努力という名の才能を手に異世界を生き抜く〜異世界チート?そんなのは必要ない!〜
入学試験
「ここでいいんだよな?」
「うん。ちゃんと学長室って書いてあるしここであってるね」
「よしじゃあ入るか」
俺は両開きの扉をノックする。すると中から若い少女の声で入っていいよーと聞こえてきた。
俺たちは互いに見合い首を傾げ不思議に思いながらも扉を開ける。
「よくきたな!話は聞いているぞ!」
「失礼します…ん?」
「失礼します…え?子、子供?」
俺とミアは中に入ると高級そうな椅子に座り子供には似合わない立派な眼鏡を付けた金髪のクリクリとした目が特徴的な女の子を見る。何度か目を瞑って開いてを繰り返しすが幻覚ではないようだ。
「子供とはなにか!子供とは!これでも私はれっきとした大人だだだ!ひ、ひたい!」
「こらリズ!眼鏡を返しなさい!それと何勝手に客と話してるの!」
椅子に座る子供の頬をつねり持ち上げる女性、見た目は金髪でつねっている女の子と容姿が似ている…と言うことは親子か何かだろう。目は少しつり上がっておりきつめな美人という感じだ。
女の子は涙目になりながら女性に謝る。
「ごめんなさい!痛いから離してくださいママ!」
「わかったらさっさと着替えて中等部に行きなさい!最近サボってばっかだったろ!学長の娘だからってそろそろ本当に学園やめさせるよ!」
「わかりました!さっさと着替えて行きます!」
女の子は眼鏡を外し椅子から飛び降りるとバタバタと不恰好な走りで部屋を出て行った。
「ふう、全く…あ、2人とも悪いね」
「大丈夫ですよ!」
「大丈夫です」
「そんな堅くならなくていい。いつも通り話しな。そこ座って」
俺とミアは言われた通りソファに腰をかける。女性は女の子から取り返した眼鏡をかけるとそのまま女の子が座っていた椅子に腰をかける。
「さてじゃあ私の自己紹介からしようか。私はティア、この学園の学長さ。よろしくねグラドの息子にウォレインの娘」
「!?…なんでお父さんのことを知ってるんですか?」
ティア学長はニコリと笑ってミアを見て何かを思い出し懐かしむ顔をする。
「わかるさ。私はグラドと友人でね。以前ウォレインと会ったことがあるのさ。とても面白いやつだったね。ははは」
ミアは笑っている学長の話を聞き顔をパッと明るくする。
「へー!他にもお父さんの話ってありますか?」
学長はニコニコしていた顔からゆっくりときつめの表情へと変える。その変化を見たミアは表情を暗くする。
「他にもあるにはあるが…今はその話より大事なことがあるだろ?」
「入学試験」
「正解だ。グラドの息子はわかってるな。じゃあ早速始めようか」
学長は机の上に無造作に置かれていた白いボタンを押し込む。すると床が音を出して揺れ出す。
「え?始めようってどこで…あわわ!エ、エギル!なんか床が揺れてる!」
ミアは揺れに驚き俺に抱きついてくる。腕に丁度いい大きさの柔らかいものがフニフニと当たったり離れたりする。
「ふむ…悪くない」
「なにが!?ちょっと変なこと考えてないでこれどうなってんのか考えてよ!」
「安心しな。グラドの息子とウォレインの娘が強けりゃ怪我なんかしないよ。ほら下降りるよ」
学長は床に開いた穴に飛び込む。穴を除くと先が見えず真っ暗だ。
「まあ行くしかないよな。ミア行くぞ」
「ヘ?ちょちょちょ!エギルまっ!キャアア!!!」
俺はミアをお姫様抱っこで抱き上げると穴に飛び込む。風がこの先は危険だから行くんじゃないと言っているかのように体にぶつかってくる。しばらく落ちていると下に光が見えて来た。
俺は足に闘気を込め地面に着地すると同時に膝を曲げ極力衝撃を減らす。
足が地面についた瞬間電撃が走ったかのように全身に衝撃が走る。
「イッ!いって…まあこんぐらいで済むのは闘気のおかげだな。本当に便利だよな」
俺は部屋を見渡す。いやそこは部屋とは言えないかもしれない。下は床ではなく土の地面であり壁の上には観客用なのか見渡す限り椅子だらけだ。
「エギル!いきなり担がないでよ!その…嬉しいけどびっくりするから…」
「悪かったよ。次からはちゃんと言ってからにする」
「うん…じゃあそろそろおろしてよ」
「ふふふ。グラドの息子にウォレインの娘。イチャイチャするのはいいがそろそろ始めるぞ?」
俺はミアを降ろすと構える。学長はそれを見て先ほどと同じくニコリと笑う。
「そんな焦らなくてもいい。試験は簡単だからね」
「なにをするんですか?」
「簡単さ。私がいいと言うまで私に全力で攻撃し続ける。それだけさ」
「それだけでいいんですか?」
なんでそんな簡単なことを?と俺とミアは考え込む。
学長は手でくいくいと俺たちを挑発してくる。
「ほら考えてるだけじゃあなにも始まらないだろ?かかってきな」
「わかりました…はっ!」
「お、最初はグラドの息子か。きな」
俺は地面を駆け拳を振るう。それを学長は余裕でかわす。
「な!?」
「どうした?それが全力か?私は全力でと言ったんだぞ」
「くそ!」
俺は闘気を込め両拳で目にも止まらない速さで学長へ向けて叩き込む。しかしそれさえも全て軽々と避けられる。
「そうだもっときな。ほらウォレインの娘もかかってきな。2対1だからって私は負けないよ」
「なんですかそれ!後悔しても知りませんよ!」
「ミア!来るなら全力で行け!こいつやばいぞ!」
「ふふふ…学長をこいつ呼ばわりか。面白いがこの学園の生徒になるからには躾もしとかないとかな」
「はああ!!!」
「ええい!!!」
俺とミアは攻撃を止めない。その乱打さえ一撃も学長にはカスリもしない。
俺はどうなってやがると悪態をつきながらも攻撃し続ける。
…
「ほらほら1時間たったぞ。まだ終わりじゃないからな」
「ハアハア…くそ!」
「ま、まだなのぉ〜?」
「まだまだだ。ほら2人ともふらついてきてるぞ。しっかりしろ」
「舐めんな!オラァ!」
…
「くらえー!!!」
「こ…このぉ〜…」
「あまいな。…よし三時間ぴったり、終了だ」
学長は俺とミアの攻撃を最後避けると終了と呟く。それと同時に俺とミアは崩れ落ちる。
「あー…つ、疲れた…」
「はひ〜…も、もうやりたく…ない」
「お疲れさん。試験の結果は速い方がいいよな?」
「もちろん」
「よしじゃあ合格な。今日は制服のサイズ測って帰っていいぞ。明日から学園こい。クラス後で教えるから」
倒れ込んでいた俺はガバッ!と勢いよく起き上がり目を見開きながら学長を見る。
「はぁ?速すぎないか?」
「そんなこと言われてもな。今ので試験も終わりだし合格範囲を満たしてるしなにも言うことはないんだよな」
「合格範囲ってなんですか?」
隣で寝転んでいたミアもゆっくりと起き上がり学長に質問する。
「1時間攻撃の手を休めることなく私に攻撃し続ける。それを三倍上回ったんだ。合格に決まってるだろう」
「試験だからなにも言わなかったがこれなんの意味があるんだ?」
「ふふふグラドの息子いい質問だ。だがそれを答える前にお前達に質問しよう。なにしに学園に来た?」
「世界を知るため」
「遊ぶため!」
学長は即答で出た俺たちの答えを聞き呆れた顔をする。
「お…グラドの息子の解答は中々だが…ウォレインの娘は即答で学園に来なくてもできることを言ったのか…まあいいか。いいか?この学園にはこの先戦争で最前線に立つもの達が集まりそれぞれを磨きあっている。その中で1番大事なものは技でも強さでもない。戦争をし続ける忍耐力とそれを続けてもなお折れない精神力を持つことが必要だ。だからまずは元からそれらを持っているもの達が必要なんだよ。この試験はそのための内容なのさ」
学長は話を終わらすと右手を俺たちに向ける。
「とう言うわけで君たちは見事合格ということだ。ようこそアカデメイア学園へ。私は学長として…私個人として君たちを歓迎しよう」
俺とミアは順番に軽く握手する。
「よろしくお願いします!」
「学長さんよろ」
「ふふふグラドの息子は後できっちり躾けてやるから覚悟しとけよ」
学長に制服のサイズ測りを行う場所まで連れて行ってもらいそれぞれサイズを測り終わると俺とミアは生徒手帳の代わりという赤色のカードを受け取り学園を後にした。
明日からは生徒としてこの学園の門を通るのだろうな。
「うん。ちゃんと学長室って書いてあるしここであってるね」
「よしじゃあ入るか」
俺は両開きの扉をノックする。すると中から若い少女の声で入っていいよーと聞こえてきた。
俺たちは互いに見合い首を傾げ不思議に思いながらも扉を開ける。
「よくきたな!話は聞いているぞ!」
「失礼します…ん?」
「失礼します…え?子、子供?」
俺とミアは中に入ると高級そうな椅子に座り子供には似合わない立派な眼鏡を付けた金髪のクリクリとした目が特徴的な女の子を見る。何度か目を瞑って開いてを繰り返しすが幻覚ではないようだ。
「子供とはなにか!子供とは!これでも私はれっきとした大人だだだ!ひ、ひたい!」
「こらリズ!眼鏡を返しなさい!それと何勝手に客と話してるの!」
椅子に座る子供の頬をつねり持ち上げる女性、見た目は金髪でつねっている女の子と容姿が似ている…と言うことは親子か何かだろう。目は少しつり上がっておりきつめな美人という感じだ。
女の子は涙目になりながら女性に謝る。
「ごめんなさい!痛いから離してくださいママ!」
「わかったらさっさと着替えて中等部に行きなさい!最近サボってばっかだったろ!学長の娘だからってそろそろ本当に学園やめさせるよ!」
「わかりました!さっさと着替えて行きます!」
女の子は眼鏡を外し椅子から飛び降りるとバタバタと不恰好な走りで部屋を出て行った。
「ふう、全く…あ、2人とも悪いね」
「大丈夫ですよ!」
「大丈夫です」
「そんな堅くならなくていい。いつも通り話しな。そこ座って」
俺とミアは言われた通りソファに腰をかける。女性は女の子から取り返した眼鏡をかけるとそのまま女の子が座っていた椅子に腰をかける。
「さてじゃあ私の自己紹介からしようか。私はティア、この学園の学長さ。よろしくねグラドの息子にウォレインの娘」
「!?…なんでお父さんのことを知ってるんですか?」
ティア学長はニコリと笑ってミアを見て何かを思い出し懐かしむ顔をする。
「わかるさ。私はグラドと友人でね。以前ウォレインと会ったことがあるのさ。とても面白いやつだったね。ははは」
ミアは笑っている学長の話を聞き顔をパッと明るくする。
「へー!他にもお父さんの話ってありますか?」
学長はニコニコしていた顔からゆっくりときつめの表情へと変える。その変化を見たミアは表情を暗くする。
「他にもあるにはあるが…今はその話より大事なことがあるだろ?」
「入学試験」
「正解だ。グラドの息子はわかってるな。じゃあ早速始めようか」
学長は机の上に無造作に置かれていた白いボタンを押し込む。すると床が音を出して揺れ出す。
「え?始めようってどこで…あわわ!エ、エギル!なんか床が揺れてる!」
ミアは揺れに驚き俺に抱きついてくる。腕に丁度いい大きさの柔らかいものがフニフニと当たったり離れたりする。
「ふむ…悪くない」
「なにが!?ちょっと変なこと考えてないでこれどうなってんのか考えてよ!」
「安心しな。グラドの息子とウォレインの娘が強けりゃ怪我なんかしないよ。ほら下降りるよ」
学長は床に開いた穴に飛び込む。穴を除くと先が見えず真っ暗だ。
「まあ行くしかないよな。ミア行くぞ」
「ヘ?ちょちょちょ!エギルまっ!キャアア!!!」
俺はミアをお姫様抱っこで抱き上げると穴に飛び込む。風がこの先は危険だから行くんじゃないと言っているかのように体にぶつかってくる。しばらく落ちていると下に光が見えて来た。
俺は足に闘気を込め地面に着地すると同時に膝を曲げ極力衝撃を減らす。
足が地面についた瞬間電撃が走ったかのように全身に衝撃が走る。
「イッ!いって…まあこんぐらいで済むのは闘気のおかげだな。本当に便利だよな」
俺は部屋を見渡す。いやそこは部屋とは言えないかもしれない。下は床ではなく土の地面であり壁の上には観客用なのか見渡す限り椅子だらけだ。
「エギル!いきなり担がないでよ!その…嬉しいけどびっくりするから…」
「悪かったよ。次からはちゃんと言ってからにする」
「うん…じゃあそろそろおろしてよ」
「ふふふ。グラドの息子にウォレインの娘。イチャイチャするのはいいがそろそろ始めるぞ?」
俺はミアを降ろすと構える。学長はそれを見て先ほどと同じくニコリと笑う。
「そんな焦らなくてもいい。試験は簡単だからね」
「なにをするんですか?」
「簡単さ。私がいいと言うまで私に全力で攻撃し続ける。それだけさ」
「それだけでいいんですか?」
なんでそんな簡単なことを?と俺とミアは考え込む。
学長は手でくいくいと俺たちを挑発してくる。
「ほら考えてるだけじゃあなにも始まらないだろ?かかってきな」
「わかりました…はっ!」
「お、最初はグラドの息子か。きな」
俺は地面を駆け拳を振るう。それを学長は余裕でかわす。
「な!?」
「どうした?それが全力か?私は全力でと言ったんだぞ」
「くそ!」
俺は闘気を込め両拳で目にも止まらない速さで学長へ向けて叩き込む。しかしそれさえも全て軽々と避けられる。
「そうだもっときな。ほらウォレインの娘もかかってきな。2対1だからって私は負けないよ」
「なんですかそれ!後悔しても知りませんよ!」
「ミア!来るなら全力で行け!こいつやばいぞ!」
「ふふふ…学長をこいつ呼ばわりか。面白いがこの学園の生徒になるからには躾もしとかないとかな」
「はああ!!!」
「ええい!!!」
俺とミアは攻撃を止めない。その乱打さえ一撃も学長にはカスリもしない。
俺はどうなってやがると悪態をつきながらも攻撃し続ける。
…
「ほらほら1時間たったぞ。まだ終わりじゃないからな」
「ハアハア…くそ!」
「ま、まだなのぉ〜?」
「まだまだだ。ほら2人ともふらついてきてるぞ。しっかりしろ」
「舐めんな!オラァ!」
…
「くらえー!!!」
「こ…このぉ〜…」
「あまいな。…よし三時間ぴったり、終了だ」
学長は俺とミアの攻撃を最後避けると終了と呟く。それと同時に俺とミアは崩れ落ちる。
「あー…つ、疲れた…」
「はひ〜…も、もうやりたく…ない」
「お疲れさん。試験の結果は速い方がいいよな?」
「もちろん」
「よしじゃあ合格な。今日は制服のサイズ測って帰っていいぞ。明日から学園こい。クラス後で教えるから」
倒れ込んでいた俺はガバッ!と勢いよく起き上がり目を見開きながら学長を見る。
「はぁ?速すぎないか?」
「そんなこと言われてもな。今ので試験も終わりだし合格範囲を満たしてるしなにも言うことはないんだよな」
「合格範囲ってなんですか?」
隣で寝転んでいたミアもゆっくりと起き上がり学長に質問する。
「1時間攻撃の手を休めることなく私に攻撃し続ける。それを三倍上回ったんだ。合格に決まってるだろう」
「試験だからなにも言わなかったがこれなんの意味があるんだ?」
「ふふふグラドの息子いい質問だ。だがそれを答える前にお前達に質問しよう。なにしに学園に来た?」
「世界を知るため」
「遊ぶため!」
学長は即答で出た俺たちの答えを聞き呆れた顔をする。
「お…グラドの息子の解答は中々だが…ウォレインの娘は即答で学園に来なくてもできることを言ったのか…まあいいか。いいか?この学園にはこの先戦争で最前線に立つもの達が集まりそれぞれを磨きあっている。その中で1番大事なものは技でも強さでもない。戦争をし続ける忍耐力とそれを続けてもなお折れない精神力を持つことが必要だ。だからまずは元からそれらを持っているもの達が必要なんだよ。この試験はそのための内容なのさ」
学長は話を終わらすと右手を俺たちに向ける。
「とう言うわけで君たちは見事合格ということだ。ようこそアカデメイア学園へ。私は学長として…私個人として君たちを歓迎しよう」
俺とミアは順番に軽く握手する。
「よろしくお願いします!」
「学長さんよろ」
「ふふふグラドの息子は後できっちり躾けてやるから覚悟しとけよ」
学長に制服のサイズ測りを行う場所まで連れて行ってもらいそれぞれサイズを測り終わると俺とミアは生徒手帳の代わりという赤色のカードを受け取り学園を後にした。
明日からは生徒としてこの学園の門を通るのだろうな。
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