。
「ここが爆発現場ですね。確かに大規模ですね」
「これだけの規模の爆発ですと最上級魔法か神級魔法しかありえません。しかしこれだけの大規模爆発なのに地面には一切の痕跡がない・・・確かに奇妙ですな」
そこは広大な森にぽっかりと空いた開けた場所だった。規模はだいたい半径300メートル。周りの木々は荒々しく薙ぎ倒さており中心部に関しては木の根元すら残っていない。しかしそれだけの規模の爆発にもかかわらず地面はまるで最初からそうであったかのように何事もなくただただ草木が生い茂っている。
そうこの場所は弥一が転移した場所だった。あの時は地面も抉れていたが【グリノア大迷宮】の地形自動再生のせいか、すでにその時の惨状はどこにもなくのどかな草原とかしていた。
この光景を前にアーリアとバーリアがお互いに考えるように言葉を溢しながら、うーん、と唸る。
すると辺りを捜索していたロジャーがやって来た。
「アーリア姫殿下。この付近の捜索の結果、辺りに誰かがいた痕跡は見つかりませんでした」
「そうですか。ありがとうございます。念のためもう少し捜索を続けてください」
「了解いたしました」
報告の後、再び捜索に戻ろうとするロジャーに凛緒が話しかける。
「あのロジャーさん。この辺りって他に何かないんですか?生活できそうなところとか」
「このグリノア大森林には多くの獣型魔物が生息していてな、危険すぎてこんなところで生活できるようなところはないな。それにこの辺りには【グリノア大迷宮】しかない」
「【グリノア大迷宮】ってなんですか?」
いまの話を聞いていた相川がロジャーに質問をする。いつの間にか同じように辺りを捜索していたクラスメイトが集まってきた。相川の質問にロジャーは、そういえば、というような表情で質問に答える。
「もう少し強くなってから話そうと思っていたのだが、まぁ今のうちに知っておいてもいいだろう」
クラスメイトが全員集まっているのを確認すると改めて迷宮について説明する。
「【グリノア大迷宮】というのは十五年前に突如世界中に出現した六つの迷宮の一つで、どの迷宮も攻略難易度が世界最高レベルの高難易度で、【世界六大迷宮】と言われている。この【グリノア大迷宮】は大迷宮の中でも比較的難易度が低く、もう少しお前たちが強くなったら訓練でこの【グリノア大迷宮】に挑んでみようと思っていたんだ。もっとも低いと言っても騎士団でも三十層あるうちの十二層しか突破できなかったがな」
そういって自虐的な
「そんなものが突如出現したんですか?」
「ああ。なぜこれほどの迷宮が突如出現したのか、なんの目的か、学者たちが躍起になって研究している」
「その迷宮はどこに?」
「ここから少し進んだところに迷宮に続く階段があって、そこから5層分の迷宮を突破して、初めて本当の【グリノア大迷宮】の入り口がある。」
【グリノア大迷宮】の過去最高到達層は王都の精鋭騎士団で十二層、凄腕の冒険者パーティーで十一層、そして精霊の里の精鋭部隊で十五層である。六つの迷宮のなかで一番攻略難易度が低い【グリノア大迷宮】でこの結果であるため大迷宮に挑むものはほとんどいない。その迷宮を一五層まで一人で突破した弥一の規格外っぷりがわかるだろう。
「やいくんがその迷宮にいるって可能性はないんですか?」
凛緒がもしかしたらと聞いてみるがロジャーは首を横に振る。
「日伊月は確かに強いがそれでもさすがに一人は無理だろう。騎士団の精鋭部隊でも無理だったんだ」
「じゃあいったいどこに・・・」
その話を聞いて全員小首を傾げる。いったいどこにいったんだろうかと推測を立てていると辺りの捜索が終わった兵士たちが集まってくる。グリノア大迷宮には危険な魔物が多く生息しているので捜索はここで中断だ。
「見つかりませんでしたね。いったいどこに行ったのでしょうか・・・」
「わかりません。もしかしたらもうすでにこの森から抜けているのかもしれません。ここからだと一番近いのはルグネー村ですのでもしかしたらそこにいるのかもしれません」
「そうですね。それではロジャー私は王都にもどりますので後のことはお願いします。」
「はっ!おまかせください」
アーリアは専務のためここで別れて王都に戻る。騎士団と勇者たちはここから半日進んだところにあるルグネー村にいってそこで訓練をおこなうことになっている。
こうして騎士団とアーリアは来た道を戻っていく。残った数名の騎士とロジャーは勇者たちにこの後について説明をして、ルグネー村に向かって行軍を開始する。
そんななか凛緒はひとり爆発の草原を見つめていた。
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