二面性男子の鏡
名前
「そういえば、婆さんなんて名前なんだ?」
突然異世界に来たのは災難だったが、住み込みで働かせて貰えたのは不幸中の幸いだっただろうか。
「名前?いってなかったかい〜?キクじゃよ。」
「俺は浩太郎、紀谷浩太郎ってんだ。」
「コータロー?ここらじゃ聞かん名じゃな。
まあ、ヤマトンチュなら当たり前かの〜。」
「あ、」
そのヤマトンチュとやらを名乗ったことをすっかり忘れ危うく墓穴を掘るところだったコータローは、すんでのところで言葉を止めた。
「ウチの店の奴らは曲者が多くてなあ、色々難儀するかもしらんがまあ、頑張れよ、若いの。」
「さっき名前言ったよな?」
「ああ、そうだったな、コータローだったか。歳をとると物忘れがひどくてなぁ〜。」
そんなやり取りを続けているうちにどうやらキクの店についたらしい。
「うら、これが儂の『ふりむん亭』じゃ!」
そう言って指を指した先にはレトロな雰囲気を醸し出した木造の建物。周りを近未来的なビルに囲まれてここだけ異常なほどういている。
「なんていうか……その……時代に抗ってんな。」
一応初対面、ボロいなんて口が裂けても言えない。
「今は準備中じゃからな、とりあえず入れ入れ、他の奴らにも紹介せんばいかんしな〜。」
誤魔化しきれたらしく、キクは自慢げに店内に入っていく。コータローも後に続いて中に入る。そこには──
「あら、婆ちゃんまた、知らない人連れてきたの?」
「まあ、僕らも拾ってもらった身だし歓迎するけどね。」
「くぁー」
女と男とトカゲ(?)が、
それぞれ二丁拳銃、双剣を装備して机を掃除していた。
突然異世界に来たのは災難だったが、住み込みで働かせて貰えたのは不幸中の幸いだっただろうか。
「名前?いってなかったかい〜?キクじゃよ。」
「俺は浩太郎、紀谷浩太郎ってんだ。」
「コータロー?ここらじゃ聞かん名じゃな。
まあ、ヤマトンチュなら当たり前かの〜。」
「あ、」
そのヤマトンチュとやらを名乗ったことをすっかり忘れ危うく墓穴を掘るところだったコータローは、すんでのところで言葉を止めた。
「ウチの店の奴らは曲者が多くてなあ、色々難儀するかもしらんがまあ、頑張れよ、若いの。」
「さっき名前言ったよな?」
「ああ、そうだったな、コータローだったか。歳をとると物忘れがひどくてなぁ〜。」
そんなやり取りを続けているうちにどうやらキクの店についたらしい。
「うら、これが儂の『ふりむん亭』じゃ!」
そう言って指を指した先にはレトロな雰囲気を醸し出した木造の建物。周りを近未来的なビルに囲まれてここだけ異常なほどういている。
「なんていうか……その……時代に抗ってんな。」
一応初対面、ボロいなんて口が裂けても言えない。
「今は準備中じゃからな、とりあえず入れ入れ、他の奴らにも紹介せんばいかんしな〜。」
誤魔化しきれたらしく、キクは自慢げに店内に入っていく。コータローも後に続いて中に入る。そこには──
「あら、婆ちゃんまた、知らない人連れてきたの?」
「まあ、僕らも拾ってもらった身だし歓迎するけどね。」
「くぁー」
女と男とトカゲ(?)が、
それぞれ二丁拳銃、双剣を装備して机を掃除していた。
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