努力という名の才能を手に異世界を生き抜く〜異世界チート?そんなのは必要ない!〜
魔法 実技
「よし…ライザー以外は集まったな。じゃあこれより魔法実技の復習を始める。ミアとルーカスはこっちで最初は見てろ。後で詳しく教えてやる」
「先生〜ライザーはどうしたんですか〜?」
「ライザーは今教員室で説教中だ。なんでもここに来る時に叫びながら歩いてたらしく他のクラスの妨害をしていたかららしいぞあのバカは」
担任は手を叩き生徒を見渡す。
「よしあのバカな話は終わりだ。あいつが戻って来る前に終わらせるぞー。まずは詠唱からだ」
担任の指示に従い生徒たちは順番に並び担任の横で魔法の詠唱をし魔法を発動していく。
「水よ 集まり放て ウォーターボール!」
「中々だな。合格だ」
詠唱か。魔法って言えば詠唱だとは思うが…無駄だよな。あれやんなくてもいい方法とかはないのだろうか。
俺は見学をしながら詠唱を聞いていく。
どうやら次はエンの番らしい。
「次、エン…あまりうるさくするなよ?耳が痛いから」
「わかりましたぁー先生!よっしゃー!行くぜー!爆ぜろ!フレイムバーニング!」
エンの雄叫びとともに巨大な爆発が起こる。
実技場は被害がないようだがビキビキと何かが割れかけている音がする。結界か何か?
「な!?やりすぎだアホ!」
担任はエンの頭を叩く。
「わはは!張り切り過ぎたぜ!」
「チッあの詠唱の短さでこの威力はどうかしてる。合格だ」
「わはは!さすが俺だぜ!」
笑いながら歩くエンに担任が大声で調子にはなるなよ!と叫んでいる。
なるほど詠唱は短縮化できるのか。それともそれはあのエンだけのチートなのかだよな。いやだがあの担任の言い方からして多分詠唱短縮自体はあるのだろうな。
俺が考えているうちにどんどん生徒達はテストを受けていく。今度はランスの番になっていた。
「今度はアダドーロか。よし始めろ」
「は〜い。腐よ 大地を包み大地を喰らえ 今こそ我ら腐の時代だ ポイズンデット ヴァンパイアビースト」
ランスの長い詠唱が終わると実技場の地面が紫色に変色していく。
担任はこの様子を見て冷や汗をかいている。
「な!?お前はアホか!何こんな狭いところでそんなでかい魔法使ってんだ!お前の属性だと対処の仕方わかんねえから今すぐやめろ!」
「え〜。でもこの子使ってあげたかったんですよ〜。契約したっきり全然出してあげれてなかったから。それに大丈夫ですよ。この子人懐っこいから危害は加えませんよ。あ、でも体表は毒で覆われてるんで気をつけてくださいね」
紫色の地面からボコボコと大きな何かが浮き出してくる。それを見て担任はランスを一度睨むと生徒に向けて大声を出す。
「それが1番問題だろうが!お前ら早くここから避難しろ!」
生徒達は担任にしたがい実技場を離れていく。その間ランスと仲のいいであろうエン達転生者組は皆あいつは相変わらずだなぁと笑っていた。
担任は相当焦っているらしく影で見学していた俺たちのことをすっかり忘れている。
俺とミア、ランス、担任以外が全員実技場を離れた時地面から浮き出ていた巨大な物体は腕を出し地面を掴む。そのまま体を地面から抜き出しその全貌が明らかになる。
「は…なんだありゃ」
「すごーい」
その姿を見て俺とミアはなんの言葉も出ない。
アドラを見ていたのでどんなゾンビが出て来ても驚かないだろうと思っていたがこのゾンビは規模が違っていた。体長はアドラを軽く越えているであろうでかさに全身筋肉出て来たようなボコボコの体を持つ獣。
それに合わさり虚ろな目と口から出す紫色の吐息が不気味さを更に引き上げている。
ランスはその獣を見ると目を輝かせまるでその獣を抱きしめようとするかのように両腕を広げる。
「わー!君は相変わらずでかいね〜!今まで出してあげられなくてごめんね〜」
「グロローーー!!!」
獣はその声に反応するかのように雄叫びをあげランス向けて勢いよく腕を振り下ろす。
「やっば!アドラちゃん!」
「なんじゃマスター。妾もいつも暇というわけではないのだぞ?出すときは事前に…ってなんじゃ彼奴は!?マスター危ないぞ!」
アドラは地面から出た瞬間今の状況を察し巨大な腕が差し迫っていたランスを間一髪で担ぎ腕が振り下ろされた衝撃に耐える。
そしてアドラは短くこちらに聞こえないくらいの声量で詠唱を行うと手から紫色の煙が吹き出し獣の目にまとわりつく。獣は視界を失い無差別で暴れ出す。しかしこちらの居場所はわからないようだ。
「ぐっ…マスター!大丈夫か!?」
「うん助かったよ。アドラちゃん」
「ふむそれは何よりだ。して彼奴はなんで地上におるのだ?確か前に危険だからといってもう2度と出さないという話じゃったが…」
「あれぇ?そうだっけ?」
「マスター…」
アドラはわざとらしく首をかしげるランスをかわいそうなものを見る目で見据える。
俺とミアはその隣へと歩いていく。
「さっきから見てたがランスお前何やってんだ?」
「あ、エギル君とミアちゃん逃げてなかったんだね〜」
「ああ、お前の馬鹿さ加減を見てたら逃げるのが遅れた。こんなめんどくさいのに巻き込まれると知ってたら逃げてたと今でも後悔してるよ」
「そうだよー。ランスこれなんなの?」
ランスはさっきからグログロと叫び暴れまわっている獣を見る。
「いや〜前に暴走してもう出さないって決めてたんだけど闘気込めたら理性を取り戻して静かになるかなって思ったんだけど…ダメだったねテヘペロ」
ランスは可愛らしく下を出す。
「可愛くねえからやめろ!…いやお前の顔自体は女だとしたら可愛い方だが…とにかくやめろ!」
「お前ら!なんで逃げてないんだ!アダドーロ以外は逃げろといっただろう!」
担任がこちらに気づき駆けつける。
「ルーカス!ミア!早く避難しろ!アダドーロは早くあいつを元に戻せ!」
「いや〜先生それがですね〜。僕のゾンビ達って自分の意思で勝手に戻るから強制的に戻せないんですよ〜ね〜アドラちゃん」
「うむ。強制的に戻したいのであれば其奴の魔力をすっからかんにするしかないが…あれは妾でもなかなか厳しいぞ?」
「なんかすごい奴なの?」
「ミアよ。すごいなんてものではない。彼奴は妾と同じ時代を生きた悪魔の従魔 ヴァンパイアビースト。成龍の何体かは奴に殺されてしまった。妾の今の力では勝てるかどうか…」
アドラは目を細め腕を組む。
俺とミア、ランスは歩みアドラの隣に立つ。
「皆の者?」
「元はと言えば僕の責任だしね〜。アドラちゃん1人に任せようなんて言わないよ〜」
「そうだぞランス。元はと言えば全部お前の責任だ。だからお前はみんなの肉壁になれ。それが1番賢明な判断だ」
「あれ〜?エギル君ってそんなこと言う人だったっけ?」
「冗談だ。みんなで協力するんだろ?」
「そうだよ!みんなで協力すれば怖くないよ!ね!エギル!」
「そうだなミア」
「ふふふ…くははは!だからお主達についていくのだ!お主達といると面白いことしかない!」
「よし。じゃあ行くか」
俺は両手の指輪に闘気と魔力を込めると小手とコートが出現し俺を包み込む。
それと同時に4人全員が四方に飛び出す。
「な!?お前ら何やってんだ!死ぬ気か!?」
「グロロー!!!」
担任の叫びはヴァンパイアビーストの咆哮によってかき消され目の前の敵に集中した4人には届きさえしなかった。
「先生〜ライザーはどうしたんですか〜?」
「ライザーは今教員室で説教中だ。なんでもここに来る時に叫びながら歩いてたらしく他のクラスの妨害をしていたかららしいぞあのバカは」
担任は手を叩き生徒を見渡す。
「よしあのバカな話は終わりだ。あいつが戻って来る前に終わらせるぞー。まずは詠唱からだ」
担任の指示に従い生徒たちは順番に並び担任の横で魔法の詠唱をし魔法を発動していく。
「水よ 集まり放て ウォーターボール!」
「中々だな。合格だ」
詠唱か。魔法って言えば詠唱だとは思うが…無駄だよな。あれやんなくてもいい方法とかはないのだろうか。
俺は見学をしながら詠唱を聞いていく。
どうやら次はエンの番らしい。
「次、エン…あまりうるさくするなよ?耳が痛いから」
「わかりましたぁー先生!よっしゃー!行くぜー!爆ぜろ!フレイムバーニング!」
エンの雄叫びとともに巨大な爆発が起こる。
実技場は被害がないようだがビキビキと何かが割れかけている音がする。結界か何か?
「な!?やりすぎだアホ!」
担任はエンの頭を叩く。
「わはは!張り切り過ぎたぜ!」
「チッあの詠唱の短さでこの威力はどうかしてる。合格だ」
「わはは!さすが俺だぜ!」
笑いながら歩くエンに担任が大声で調子にはなるなよ!と叫んでいる。
なるほど詠唱は短縮化できるのか。それともそれはあのエンだけのチートなのかだよな。いやだがあの担任の言い方からして多分詠唱短縮自体はあるのだろうな。
俺が考えているうちにどんどん生徒達はテストを受けていく。今度はランスの番になっていた。
「今度はアダドーロか。よし始めろ」
「は〜い。腐よ 大地を包み大地を喰らえ 今こそ我ら腐の時代だ ポイズンデット ヴァンパイアビースト」
ランスの長い詠唱が終わると実技場の地面が紫色に変色していく。
担任はこの様子を見て冷や汗をかいている。
「な!?お前はアホか!何こんな狭いところでそんなでかい魔法使ってんだ!お前の属性だと対処の仕方わかんねえから今すぐやめろ!」
「え〜。でもこの子使ってあげたかったんですよ〜。契約したっきり全然出してあげれてなかったから。それに大丈夫ですよ。この子人懐っこいから危害は加えませんよ。あ、でも体表は毒で覆われてるんで気をつけてくださいね」
紫色の地面からボコボコと大きな何かが浮き出してくる。それを見て担任はランスを一度睨むと生徒に向けて大声を出す。
「それが1番問題だろうが!お前ら早くここから避難しろ!」
生徒達は担任にしたがい実技場を離れていく。その間ランスと仲のいいであろうエン達転生者組は皆あいつは相変わらずだなぁと笑っていた。
担任は相当焦っているらしく影で見学していた俺たちのことをすっかり忘れている。
俺とミア、ランス、担任以外が全員実技場を離れた時地面から浮き出ていた巨大な物体は腕を出し地面を掴む。そのまま体を地面から抜き出しその全貌が明らかになる。
「は…なんだありゃ」
「すごーい」
その姿を見て俺とミアはなんの言葉も出ない。
アドラを見ていたのでどんなゾンビが出て来ても驚かないだろうと思っていたがこのゾンビは規模が違っていた。体長はアドラを軽く越えているであろうでかさに全身筋肉出て来たようなボコボコの体を持つ獣。
それに合わさり虚ろな目と口から出す紫色の吐息が不気味さを更に引き上げている。
ランスはその獣を見ると目を輝かせまるでその獣を抱きしめようとするかのように両腕を広げる。
「わー!君は相変わらずでかいね〜!今まで出してあげられなくてごめんね〜」
「グロローーー!!!」
獣はその声に反応するかのように雄叫びをあげランス向けて勢いよく腕を振り下ろす。
「やっば!アドラちゃん!」
「なんじゃマスター。妾もいつも暇というわけではないのだぞ?出すときは事前に…ってなんじゃ彼奴は!?マスター危ないぞ!」
アドラは地面から出た瞬間今の状況を察し巨大な腕が差し迫っていたランスを間一髪で担ぎ腕が振り下ろされた衝撃に耐える。
そしてアドラは短くこちらに聞こえないくらいの声量で詠唱を行うと手から紫色の煙が吹き出し獣の目にまとわりつく。獣は視界を失い無差別で暴れ出す。しかしこちらの居場所はわからないようだ。
「ぐっ…マスター!大丈夫か!?」
「うん助かったよ。アドラちゃん」
「ふむそれは何よりだ。して彼奴はなんで地上におるのだ?確か前に危険だからといってもう2度と出さないという話じゃったが…」
「あれぇ?そうだっけ?」
「マスター…」
アドラはわざとらしく首をかしげるランスをかわいそうなものを見る目で見据える。
俺とミアはその隣へと歩いていく。
「さっきから見てたがランスお前何やってんだ?」
「あ、エギル君とミアちゃん逃げてなかったんだね〜」
「ああ、お前の馬鹿さ加減を見てたら逃げるのが遅れた。こんなめんどくさいのに巻き込まれると知ってたら逃げてたと今でも後悔してるよ」
「そうだよー。ランスこれなんなの?」
ランスはさっきからグログロと叫び暴れまわっている獣を見る。
「いや〜前に暴走してもう出さないって決めてたんだけど闘気込めたら理性を取り戻して静かになるかなって思ったんだけど…ダメだったねテヘペロ」
ランスは可愛らしく下を出す。
「可愛くねえからやめろ!…いやお前の顔自体は女だとしたら可愛い方だが…とにかくやめろ!」
「お前ら!なんで逃げてないんだ!アダドーロ以外は逃げろといっただろう!」
担任がこちらに気づき駆けつける。
「ルーカス!ミア!早く避難しろ!アダドーロは早くあいつを元に戻せ!」
「いや〜先生それがですね〜。僕のゾンビ達って自分の意思で勝手に戻るから強制的に戻せないんですよ〜ね〜アドラちゃん」
「うむ。強制的に戻したいのであれば其奴の魔力をすっからかんにするしかないが…あれは妾でもなかなか厳しいぞ?」
「なんかすごい奴なの?」
「ミアよ。すごいなんてものではない。彼奴は妾と同じ時代を生きた悪魔の従魔 ヴァンパイアビースト。成龍の何体かは奴に殺されてしまった。妾の今の力では勝てるかどうか…」
アドラは目を細め腕を組む。
俺とミア、ランスは歩みアドラの隣に立つ。
「皆の者?」
「元はと言えば僕の責任だしね〜。アドラちゃん1人に任せようなんて言わないよ〜」
「そうだぞランス。元はと言えば全部お前の責任だ。だからお前はみんなの肉壁になれ。それが1番賢明な判断だ」
「あれ〜?エギル君ってそんなこと言う人だったっけ?」
「冗談だ。みんなで協力するんだろ?」
「そうだよ!みんなで協力すれば怖くないよ!ね!エギル!」
「そうだなミア」
「ふふふ…くははは!だからお主達についていくのだ!お主達といると面白いことしかない!」
「よし。じゃあ行くか」
俺は両手の指輪に闘気と魔力を込めると小手とコートが出現し俺を包み込む。
それと同時に4人全員が四方に飛び出す。
「な!?お前ら何やってんだ!死ぬ気か!?」
「グロロー!!!」
担任の叫びはヴァンパイアビーストの咆哮によってかき消され目の前の敵に集中した4人には届きさえしなかった。
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