公爵令嬢は結婚したくない!
パートナー契約
案内された部屋は、あまり質のいい部屋とは言えなかった。
ベッドにクローゼットとテーブルのみ。
あとは本がテーブルの上に数冊積み重なっていた。
「今日から、ここが貴女の部屋です」
私は頷くと部屋に唯一ある窓から外を見た。
高い壁に囲まれていて鎧を着た男達が巡回しているのが見える。
これは脱出は難しいな……。
「今日は、実験器具が揃っていませんので魔力量測定だけしましょう」
私は、以前に魔力を測るときに使われた石板を受け取る。
そして大気の魔力を集め石板に収束させていくと石板は粉々に砕け散った。
「は?」
エルド・フォン・ウラヌスが驚いた表情で私を見ている。
「そ、そんな……ばかな?」
ふむふむ。どうやら、私は中国拳法で言う外気を取り入れて魔法を使える術を手に入れたみたいだ。
「他に何かできる事はありませんか?」
他に出来る事ね……。
薄情な両親に趣旨返しとしてやる分にはいいかもしれない。
「黒い石がほしいです」
私の言葉にエルドは頷いた後に、走り去るとすぐに戻ってきた。
「黒い石だと魔力石でいいのかな?」
頷きながらエルドが差し出してきた魔力石を受け取る。
そして大気の魔力が収束していくイメージをすると、先ほどまで石炭のように黒かった石が真っ白な光を滲ませる白色魔宝石に変化していた。
私は、それをエルドに差し出すと彼は、体を震わせながら白色魔宝石を受け取った。
「こ、これは……間違いない。シュトロハイム公爵が何か国王と話をしていると思っていたら、これを隠していたのか?」
ふむふむ。あまり仲良くないのか?
なら、利用できるかも知れないな。
「エルド様、お願いがあります。私をしばらく匿ってはくれませんか?」
私の言葉にエルドの動きが止まる。
「どういうことでしょうか?」
その目は、いささか剣呑としている。
「私は、家では冷遇されていましたので出来ればここにしばらく置いておいて欲しいのです。その対価として白色魔宝石を1日1個作って渡します」
私の言葉に彼は事の真意を測るかのように私をジッとみてくる。
私は心の内側を隠すようにニコリと微笑む。
「分かりました。シュトロハイム公爵より、しばらくは貴女の身柄を守るように言われていましたのでその提案に乗りましょう」
「ありがとうございます」
私はスカートの両端に手を添えてカーテシーをすると彼は怪訝そうな瞳で見てきたが私は気にしないことにした。
「それではエルド様、もう一つお願いしたい事があります。私に初級でいいので身を守る術の魔法と、市民の生活環境を教えてほしいのです」
「貴女は、将来は王妃になると聞いていますが?」
「魔法に興味があります。それと王妃とはいえ政をある程度理解していないと困ると思います。もしこちらの提案を受け入れて頂けるのでしたら一日2個まで白色魔宝石を提供しますが、如何ですか? 研究に使えますよね?」
エルドがしばらく天井に視線を向けたあとに、私を見てきた。
「シュトロハイム家の英才教育の賜ですか? まるでこちらが欲しいものを提示して条件を引き出してくるとは……」
「はい。たくさん勉強を叩きこまれましたから……」
主に前世で営業の時に! と心の中で突っ込む。
「分かりました。こちらも何の対価も出さずに貴重な魔法石を貰うのは気がひけますからね。今日からは、貴女と私は業務面での対等な付き合いと言う事でいいですか?」
「はい、よろしくお願いします」
さて、これでこの異世界で生きていく力を得られる環境が整ったな……。
「では明日からは、私は魔法の使い方と市民の生活の場を案内しましょう」
「はい、よろしくお願いします。それと私の魔力は無かったと伝えておいてくれますか?」
私は、言葉にエルドは喉を鳴らした。
着いたそうそう魔力量を測ろうとしてきたのだ。
おそらく、実験などをして私の力を測ろうとしていた可能性も高い。
そして、それを指示したのは国王かお父様の可能性が高いと思う。
だからこそ、力を今は隠しておきたい。
「なるべく隠すようにしましょう」
「ありがとうございます」
私はエルドにほほ笑んだ。
ベッドにクローゼットとテーブルのみ。
あとは本がテーブルの上に数冊積み重なっていた。
「今日から、ここが貴女の部屋です」
私は頷くと部屋に唯一ある窓から外を見た。
高い壁に囲まれていて鎧を着た男達が巡回しているのが見える。
これは脱出は難しいな……。
「今日は、実験器具が揃っていませんので魔力量測定だけしましょう」
私は、以前に魔力を測るときに使われた石板を受け取る。
そして大気の魔力を集め石板に収束させていくと石板は粉々に砕け散った。
「は?」
エルド・フォン・ウラヌスが驚いた表情で私を見ている。
「そ、そんな……ばかな?」
ふむふむ。どうやら、私は中国拳法で言う外気を取り入れて魔法を使える術を手に入れたみたいだ。
「他に何かできる事はありませんか?」
他に出来る事ね……。
薄情な両親に趣旨返しとしてやる分にはいいかもしれない。
「黒い石がほしいです」
私の言葉にエルドは頷いた後に、走り去るとすぐに戻ってきた。
「黒い石だと魔力石でいいのかな?」
頷きながらエルドが差し出してきた魔力石を受け取る。
そして大気の魔力が収束していくイメージをすると、先ほどまで石炭のように黒かった石が真っ白な光を滲ませる白色魔宝石に変化していた。
私は、それをエルドに差し出すと彼は、体を震わせながら白色魔宝石を受け取った。
「こ、これは……間違いない。シュトロハイム公爵が何か国王と話をしていると思っていたら、これを隠していたのか?」
ふむふむ。あまり仲良くないのか?
なら、利用できるかも知れないな。
「エルド様、お願いがあります。私をしばらく匿ってはくれませんか?」
私の言葉にエルドの動きが止まる。
「どういうことでしょうか?」
その目は、いささか剣呑としている。
「私は、家では冷遇されていましたので出来ればここにしばらく置いておいて欲しいのです。その対価として白色魔宝石を1日1個作って渡します」
私の言葉に彼は事の真意を測るかのように私をジッとみてくる。
私は心の内側を隠すようにニコリと微笑む。
「分かりました。シュトロハイム公爵より、しばらくは貴女の身柄を守るように言われていましたのでその提案に乗りましょう」
「ありがとうございます」
私はスカートの両端に手を添えてカーテシーをすると彼は怪訝そうな瞳で見てきたが私は気にしないことにした。
「それではエルド様、もう一つお願いしたい事があります。私に初級でいいので身を守る術の魔法と、市民の生活環境を教えてほしいのです」
「貴女は、将来は王妃になると聞いていますが?」
「魔法に興味があります。それと王妃とはいえ政をある程度理解していないと困ると思います。もしこちらの提案を受け入れて頂けるのでしたら一日2個まで白色魔宝石を提供しますが、如何ですか? 研究に使えますよね?」
エルドがしばらく天井に視線を向けたあとに、私を見てきた。
「シュトロハイム家の英才教育の賜ですか? まるでこちらが欲しいものを提示して条件を引き出してくるとは……」
「はい。たくさん勉強を叩きこまれましたから……」
主に前世で営業の時に! と心の中で突っ込む。
「分かりました。こちらも何の対価も出さずに貴重な魔法石を貰うのは気がひけますからね。今日からは、貴女と私は業務面での対等な付き合いと言う事でいいですか?」
「はい、よろしくお願いします」
さて、これでこの異世界で生きていく力を得られる環境が整ったな……。
「では明日からは、私は魔法の使い方と市民の生活の場を案内しましょう」
「はい、よろしくお願いします。それと私の魔力は無かったと伝えておいてくれますか?」
私は、言葉にエルドは喉を鳴らした。
着いたそうそう魔力量を測ろうとしてきたのだ。
おそらく、実験などをして私の力を測ろうとしていた可能性も高い。
そして、それを指示したのは国王かお父様の可能性が高いと思う。
だからこそ、力を今は隠しておきたい。
「なるべく隠すようにしましょう」
「ありがとうございます」
私はエルドにほほ笑んだ。
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