ああ、赤ずきんちゃん。
第3話「赤ずきんちゃんと魔女の試練(前編)」
前回、料理をするために狩りをしていた赤ずきん含む5人は、見るからに怪しいお菓子の家とさらに見るからに怪しい魔女のおばさんと対面し、なぞなぞを解くことになったのでした。
魔女「では第1問!」
その瞬間、魔女が何か呪文を唱えると5人の目の前に"カエル"が現れました。
魔女【ここに3匹のカエルがいる。それぞれ大きなカエル、中くらいのカエル、小さなカエル並んでるね。……さて、この中で子供のカエルはどれか分かるかね?】
白雪姫「カ、カエル?」
白雪姫は困惑してます。どうやらカエルが苦手のようです。
その間、双子の兄妹はうーーんと首を捻っています。
ヘンゼル「……まあ、普通に考えたら小さいカエルだよな。小さい方が子供に決まっている」
グレーテル「いや、そう思わせて罠の可能性が高い。ここは慎重に、カエルを調べてみた方がいいんじゃないか?」
ヘンゼル「調べるって言っても、俺カエルの鑑定なんて出来ねえよ。そもそも触ったこともない」
グレーテル「え。ヘンゼル……貴方、カエルに触れないの?」
ヘンゼル「ば、ばばばば馬鹿言ってんじゃねえよ!! カ、カエルくらい触れるに決まってんだろう!?」
グレーテル「……そう? ならここで触ってみなよ」
ヘンゼル「……え?」
大・カエル「ゲコッ」
中・カエル「ゲコゲコッ!」
ヘンゼル「…………き、今日は調子でねえから辞めとく。い、言っとくけど触れないわけじゃねえからな!!」
グレーテル「はぁ。……まあ、それは置いといて、今はこのなぞなぞを解かなくちゃね」
そして双子は、ああでも無いこうでも無いと言いながら、魔女のなぞなぞを一生懸命解いてます。
一方で、双子が難しく考えている後ろでは、赤ずきんが呆れた表情を浮かべていました。
赤ずきん「……貴方たち何言ってるの? カエルの子供は『オタマジャクシ』何だから、この3匹は皆んな大人。つまり、この場に『子供のカエル』なんてモノは存在しないのよ」
ヘンゼル&グレーテル『………………あっ』
魔女「は~い正解っ! 赤ずきんちゃんに1ポイント贈呈だぁ!」
赤ずきんが答えると同時に、お菓子の家からファンファーレが鳴り出しました。クラッカーや笛の音がして実に賑やかな音色です。
魔女「正解した赤ずきんちゃんには、このキャンディースティックを差し上げよう」
赤ずきん「わーい!」
赤ずきんは得意げです。正解出来なかったヘンゼルを見つめながらキャンディーをペロペロと舐めています。
赤ずきん「ハッハー! これだから元都会っ子は常識に疎いのよ。まさかカエルのことも知らないなんて!」
ヘンゼル「馬鹿にすんな、カエルくらい知ってるよ! オタマジャクシのことも。只、ちょっと忘れてただけだ!」
魔女「はいはい続いて第2問だよ~?」
そう言うと、魔女はまた呪文を唱え始めて、今度は複数の動物を呼び出しました。
魔女【さてさて。ここに居るのはいつも仲良しの動物達"サル"、"イヌ"、"ヤギ"、"トラ"、"ネズミ"の5匹だよぉ。この中に1匹だけ「仲間外れ」が居るなら、それはどれでしょうか?】
魔女はニタニタ笑っています。
ヘンゼル「これは簡単! 5匹の中に1匹だけ"干支"じゃない奴がいる。つまり"ヤギ"! こいつが仲間外れだ!」
白雪姫「あの、ヘンゼルさん"干支"とは何でしょうか?」
ヘンゼル「はぁ? 何だ知らないのか。干支って言うのは………………あれ?」
そう、ここは【おとぎの世界】です。"干支"という概念は存在しない世界なのです。
即ち、答えは"干支"ではありません。
ヘンゼル「くそっ、世界観めぇ~! ……だったら、ヤギは草食だけど他の4匹は肉食。……いや、サルやネズミはどちらかと言えば雑食か……。ならヤギは紙を食べるけど他は…………いや、答えが曖昧だよな。じゃあヤギは白い! ……ヤギは角がある! いやいやヤギは!! ヤギはぁぁぁぁぁ~~~~~???」
白雪姫「ヘンゼルさん落ち着いて! 一度ヤギから離れてください!!」
白雪姫は慌てた声でヘンゼルを止めます。普段使わないヘンゼルの頭からは、煙がモクモク吹き始めていました。
そして赤ずきんが答えます。
赤ずきん「ヘンゼル。この5匹は"いつも仲良しの動物達"なのよ? つまり5匹は友達同士! 皆んな一緒、皆んな家族! だからこの5匹に『仲間外れなんて居ないのよ』」
ヘンゼル「……………………おっ?」
魔女「大正解~っ!」
ヘンゼル「マジかよッ!?」
お菓子の家から再びファンファーレが鳴り出しました。それを聞きながら、ヘンゼルは唖然としています。
魔女「正解した赤ずきんちゃんには、このビスケットを差し上げよう」
赤ずきん「わーい!」
そして、赤ずきんはまた得意げになってました。
赤ずきん「ハッハッハー! 何よヘンゼル、貴方大したことないのね!」
ヘンゼル「く、くそっ! 次! 次で決めてやるから!!」
ヘンゼルは赤ずきんに笑い者にされて顔を真っ赤にしてます。絶対に正解してみせると意気込んでいるようです。
グレーテルは、そんな兄を眺めながら呆れたように溜め息を吐きました。
魔女「ひひひ、それじゃあこれが最後のなぞなぞだ。覚悟はいいか~い?」
そう言って、いよいよ魔女は最後の謎を出題します。
突然行われた魔女のなぞなぞ試練。果たして赤ずきん達は、全ての謎を解き明かすことが出来るのでしょうか? そして、魔女の真の目的とは何なのか!?
次回、後編に続く!
魔女「では第1問!」
その瞬間、魔女が何か呪文を唱えると5人の目の前に"カエル"が現れました。
魔女【ここに3匹のカエルがいる。それぞれ大きなカエル、中くらいのカエル、小さなカエル並んでるね。……さて、この中で子供のカエルはどれか分かるかね?】
白雪姫「カ、カエル?」
白雪姫は困惑してます。どうやらカエルが苦手のようです。
その間、双子の兄妹はうーーんと首を捻っています。
ヘンゼル「……まあ、普通に考えたら小さいカエルだよな。小さい方が子供に決まっている」
グレーテル「いや、そう思わせて罠の可能性が高い。ここは慎重に、カエルを調べてみた方がいいんじゃないか?」
ヘンゼル「調べるって言っても、俺カエルの鑑定なんて出来ねえよ。そもそも触ったこともない」
グレーテル「え。ヘンゼル……貴方、カエルに触れないの?」
ヘンゼル「ば、ばばばば馬鹿言ってんじゃねえよ!! カ、カエルくらい触れるに決まってんだろう!?」
グレーテル「……そう? ならここで触ってみなよ」
ヘンゼル「……え?」
大・カエル「ゲコッ」
中・カエル「ゲコゲコッ!」
ヘンゼル「…………き、今日は調子でねえから辞めとく。い、言っとくけど触れないわけじゃねえからな!!」
グレーテル「はぁ。……まあ、それは置いといて、今はこのなぞなぞを解かなくちゃね」
そして双子は、ああでも無いこうでも無いと言いながら、魔女のなぞなぞを一生懸命解いてます。
一方で、双子が難しく考えている後ろでは、赤ずきんが呆れた表情を浮かべていました。
赤ずきん「……貴方たち何言ってるの? カエルの子供は『オタマジャクシ』何だから、この3匹は皆んな大人。つまり、この場に『子供のカエル』なんてモノは存在しないのよ」
ヘンゼル&グレーテル『………………あっ』
魔女「は~い正解っ! 赤ずきんちゃんに1ポイント贈呈だぁ!」
赤ずきんが答えると同時に、お菓子の家からファンファーレが鳴り出しました。クラッカーや笛の音がして実に賑やかな音色です。
魔女「正解した赤ずきんちゃんには、このキャンディースティックを差し上げよう」
赤ずきん「わーい!」
赤ずきんは得意げです。正解出来なかったヘンゼルを見つめながらキャンディーをペロペロと舐めています。
赤ずきん「ハッハー! これだから元都会っ子は常識に疎いのよ。まさかカエルのことも知らないなんて!」
ヘンゼル「馬鹿にすんな、カエルくらい知ってるよ! オタマジャクシのことも。只、ちょっと忘れてただけだ!」
魔女「はいはい続いて第2問だよ~?」
そう言うと、魔女はまた呪文を唱え始めて、今度は複数の動物を呼び出しました。
魔女【さてさて。ここに居るのはいつも仲良しの動物達"サル"、"イヌ"、"ヤギ"、"トラ"、"ネズミ"の5匹だよぉ。この中に1匹だけ「仲間外れ」が居るなら、それはどれでしょうか?】
魔女はニタニタ笑っています。
ヘンゼル「これは簡単! 5匹の中に1匹だけ"干支"じゃない奴がいる。つまり"ヤギ"! こいつが仲間外れだ!」
白雪姫「あの、ヘンゼルさん"干支"とは何でしょうか?」
ヘンゼル「はぁ? 何だ知らないのか。干支って言うのは………………あれ?」
そう、ここは【おとぎの世界】です。"干支"という概念は存在しない世界なのです。
即ち、答えは"干支"ではありません。
ヘンゼル「くそっ、世界観めぇ~! ……だったら、ヤギは草食だけど他の4匹は肉食。……いや、サルやネズミはどちらかと言えば雑食か……。ならヤギは紙を食べるけど他は…………いや、答えが曖昧だよな。じゃあヤギは白い! ……ヤギは角がある! いやいやヤギは!! ヤギはぁぁぁぁぁ~~~~~???」
白雪姫「ヘンゼルさん落ち着いて! 一度ヤギから離れてください!!」
白雪姫は慌てた声でヘンゼルを止めます。普段使わないヘンゼルの頭からは、煙がモクモク吹き始めていました。
そして赤ずきんが答えます。
赤ずきん「ヘンゼル。この5匹は"いつも仲良しの動物達"なのよ? つまり5匹は友達同士! 皆んな一緒、皆んな家族! だからこの5匹に『仲間外れなんて居ないのよ』」
ヘンゼル「……………………おっ?」
魔女「大正解~っ!」
ヘンゼル「マジかよッ!?」
お菓子の家から再びファンファーレが鳴り出しました。それを聞きながら、ヘンゼルは唖然としています。
魔女「正解した赤ずきんちゃんには、このビスケットを差し上げよう」
赤ずきん「わーい!」
そして、赤ずきんはまた得意げになってました。
赤ずきん「ハッハッハー! 何よヘンゼル、貴方大したことないのね!」
ヘンゼル「く、くそっ! 次! 次で決めてやるから!!」
ヘンゼルは赤ずきんに笑い者にされて顔を真っ赤にしてます。絶対に正解してみせると意気込んでいるようです。
グレーテルは、そんな兄を眺めながら呆れたように溜め息を吐きました。
魔女「ひひひ、それじゃあこれが最後のなぞなぞだ。覚悟はいいか~い?」
そう言って、いよいよ魔女は最後の謎を出題します。
突然行われた魔女のなぞなぞ試練。果たして赤ずきん達は、全ての謎を解き明かすことが出来るのでしょうか? そして、魔女の真の目的とは何なのか!?
次回、後編に続く!
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