公爵令嬢は結婚したくない!
暗躍する海賊の末裔(18)
「とうとう来てしまいましたね」
私は、一人呟きながらも鏡の前の椅子に座りながら溜息をもらす。
正直、朝起きてから、ずっと気が沈んだまま。
だって……人身売買をしているような人種。
そういう人は、どうなのかと想像すると、気が滅入ってしまう。
平和な日本で暮らして、そして気がつけば公爵令嬢として転生してから多くの方と話をしてきたけど、さすがに奴隷商人とは交流がない。
だから、思い込みで酷い人間だと思ってしまうことも否めないし否定もしない。
何故なら、地球での歴史を紐解けば、奴隷商人と言うのは、それだけ負の遺産を世界各地に残していったのだから。
その時代が帝国主義時代であり、歴史としてそうしなければ各国が生きていけない時代だったというのは分からなくもないけど……。
それでも――。
どこか、釈然としない……・
どこか、モヤモヤした消化しきれない思いがヘドロのように自分の中に存在している。
それが、なんとなくだけど分かってしまう。
「はぁー……。レイルさんに全部任せられればいいんですけど……」
レイルさんって、言動から、どちらかと言えば奴隷推進派な感じを受ける。
だから、レイルさんに任せられない。
「仕方ないですよね……。自分の意見を通すんですから…・・・」
鏡に映ってる自分自身を見る。
そこに映っているのは、エレンシアお母様譲りの細い眉に大きな瞳。そして、どこか日本人を感じさせる顔つき…・・・。
そして小さな桜色の唇。
白人の日本人の混血児は、美形や美人が多いと言うけど、私もその言葉に漏れず自惚れではないけど、かなり可愛い部類に入ると思う。
――って、そんなことを他人に言ったらナルシスト扱いにされそう。
私は、鏡を見ながら腰まで伸ばしている髪の毛をブラシで梳く。
髪の毛が纏まったところで、鏡を見ながらおかしなところが無いか確認する。
そして立ち上がり服装をチェックして、どこにもおかしな場所が無いのを確認して問題ないのを確認してから、私は部屋から出た。
すると扉の前にはレイルさんが壁に体を預けて目を閉じて立っていた。
「こんな朝早くから、どうかしたんですか?」
「――ああ、思ったよりも支度が早かったな? ふむ……。よく眠れてはいないようだな?」
レイルさんは、私の表情を見ながら話しかけてくる。
そんな彼の言葉に私は素直に頷く。
「はい、やはり……」
私は途中で紡いでいた言葉を止める。
私は、ずっと、どうやって、奴隷商人と話をして問題を解決するか、その方法をずっと考えていた。
まだ答えは、半分しか出ていないけど。
きっと、閃いた答えは間違っていないと信じたい。
「やっぱり、奴隷は嫌か?」
「はい、正直言ってしまうと……」
私でも、異世界で受け入れられる事と、そうではないことがある。
――でも、果たしてそれが正しいのかと言えば分からないと言わざるえない。
だって、私は近代日本の知識を持った人間なのだから。
どんなに強い魔力や、公爵家という戸籍があったとしても、それは私の本質ではなく、少なくとも私の拠り所となっているのは日本人で合ったという事実。
そこは変えられようがないし、変わることもない。
「まぁ、仕方ない。奴隷商人が、こちらの考えてたよりもずっと早く尋ねてきたんだ。もう、応接室でお前を待っている」
「そうなんですか?」
「ああ、まだ日が昇ったばかりだと言うのに珍しいものだ」
たしかに、レイルさんの言うとおり、まだ朝日が昇ったばかり。
朝食の準備を始めたばかりの家庭もあるはず。
そんな時間に来るなんて商人として如何な者かと思ってしまう。
それに私としても早めに起きて気持ちを落ち着かせて話し合いの場に望もうと思っていただけに困ってしまう。
「どちらにせよ、話し合いをしないと始まりませんね」
「そうだな」
相手が何を考えていたとしても、やる事は変わらない。
私は、一人呟きながらも鏡の前の椅子に座りながら溜息をもらす。
正直、朝起きてから、ずっと気が沈んだまま。
だって……人身売買をしているような人種。
そういう人は、どうなのかと想像すると、気が滅入ってしまう。
平和な日本で暮らして、そして気がつけば公爵令嬢として転生してから多くの方と話をしてきたけど、さすがに奴隷商人とは交流がない。
だから、思い込みで酷い人間だと思ってしまうことも否めないし否定もしない。
何故なら、地球での歴史を紐解けば、奴隷商人と言うのは、それだけ負の遺産を世界各地に残していったのだから。
その時代が帝国主義時代であり、歴史としてそうしなければ各国が生きていけない時代だったというのは分からなくもないけど……。
それでも――。
どこか、釈然としない……・
どこか、モヤモヤした消化しきれない思いがヘドロのように自分の中に存在している。
それが、なんとなくだけど分かってしまう。
「はぁー……。レイルさんに全部任せられればいいんですけど……」
レイルさんって、言動から、どちらかと言えば奴隷推進派な感じを受ける。
だから、レイルさんに任せられない。
「仕方ないですよね……。自分の意見を通すんですから…・・・」
鏡に映ってる自分自身を見る。
そこに映っているのは、エレンシアお母様譲りの細い眉に大きな瞳。そして、どこか日本人を感じさせる顔つき…・・・。
そして小さな桜色の唇。
白人の日本人の混血児は、美形や美人が多いと言うけど、私もその言葉に漏れず自惚れではないけど、かなり可愛い部類に入ると思う。
――って、そんなことを他人に言ったらナルシスト扱いにされそう。
私は、鏡を見ながら腰まで伸ばしている髪の毛をブラシで梳く。
髪の毛が纏まったところで、鏡を見ながらおかしなところが無いか確認する。
そして立ち上がり服装をチェックして、どこにもおかしな場所が無いのを確認して問題ないのを確認してから、私は部屋から出た。
すると扉の前にはレイルさんが壁に体を預けて目を閉じて立っていた。
「こんな朝早くから、どうかしたんですか?」
「――ああ、思ったよりも支度が早かったな? ふむ……。よく眠れてはいないようだな?」
レイルさんは、私の表情を見ながら話しかけてくる。
そんな彼の言葉に私は素直に頷く。
「はい、やはり……」
私は途中で紡いでいた言葉を止める。
私は、ずっと、どうやって、奴隷商人と話をして問題を解決するか、その方法をずっと考えていた。
まだ答えは、半分しか出ていないけど。
きっと、閃いた答えは間違っていないと信じたい。
「やっぱり、奴隷は嫌か?」
「はい、正直言ってしまうと……」
私でも、異世界で受け入れられる事と、そうではないことがある。
――でも、果たしてそれが正しいのかと言えば分からないと言わざるえない。
だって、私は近代日本の知識を持った人間なのだから。
どんなに強い魔力や、公爵家という戸籍があったとしても、それは私の本質ではなく、少なくとも私の拠り所となっているのは日本人で合ったという事実。
そこは変えられようがないし、変わることもない。
「まぁ、仕方ない。奴隷商人が、こちらの考えてたよりもずっと早く尋ねてきたんだ。もう、応接室でお前を待っている」
「そうなんですか?」
「ああ、まだ日が昇ったばかりだと言うのに珍しいものだ」
たしかに、レイルさんの言うとおり、まだ朝日が昇ったばかり。
朝食の準備を始めたばかりの家庭もあるはず。
そんな時間に来るなんて商人として如何な者かと思ってしまう。
それに私としても早めに起きて気持ちを落ち着かせて話し合いの場に望もうと思っていただけに困ってしまう。
「どちらにせよ、話し合いをしないと始まりませんね」
「そうだな」
相手が何を考えていたとしても、やる事は変わらない。
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