ヘタレ魔法学生の俺に、四人も美少女が寄ってくるなんてあり得ない!

神楽旭

お風呂ドッキリ?ベッドwithシスター

「じゃあ、俺風呂入ってくるよ」
夜も良い時間になり、俺は風呂に入ることにした。
「あ、そっか。もう良い時間だしね」
姉さんも同じ思いで、何故か立ち上がる。
「姉さん。どうかした?」
「いや、お風呂に行こうと思って」
いや、俺が入ろうとしてんだけどな。
「ダメだ!絶対ダメ!」
「頑なだねえ。ま、冗談だけど」
冗談……!?まさか、俺は嵌められていたのか?
「そりゃ暁と一緒に入りたいけど、もうそうもいかない歳でしょ?女の子が入ってきたら変に緊張するだろうし」
まあ、そうだね。雨宮さんも男ですから。
「……でも、一緒に寝るくらいなら、良いよね」
「え?何か言った?」
「いや?何にも」
何か聞こえた気がするが……。まあ良いか。


「ふう~」
ここ最近色々あったなあ。金髪美少女が家にいたり俺の小さい時の知り合い?が生徒会長やってたり、銀髪ロリJKから告白もどきされたり、果ては義理の姉が出来たときた。
そこで、俺はあることに気づく。
「俺、ほぼ美少女としか会ってなくね?」
だよな。俺いつモテ期来たんだ?
そんな事を考えながら湯船に浸かっていると、
がらっ!
「暁!一緒にお風呂入ろっ!」
雨宮さん良い歳だから女の子が入ってきたら変に緊張するんですよ!はい!
浴室の戸を開けたのは偽婚約者……否。完全なる変態美少女キャサリンだった。
つーか全裸はやめろ。目に毒だから!
で、そこへ、
「何やってるのさ!暁困ってるじゃん!」
畳み掛ける様に姉さん登場。いや、俺今ほとんど公開入浴なんすけど……。
姉さんもそれに気がついたのか、
「あ、暁ごめん。今閉めるから!」
がたん!
「……しかし強烈だったな。ケイトの裸」
無意識のうちに呟いていた。俺はそいつを黙らせるべく、太股を思い切りつねった。


俺が風呂を上がって数十分後。
「上がったよー」
姉さんが上がった。パジャマで来るんだろうなと思っていたら、
「バスタオル一枚……」
「ん?どうかした?暁」
「いや!何でもないです!はいっ!」
危なあ…。谷間が見えちゃうぞ。最悪アレだ……。
またしても暴走しだした意識を鎮めるべく、俺は自分の額をデコピンした。
「青春してんなあ~」
「ふふふ……」
両親二人は他人事の様に見ていた。おい。
「雨宮くん……」
「ん?……ん!?」
右肩を見ると、華が寄りかかっていた。鼻腔をくすぐるシャンプーの香りが何とも堪らん。
よく見ると、既に目を閉じて寝ているではありませんか。寝つき良いな。


「さて、そろそろ寝るか」
俺は自室の照明を消し、ベッドに潜り込む。
いくらなんでも夜這いはしないっしょ。
早々に寝た華を彼女の部屋へ送り、今に至る。
俺の意識は、思ったより早く霧散した。


翌朝。目を覚ますと、
「(……何だこれ?)」
俺は何か柔らかいものに顔を埋めていた。
布団…ではない何か。それを確認するべく、顔を上げると、
我が姉、雨宮和水さんが俺を抱き枕にして寝ているではありませんか。
つまり俺が顔を埋めていたのは、
「胸っ!」
「ひゃう!?……びっくりした。暁か」
「びっくりしたのはこっちだ!何で俺の布団にいるのさ!」
「うーん……何となく?」
何となくで他人の布団に潜るのかこの人は…。 

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