努力という名の才能を手に異世界を生き抜く〜異世界チート?そんなのは必要ない!〜
洗脳 1
「ここか…」
俺はテストロの家だと思われる家で立ち止まる。
扉は強引に破壊されておりいつでも入れる状態だ。
嫌な予感がする。
俺は中へ入ろうと歩き出す。
「あれ?ギルか?何してるんだこんな夜更けに」
「…父さん?」
声をかけられ振り返ると重装備の親父と剣を腰に下げるカシムスの2人が立っていた。
「父さんたちこそ何やってるんですか?」
「実はな…」
親父が話そうとすると横からカシムスが割って入る。
「エリザベス様をフランギール公爵が襲ったんだがどうもフランギール公爵が城に来る前にテストロと何度かあっていたと情報があってな。ここにきたんだが…なんで扉が破壊されてるんだ?」
カシムスはテストロの家を覗く。
「ああ、ミアが壊したんだろう」
「ん?なんでミアちゃんがここに?」
俺は親父とカシムスに今まで起きたことを全て説明する。
「なんだと!?そういうことなら早く行くぞギル!よくも俺の娘を!」
親父はガッチャガッチャと鎧を鳴らし走って行く。
「エギル!僕たちも行くぞ!」
「最初からそのつもりだったよ」
俺とカシムスも親父に続き家の中へ入って行く。
家の中はいたって普通の貴族の家という感じがする。
しかし人の気配が全くしない…一言で言うと不気味だ。
俺たちは一つ一つの部屋を調べながら走って行く。
奥まで行くと黒い重量感のある禍々しい扉を見つける。
「ここっぽいな」
「そうだな。よしここは俺が先導する。ギルとカシムス君は俺についてこい」
「わかりました」
「はい、グラドさん」
親父は黒い扉を慎重に開け中を進んで行く。
親父、俺、カシムスの順で暗い廊下を歩いて行く。
歩いて行くと明るい部屋へとたどり着いた。
「ここは?」
「ブフフ。パーティぶりだねエギル君、カシムス君…あとガラドさんだっけ?」
「グラドだ。いや名前はどうでもいいな…おい貴様、娘とミアちゃんはどこだ?」
親父は殺気を放ちテストロを睨みつける。
関係のないこちらも緊張するほどの殺気だ。
「怖い怖い。安心しなよ2人とも傷ひとつつけてないさ。まだね…ブフフ」
「貴様!今すぐ娘たちを返せ!」
「ブフフ!落ち着きなよ。ほら2人とも呼んであげるからさ。おい」
テストロの声に反応してテストロの奴隷の2人がミアとレイナを連れて来る。
レイナは布で口を塞がれており話そうとしても篭った声しか出てこないようだ。
「んー!んー!」
「……」
「レイナ!ミアちゃん!貴様2人を解放しろ!」
「ブフフわかったよ。だからそんな怒鳴らないでくれる?グラムさん」
「グラドだ!」
親父はいちいち小馬鹿にされ苛立っているようだ。
俺は親父の肩に手を置く。
「ギル?」
「父さん落ち着いてください。相手に乗せられてはダメです」
「あ、ああすまん」
「とにかく今は2人の奪還が先です。カシムス戦えるか?」
「ああ、あまり役には立てないと思うが…」
カシムスは自信なさげに腰の剣を触る。
「戦力は少しでも欲しいところだ。ある程度戦えるならそれでいい。父さん、カシムス、2人でテストロと奴隷たちの注意を引きつけてくれ。俺が2人を解放する」
「いや、引きつけ役は僕1人でいい。グラドさんも2人の救出を手伝ってください」
「大丈夫なのかい?カシムス君」
「ええ、足には自信はありますよ」
「わかった。じゃあ父さん行きましょう」
「ああ」
俺と親父は二手に分かれる。
「んー?何をするのかな?」
テストロは余裕そうに笑う。
そんなテストロに向かってカシムスは剣を抜き走り出す。
「ハァァ!」
「ブフフ!無駄無駄…おいカス」
「「はい」」
テストロに向かっていったカシムスの目の前にカスと呼ばれた男が立ちふさがる。
「なんの!」
カシムスはなんの迷いもなく剣を振るう。
しかしそれは地面から飛び出てきた岩の壁によって遮られる。
「何!?無詠唱だと!そんなことが…グゥ!」
カシムスが驚き手が止まると横からスパイク付きの鉄棍棒が飛んで来る。
カシムスは数メートル吹っ飛ぶと体制を立て直し立ち上がる。
「ぐふっ…ど、どこから」
カストロは棍棒が飛んできた方向を向くと鬼人族の男が手に棍棒を持ち生気の感じられない目でカシムスを見ている。
「…マスターには触れさせられない。…それが俺への命令だ…」
「ブフフ!いいぞナイスだ!ゴミ!」
テストロは手を大げさに叩く。
ゴミと呼ばれた鬼人族は棍棒を持ち上げカシムスへ駆け出す。
カシムスも剣を構える。
「いいだろう!かかってこい僕が相手だ!」
ギィン!
剣と棍棒がぶつかり合い火花が飛び散る。
……
「父さん!今のうちに!」
「ああ!レイナは任せろ!」
親父と俺は走り出し親父はダークエルフの女が捕まえているレイナを俺はエルフの男が捕まえているミアへとそれぞれ向かう。
「はあ!」
「グ…」
俺はエルフ向けて拳を肩はたたき込むとミアから離れる。
俺は案外簡単だったなと安心しミアを抱きしめ後ろへ下がる。
横を見ると無事親父もレイナを解放できたようだ。
「ミア!大丈夫か?…ミア?」
「………」
ミアの目を見ると虚ろな目をしている。
この目…あの奴隷たちの目と似ている。
「エギル兄様!猫さんはおかしくなってるんです!」
「レイナ?グア!」
俺は後ろからレイナの珍しい大声が聞こえ振り向くと同時に脇腹へ鋭い蹴りを入れられる。
俺は何度か耐え蹴りを入れられた方向を見る。
「う…ミ、ミア?」
「…ご主人様の邪魔をする奴は…排除」
ミアは手に闘気を込め爪を作り出し俺へと振り下ろす。
俺は攻撃を避けながらテストロを睨みつけ叫ぶ。
「くっ…テストロ!ミアに何をした!」
「ブヒャヒャヒャ!予想通りの反応をしてくれて嬉しいよエギル君!」
テストロは腹を抱えて笑い出す。
「答えやがれ!」
「ブヒャヒャヒャ…いいよ面白いもの見せてもらってるし教えてあげるよ。魔王の…いや今はぼくのか。ぼくのもらった能力の力でね。洗脳眼って言うんだ。ぼくの右目は特殊な魔眼になっていてね対象と認識した相手を軽い催眠状態にして洗脳するのさ。でもこれが面倒でね洗脳できるのは6人まで、しかも6人洗脳すると催眠がちょっと弱くなって時々勝手に元に戻ったりするんだよ。まあ今は5人しか洗脳してないから関係ないけどね」
理解できたかなぁ?と俺を煽るように見てくる。
つまりはミアは今は洗脳状態…どうすれば治せるのだろうか?
考えているとどんどんミアの攻撃の速さが上がっていく。
今までは軽く受け流せる程度の速さと強さだったがもうそれもできないほどになっている。
く…身体能力2倍を使ったか
「ミア!目を覚ませ!」
「…排除…排除…排除」
「くそ!」
俺は何か方法がないかと周りを見渡す。
カシムスは鬼人族の男と一対一で戦っており、親父はレイナを守りながら奴隷4人と戦っている。
2人とも苦戦しているようだ。
「グァ!!!」
俺は肩に刺され仰け反ってしまったところを蹴りを入れられ吹き飛ぶ。
「ミ、ミア…やめろ…」
「…排除…排除…排除」
どうすればいいんだ
ミアを戻す方法はないのか?
俺は絶望を感じながらミアを見る。
するとミアの目から涙が出ているのが見えた。
「ミア?」
「…は、はい…じょ…はい…じょ…」
そうか…ミアも戦っているのか。
なら俺が先に凹んでちゃダメか…
俺は立ち上がりミアに向けて叫ぶ。
「ミア!待ってろ!今解放してやる!」
俺はテストロの家だと思われる家で立ち止まる。
扉は強引に破壊されておりいつでも入れる状態だ。
嫌な予感がする。
俺は中へ入ろうと歩き出す。
「あれ?ギルか?何してるんだこんな夜更けに」
「…父さん?」
声をかけられ振り返ると重装備の親父と剣を腰に下げるカシムスの2人が立っていた。
「父さんたちこそ何やってるんですか?」
「実はな…」
親父が話そうとすると横からカシムスが割って入る。
「エリザベス様をフランギール公爵が襲ったんだがどうもフランギール公爵が城に来る前にテストロと何度かあっていたと情報があってな。ここにきたんだが…なんで扉が破壊されてるんだ?」
カシムスはテストロの家を覗く。
「ああ、ミアが壊したんだろう」
「ん?なんでミアちゃんがここに?」
俺は親父とカシムスに今まで起きたことを全て説明する。
「なんだと!?そういうことなら早く行くぞギル!よくも俺の娘を!」
親父はガッチャガッチャと鎧を鳴らし走って行く。
「エギル!僕たちも行くぞ!」
「最初からそのつもりだったよ」
俺とカシムスも親父に続き家の中へ入って行く。
家の中はいたって普通の貴族の家という感じがする。
しかし人の気配が全くしない…一言で言うと不気味だ。
俺たちは一つ一つの部屋を調べながら走って行く。
奥まで行くと黒い重量感のある禍々しい扉を見つける。
「ここっぽいな」
「そうだな。よしここは俺が先導する。ギルとカシムス君は俺についてこい」
「わかりました」
「はい、グラドさん」
親父は黒い扉を慎重に開け中を進んで行く。
親父、俺、カシムスの順で暗い廊下を歩いて行く。
歩いて行くと明るい部屋へとたどり着いた。
「ここは?」
「ブフフ。パーティぶりだねエギル君、カシムス君…あとガラドさんだっけ?」
「グラドだ。いや名前はどうでもいいな…おい貴様、娘とミアちゃんはどこだ?」
親父は殺気を放ちテストロを睨みつける。
関係のないこちらも緊張するほどの殺気だ。
「怖い怖い。安心しなよ2人とも傷ひとつつけてないさ。まだね…ブフフ」
「貴様!今すぐ娘たちを返せ!」
「ブフフ!落ち着きなよ。ほら2人とも呼んであげるからさ。おい」
テストロの声に反応してテストロの奴隷の2人がミアとレイナを連れて来る。
レイナは布で口を塞がれており話そうとしても篭った声しか出てこないようだ。
「んー!んー!」
「……」
「レイナ!ミアちゃん!貴様2人を解放しろ!」
「ブフフわかったよ。だからそんな怒鳴らないでくれる?グラムさん」
「グラドだ!」
親父はいちいち小馬鹿にされ苛立っているようだ。
俺は親父の肩に手を置く。
「ギル?」
「父さん落ち着いてください。相手に乗せられてはダメです」
「あ、ああすまん」
「とにかく今は2人の奪還が先です。カシムス戦えるか?」
「ああ、あまり役には立てないと思うが…」
カシムスは自信なさげに腰の剣を触る。
「戦力は少しでも欲しいところだ。ある程度戦えるならそれでいい。父さん、カシムス、2人でテストロと奴隷たちの注意を引きつけてくれ。俺が2人を解放する」
「いや、引きつけ役は僕1人でいい。グラドさんも2人の救出を手伝ってください」
「大丈夫なのかい?カシムス君」
「ええ、足には自信はありますよ」
「わかった。じゃあ父さん行きましょう」
「ああ」
俺と親父は二手に分かれる。
「んー?何をするのかな?」
テストロは余裕そうに笑う。
そんなテストロに向かってカシムスは剣を抜き走り出す。
「ハァァ!」
「ブフフ!無駄無駄…おいカス」
「「はい」」
テストロに向かっていったカシムスの目の前にカスと呼ばれた男が立ちふさがる。
「なんの!」
カシムスはなんの迷いもなく剣を振るう。
しかしそれは地面から飛び出てきた岩の壁によって遮られる。
「何!?無詠唱だと!そんなことが…グゥ!」
カシムスが驚き手が止まると横からスパイク付きの鉄棍棒が飛んで来る。
カシムスは数メートル吹っ飛ぶと体制を立て直し立ち上がる。
「ぐふっ…ど、どこから」
カストロは棍棒が飛んできた方向を向くと鬼人族の男が手に棍棒を持ち生気の感じられない目でカシムスを見ている。
「…マスターには触れさせられない。…それが俺への命令だ…」
「ブフフ!いいぞナイスだ!ゴミ!」
テストロは手を大げさに叩く。
ゴミと呼ばれた鬼人族は棍棒を持ち上げカシムスへ駆け出す。
カシムスも剣を構える。
「いいだろう!かかってこい僕が相手だ!」
ギィン!
剣と棍棒がぶつかり合い火花が飛び散る。
……
「父さん!今のうちに!」
「ああ!レイナは任せろ!」
親父と俺は走り出し親父はダークエルフの女が捕まえているレイナを俺はエルフの男が捕まえているミアへとそれぞれ向かう。
「はあ!」
「グ…」
俺はエルフ向けて拳を肩はたたき込むとミアから離れる。
俺は案外簡単だったなと安心しミアを抱きしめ後ろへ下がる。
横を見ると無事親父もレイナを解放できたようだ。
「ミア!大丈夫か?…ミア?」
「………」
ミアの目を見ると虚ろな目をしている。
この目…あの奴隷たちの目と似ている。
「エギル兄様!猫さんはおかしくなってるんです!」
「レイナ?グア!」
俺は後ろからレイナの珍しい大声が聞こえ振り向くと同時に脇腹へ鋭い蹴りを入れられる。
俺は何度か耐え蹴りを入れられた方向を見る。
「う…ミ、ミア?」
「…ご主人様の邪魔をする奴は…排除」
ミアは手に闘気を込め爪を作り出し俺へと振り下ろす。
俺は攻撃を避けながらテストロを睨みつけ叫ぶ。
「くっ…テストロ!ミアに何をした!」
「ブヒャヒャヒャ!予想通りの反応をしてくれて嬉しいよエギル君!」
テストロは腹を抱えて笑い出す。
「答えやがれ!」
「ブヒャヒャヒャ…いいよ面白いもの見せてもらってるし教えてあげるよ。魔王の…いや今はぼくのか。ぼくのもらった能力の力でね。洗脳眼って言うんだ。ぼくの右目は特殊な魔眼になっていてね対象と認識した相手を軽い催眠状態にして洗脳するのさ。でもこれが面倒でね洗脳できるのは6人まで、しかも6人洗脳すると催眠がちょっと弱くなって時々勝手に元に戻ったりするんだよ。まあ今は5人しか洗脳してないから関係ないけどね」
理解できたかなぁ?と俺を煽るように見てくる。
つまりはミアは今は洗脳状態…どうすれば治せるのだろうか?
考えているとどんどんミアの攻撃の速さが上がっていく。
今までは軽く受け流せる程度の速さと強さだったがもうそれもできないほどになっている。
く…身体能力2倍を使ったか
「ミア!目を覚ませ!」
「…排除…排除…排除」
「くそ!」
俺は何か方法がないかと周りを見渡す。
カシムスは鬼人族の男と一対一で戦っており、親父はレイナを守りながら奴隷4人と戦っている。
2人とも苦戦しているようだ。
「グァ!!!」
俺は肩に刺され仰け反ってしまったところを蹴りを入れられ吹き飛ぶ。
「ミ、ミア…やめろ…」
「…排除…排除…排除」
どうすればいいんだ
ミアを戻す方法はないのか?
俺は絶望を感じながらミアを見る。
するとミアの目から涙が出ているのが見えた。
「ミア?」
「…は、はい…じょ…はい…じょ…」
そうか…ミアも戦っているのか。
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