公爵令嬢は結婚したくない!
反逆のユウティーシア(後編)
ミトンの町から10人程の兵士達が城壁の門を抜けて出てくる。
そして、その中から一際、目を引くような飾りをつけた兵士が姿を現した。
「レイル! その後ろに連れているのが総督府スメラギ、エメラス様が探しておられるシュトロハイム公爵家の御令嬢ユウティーシア様か?」
男からの言葉に、私を連れてきたレイルは、何と答えていいか迷っているご様子。
私の方へ何度も視線を向けてきては、指示を仰ぎたいようだけど……。
仕方無いよね……。
私は、馬から飛び降りる。
すると、私達を迎えにミトンの町から出てきた兵士だけではなく、レイルに語りかけてきた指揮官らしき人物も動揺の表情を見せてきた。
馬から何の動作もなく飛び降りるなんて訓練された騎士や兵士の方にも難しい。
それを、破けたとは言えスカートであった私が難なく行える事は、見る人が見ればおかしいと理解してくれるはず。
「お初にお目にかかります」
私はスカートの裾を掴みながら少しだけ腰を落として頭をほんの少しだけ垂れる。
所謂、貴族風の挨拶であるカーテシー。
「本物だ……」
誰かが呟かれた言葉が私の鼓膜を揺さぶる。
目の前の指揮官である方も私の挨拶を見て顔を少し赤らめていた。
そこで私は気がつく。
アレクという青年をティアが看病するときにスカートを破いて血止めに使っていたことを。
おかげで私はふとももまで見える状態。
困ったものですね。
「そ、それでは……ユウティーシア様、私達と総督府スメラギまで御同行頂けますか?」
「え? 嫌ですけど?」
私の言葉に、近づいて来ようとしていた指揮官の方の動きが停止する。
私は指揮官の方を様子を見て口元に手を宛てて首を傾げ微笑む。
「名前も名乗って頂けない方にどうして着いていけましょうか?」
「あ……」
そこで、ようやく指揮官の方は名前を名乗り忘れていた事に気がついてくれたよう。
「私は、総督府スメラギ第三騎士団のルーラと言う。総督府の命によりリースノット王国、シュトロハイム公爵家、ユウティーシア御令嬢を保護しに参った次第です」
「そうですか……」
私は、それだけ言葉を紡ぐ。
ルーラという指揮官は、私が了承したと思って近づいてくるけど、私としては――。
「貴方達は、少しやりすぎましたね? 私を探すという事でしたら情報だけを流し留めておくのが良かったのに。町の方に……刃物を向けましたね?」
話をしている途中でアレクという青年が傷ついていた姿が脳裏に浮かんでいた。
なんだか知らないけどイライラする。
だから、これは――。
「今からする事は、ただの八つ当たりです。ですから……」
私は、自分の周囲に百を超えるウォーターランスを編み出す。
無詠唱で編み出されたウォーターランスを見て「ぜ、全員……避けろおおおお」と言うルーラの言葉と同時に私は、ウォーターランスを城壁の上と兵士達に向けて放つ。
城壁の上に飾られていた旗を全て破壊し、10人の兵士は直撃したウォーターランスにより後方に弾き飛ばされ城壁にぶつかると同時に、城壁に寄りかかるようにして崩れおちた。
「い、一体……何が?」
ルーラは、私が発動させた魔法を辛うじて避けられたみたいだけど、他の兵士は全員全滅、殺してはいないけど……。
「こ、こんな事が……こんな馬鹿な事が……」
私の方へ視線を向けてきたルーラが私を睨めつけてくる。
「他国の軍隊に! 他国の人間、ましてや貴族が手を出すと言う事は何を意味するのか理解しているのですか?」
未だに私の事を貴族の令嬢、リースノット王国の貴族として扱おうとする心意気は良いけど……でもね? 貴方達は私の逆鱗に触れたんですよ?
「はい、理解しております。ですから、帰って伝えてください。シュトロハイム公爵家ではなくリースノット王国でもなく、唯一人のユウィテーシアとして私は、海洋国家ルグニカに喧嘩を売りましたと」
私の言葉を聞いたルーラは呆けた後に町の中に待機させていた馬に乗って逃げてしまった。
コレで、こちらに目を向けさせる事ができますね。
そして、その中から一際、目を引くような飾りをつけた兵士が姿を現した。
「レイル! その後ろに連れているのが総督府スメラギ、エメラス様が探しておられるシュトロハイム公爵家の御令嬢ユウティーシア様か?」
男からの言葉に、私を連れてきたレイルは、何と答えていいか迷っているご様子。
私の方へ何度も視線を向けてきては、指示を仰ぎたいようだけど……。
仕方無いよね……。
私は、馬から飛び降りる。
すると、私達を迎えにミトンの町から出てきた兵士だけではなく、レイルに語りかけてきた指揮官らしき人物も動揺の表情を見せてきた。
馬から何の動作もなく飛び降りるなんて訓練された騎士や兵士の方にも難しい。
それを、破けたとは言えスカートであった私が難なく行える事は、見る人が見ればおかしいと理解してくれるはず。
「お初にお目にかかります」
私はスカートの裾を掴みながら少しだけ腰を落として頭をほんの少しだけ垂れる。
所謂、貴族風の挨拶であるカーテシー。
「本物だ……」
誰かが呟かれた言葉が私の鼓膜を揺さぶる。
目の前の指揮官である方も私の挨拶を見て顔を少し赤らめていた。
そこで私は気がつく。
アレクという青年をティアが看病するときにスカートを破いて血止めに使っていたことを。
おかげで私はふとももまで見える状態。
困ったものですね。
「そ、それでは……ユウティーシア様、私達と総督府スメラギまで御同行頂けますか?」
「え? 嫌ですけど?」
私の言葉に、近づいて来ようとしていた指揮官の方の動きが停止する。
私は指揮官の方を様子を見て口元に手を宛てて首を傾げ微笑む。
「名前も名乗って頂けない方にどうして着いていけましょうか?」
「あ……」
そこで、ようやく指揮官の方は名前を名乗り忘れていた事に気がついてくれたよう。
「私は、総督府スメラギ第三騎士団のルーラと言う。総督府の命によりリースノット王国、シュトロハイム公爵家、ユウティーシア御令嬢を保護しに参った次第です」
「そうですか……」
私は、それだけ言葉を紡ぐ。
ルーラという指揮官は、私が了承したと思って近づいてくるけど、私としては――。
「貴方達は、少しやりすぎましたね? 私を探すという事でしたら情報だけを流し留めておくのが良かったのに。町の方に……刃物を向けましたね?」
話をしている途中でアレクという青年が傷ついていた姿が脳裏に浮かんでいた。
なんだか知らないけどイライラする。
だから、これは――。
「今からする事は、ただの八つ当たりです。ですから……」
私は、自分の周囲に百を超えるウォーターランスを編み出す。
無詠唱で編み出されたウォーターランスを見て「ぜ、全員……避けろおおおお」と言うルーラの言葉と同時に私は、ウォーターランスを城壁の上と兵士達に向けて放つ。
城壁の上に飾られていた旗を全て破壊し、10人の兵士は直撃したウォーターランスにより後方に弾き飛ばされ城壁にぶつかると同時に、城壁に寄りかかるようにして崩れおちた。
「い、一体……何が?」
ルーラは、私が発動させた魔法を辛うじて避けられたみたいだけど、他の兵士は全員全滅、殺してはいないけど……。
「こ、こんな事が……こんな馬鹿な事が……」
私の方へ視線を向けてきたルーラが私を睨めつけてくる。
「他国の軍隊に! 他国の人間、ましてや貴族が手を出すと言う事は何を意味するのか理解しているのですか?」
未だに私の事を貴族の令嬢、リースノット王国の貴族として扱おうとする心意気は良いけど……でもね? 貴方達は私の逆鱗に触れたんですよ?
「はい、理解しております。ですから、帰って伝えてください。シュトロハイム公爵家ではなくリースノット王国でもなく、唯一人のユウィテーシアとして私は、海洋国家ルグニカに喧嘩を売りましたと」
私の言葉を聞いたルーラは呆けた後に町の中に待機させていた馬に乗って逃げてしまった。
コレで、こちらに目を向けさせる事ができますね。
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