努力という名の才能を手に異世界を生き抜く〜異世界チート?そんなのは必要ない!〜
ゾンビって何?あれだよあれ腐ってるやつ
「じゃ、出発しますか」
「そうだね」
「全く誰かさんがたかか着替えで何時間もかけるから出発時間遅くなったなー」
俺は歩きながら頭の上で両手を組む。
「エギルが着替えを覗こうとするからでしょ!このムッツリスケベ!」
「なんだと!逆に覗かない方がどうかしてるわ!そんなの天竺が目の前にあるのに一向に入らない三蔵一行と同じだぞ!」
「何わけわかんないこと言ってんのよ!…エギル…」
「いいか?そもそも覗きというのはな古代ローマの頃からすでに存在しており…」
「エギルそんなのどうでもいいわよ!…あれ何?」
「あれって?」
ミアはさっきまでの怒っていた顔から変わり俺の後ろを見ながら不思議そうな顔をする。
俺も振り向き見て見るとそこには…
「なんだあれ?」
「わからないわよ」
そこにはフラフラと歩く人がいた。
いやあれは人ではない。
足は確かにあるが片腕は腐ってなくなっており片目も飛び出て歩くごとにプラプラと揺れている。
そうあれはどう考えてもあれだろう。
「あれって…ゾンビだよな?」
そうゾンビだ。
こんな日中にゾンビが元気そうに歩いているのだ。
「…ゾンビってなんだっけ?」
「あれだよあれ…腐ってるやつ」
「ああー…ゾンビってこんな日中に歩くものなの?」
「俺と同じ意見で嬉しいよ…あ、こっちむいたゾンビ」
「本当だ」
俺たちが眺めているとゾンビはこちらに気づき動きを止める。
「…おい、全然動かないゾンビ。こっちから挨拶した方がいいんじゃないゾンビ」
「ゾンビに挨拶って何よ。あとさっきから語尾にゾンビつけてるけどやめて。無性に殴りたくなるわ」
「はいすいません。あ、こっち向かってきた」
ゾンビはゆっくりとこちらに近づいてくる。
ゆっくりゆっくりと歩く。
「なんでこっちにくるの?」
「きっと挨拶してくれるんだよ。ほらゾンビになる前はしっかり者だったとか」
「そんなわけないでしょ。…ねえどんどん速くなってるんだけど」
ミアの言う通りゾンビは少しずつスピードが上がってくる。
「これ逃げた方が良くない?」
「…ふん!」ダッ!
「あ!なんで男が先に逃げるのよ!普通は女を守っていくものでしょう!」
俺は振り返りゾンビの反対方向に陸上選手顔負けの速さで走っていく。
ミアもそのスピードについてきてなんか叫んでいる。
「知るか!俺はお化け屋敷とか映画とか作り物なら大丈夫だが本物のグロはダメなんだよ!」
「さっきまで余裕そうだったじゃない!って前にもたくさんいるんだけど!?」
「へ?…ファー!!!?」
ミアから目線を外し前を見るとそこにはフラフラと歩くゾンビが何十体もいた。
ゾンビたちは俺たちに気づき走り出す。
「反対方向だ!逃げるぞ!」
「ダメよ!反対も同じくらいきてるわ!」
「な、なにー!」
俺たちは立ち止まり周りを見渡す。
どこにも逃げ道はなく俺たちの周りには何十体ものゾンビが取り囲んだ。
「エギル!どうするのよ!」
「フヒャヒャ!ゾンビだ…ゾンビ祭りだー!」
「壊れてる場合!?」
俺は少し冷静になり考える。
その間でもゾンビはじりじりとにじり寄ってくる。
そもそもこの世界に魔物なんて存在しないはずだ。
なのになんでゾンビなんていう魔物が存在する?
そんな事例本を読んでもなかった。
…つまり
「これはゾンビだー!フヒャヒャ!」
「1人でなにやってるのよ!」
俺が笑い狂いミアがそれをブンブンと揺らし正気に戻そうとしているとゾンビの群れの中から人の声が聞こえた。
「あれ?僕のフレンズとハニー達なんでこんなところで集まってるんだい?僕はここだよ!さあ!僕に飛び込んできな!」
その声が聞こえると同時に取り囲んでいたゾンビ集団はその声の元に群がっていく。
「あはは!かわいいな〜!みんな!こらこら噛まないの。くすぐったいだろ?ちょ、みんながっつかす…ぎ…」
その声の主はゾンビに押しつぶされながら何か言っている。
「なにぼーっとしてるのよ!あの人助けるわよ!」
「え?嫌だよゾンビ怖いもん。それにあの人だって楽しそうだから大丈夫だよ」
「なにが大丈夫よ!あの人手しか見えてないじゃない!手だけでなにが判断できるのよ!」
「大丈夫大丈夫。ほらグットサインしてるじゃん」
「あれは痙攣してるだけでしょ!」
「…あ、あのー…そ…そろそろ…たす…ケ………」
「あ、動かなくなった」
「ほら!いくよ!」
「えー」
俺はミアに引っ張られ無理やり手助けさせられる。
うわ、ゾンビ肌ブヨってしたんだけど…
俺とミアでゾンビを放り投げ埋まってた人を救出する。
「あのー大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫ですよ」
「そうですかー。よかったですね」
「ええ、あなた達のおかげで助かりましたよ」
そう言って男は立ち上がる。
その男は紫色の髪をしており紫のローブを着て全身紫一色だ。
しかし顔は幼さを残した可愛らしい顔をしている。
…女装とか似合いそうだな
「いや〜本当に助かりましたよ。僕のフレンズ達はみんな積極的すぎて困りますよ〜。本当に感謝してますよ。生身の人間の割に僕のためによく役立ってくれました」
男はニコッと可愛らしい笑みを浮かべる。
…ンン?何かこいつの口から変な文が聞こえたんだが気のせいか?
ミアをチラッと見ると何かを察したような顔をしている。
…ああ〜まじか、この言葉遣いに妙に生き物を拒絶するような発言、そしてゾンビというオカルトを喜んで受け止めている…間違いない奴だ。
「…お前…稲田だろ」
「あれ?なんで僕の前世の名前を知ってるんでしょうか?あ!もしかしてあなたも転生した方なのでしょうか?」
稲田は驚いたようにこちらを見てくる。
稲田 霊太…オカルト部部長。心霊現象や神話をこよなく愛する変人。
なぜか生き物に対しては口が悪い。
「察しが良くて助かるよ」
「へー…まあ僕はそんなことどうでもいいんですけどね。僕は生きてる物には興味ないですし」
「そういうと思ったよ。ミア、先を行くぞ」
「え!この人は置いて行くの!?同じ転生者なのに」
「いいんだよ。こいつはそういう奴だからな」
あいつのことは珍しいタイプの人間だったからよく観察してたがとても友人にいやそれ以前に話すことすら困難だろう。
「このゾンビ達だって所詮稲田が死んだ生き物の体使って遊んでただけだろ。こんなアホらしいのには付き合わなくていいんだよ」
「ちょっと待ちなよ」
「え?」
俺が街に向かって歩き出そうとすると突然稲田が俺の肩を掴んできた。
目に怒りを見せながら
「その言い方はちょっとムカつくね。僕がフレンズ達を使って遊んでた?違うよ!僕がフレンズ達に遊ばれていたんだよ!」
「そっち!?」
ミアのツッコミを無視して稲田が続ける。
「それにアホだって?僕のフレンズ達がアホだって!?許せない…許せないよ!君はここで僕のフレンズ達が倒してくれる!」
「なんか話噛み合ってなくね!?」
「問答無用だ!」
稲田は俺を突き放し後ろに下がる。
「カモーーン!!!フッレーンズ!」
稲田が叫ぶと地面からゾンビどもが呻き声を上げ這い出てくる。
「きもっ!無理無理無理!!ミア!どうしよう!」
「どうしようって半分はエギルのせいでしょ!…もう半分はあの人の頭の出来のせいだけど…とにかく!エギルがなんとかしなさいよ!」
「ハァ!?ミア本気で言ってんのか!」
「ほら!来るわよ!もう!一緒に戦ってあげるから我慢して戦いなさいよ!」
ミアの言うとおりゾンビ達はどんどん近づいてくる。
俺は覚悟を決める。
「ああ!もうわかったよ!やりますよ!」
「さっすがエギル。やるときはやるわね。…そこがかっこいいのかな?」
「なんかいったか?」
「なんでもないわよ。ほら来るわよ!」
「さあ〜!フレンズ達!そこのおもちゃで遊べるだけ遊んでいいよ!」
俺は両手の指輪に魔力と闘気を同時に込める。
「装着!ウォルフ・ガブトレット!」
「そうだね」
「全く誰かさんがたかか着替えで何時間もかけるから出発時間遅くなったなー」
俺は歩きながら頭の上で両手を組む。
「エギルが着替えを覗こうとするからでしょ!このムッツリスケベ!」
「なんだと!逆に覗かない方がどうかしてるわ!そんなの天竺が目の前にあるのに一向に入らない三蔵一行と同じだぞ!」
「何わけわかんないこと言ってんのよ!…エギル…」
「いいか?そもそも覗きというのはな古代ローマの頃からすでに存在しており…」
「エギルそんなのどうでもいいわよ!…あれ何?」
「あれって?」
ミアはさっきまでの怒っていた顔から変わり俺の後ろを見ながら不思議そうな顔をする。
俺も振り向き見て見るとそこには…
「なんだあれ?」
「わからないわよ」
そこにはフラフラと歩く人がいた。
いやあれは人ではない。
足は確かにあるが片腕は腐ってなくなっており片目も飛び出て歩くごとにプラプラと揺れている。
そうあれはどう考えてもあれだろう。
「あれって…ゾンビだよな?」
そうゾンビだ。
こんな日中にゾンビが元気そうに歩いているのだ。
「…ゾンビってなんだっけ?」
「あれだよあれ…腐ってるやつ」
「ああー…ゾンビってこんな日中に歩くものなの?」
「俺と同じ意見で嬉しいよ…あ、こっちむいたゾンビ」
「本当だ」
俺たちが眺めているとゾンビはこちらに気づき動きを止める。
「…おい、全然動かないゾンビ。こっちから挨拶した方がいいんじゃないゾンビ」
「ゾンビに挨拶って何よ。あとさっきから語尾にゾンビつけてるけどやめて。無性に殴りたくなるわ」
「はいすいません。あ、こっち向かってきた」
ゾンビはゆっくりとこちらに近づいてくる。
ゆっくりゆっくりと歩く。
「なんでこっちにくるの?」
「きっと挨拶してくれるんだよ。ほらゾンビになる前はしっかり者だったとか」
「そんなわけないでしょ。…ねえどんどん速くなってるんだけど」
ミアの言う通りゾンビは少しずつスピードが上がってくる。
「これ逃げた方が良くない?」
「…ふん!」ダッ!
「あ!なんで男が先に逃げるのよ!普通は女を守っていくものでしょう!」
俺は振り返りゾンビの反対方向に陸上選手顔負けの速さで走っていく。
ミアもそのスピードについてきてなんか叫んでいる。
「知るか!俺はお化け屋敷とか映画とか作り物なら大丈夫だが本物のグロはダメなんだよ!」
「さっきまで余裕そうだったじゃない!って前にもたくさんいるんだけど!?」
「へ?…ファー!!!?」
ミアから目線を外し前を見るとそこにはフラフラと歩くゾンビが何十体もいた。
ゾンビたちは俺たちに気づき走り出す。
「反対方向だ!逃げるぞ!」
「ダメよ!反対も同じくらいきてるわ!」
「な、なにー!」
俺たちは立ち止まり周りを見渡す。
どこにも逃げ道はなく俺たちの周りには何十体ものゾンビが取り囲んだ。
「エギル!どうするのよ!」
「フヒャヒャ!ゾンビだ…ゾンビ祭りだー!」
「壊れてる場合!?」
俺は少し冷静になり考える。
その間でもゾンビはじりじりとにじり寄ってくる。
そもそもこの世界に魔物なんて存在しないはずだ。
なのになんでゾンビなんていう魔物が存在する?
そんな事例本を読んでもなかった。
…つまり
「これはゾンビだー!フヒャヒャ!」
「1人でなにやってるのよ!」
俺が笑い狂いミアがそれをブンブンと揺らし正気に戻そうとしているとゾンビの群れの中から人の声が聞こえた。
「あれ?僕のフレンズとハニー達なんでこんなところで集まってるんだい?僕はここだよ!さあ!僕に飛び込んできな!」
その声が聞こえると同時に取り囲んでいたゾンビ集団はその声の元に群がっていく。
「あはは!かわいいな〜!みんな!こらこら噛まないの。くすぐったいだろ?ちょ、みんながっつかす…ぎ…」
その声の主はゾンビに押しつぶされながら何か言っている。
「なにぼーっとしてるのよ!あの人助けるわよ!」
「え?嫌だよゾンビ怖いもん。それにあの人だって楽しそうだから大丈夫だよ」
「なにが大丈夫よ!あの人手しか見えてないじゃない!手だけでなにが判断できるのよ!」
「大丈夫大丈夫。ほらグットサインしてるじゃん」
「あれは痙攣してるだけでしょ!」
「…あ、あのー…そ…そろそろ…たす…ケ………」
「あ、動かなくなった」
「ほら!いくよ!」
「えー」
俺はミアに引っ張られ無理やり手助けさせられる。
うわ、ゾンビ肌ブヨってしたんだけど…
俺とミアでゾンビを放り投げ埋まってた人を救出する。
「あのー大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫ですよ」
「そうですかー。よかったですね」
「ええ、あなた達のおかげで助かりましたよ」
そう言って男は立ち上がる。
その男は紫色の髪をしており紫のローブを着て全身紫一色だ。
しかし顔は幼さを残した可愛らしい顔をしている。
…女装とか似合いそうだな
「いや〜本当に助かりましたよ。僕のフレンズ達はみんな積極的すぎて困りますよ〜。本当に感謝してますよ。生身の人間の割に僕のためによく役立ってくれました」
男はニコッと可愛らしい笑みを浮かべる。
…ンン?何かこいつの口から変な文が聞こえたんだが気のせいか?
ミアをチラッと見ると何かを察したような顔をしている。
…ああ〜まじか、この言葉遣いに妙に生き物を拒絶するような発言、そしてゾンビというオカルトを喜んで受け止めている…間違いない奴だ。
「…お前…稲田だろ」
「あれ?なんで僕の前世の名前を知ってるんでしょうか?あ!もしかしてあなたも転生した方なのでしょうか?」
稲田は驚いたようにこちらを見てくる。
稲田 霊太…オカルト部部長。心霊現象や神話をこよなく愛する変人。
なぜか生き物に対しては口が悪い。
「察しが良くて助かるよ」
「へー…まあ僕はそんなことどうでもいいんですけどね。僕は生きてる物には興味ないですし」
「そういうと思ったよ。ミア、先を行くぞ」
「え!この人は置いて行くの!?同じ転生者なのに」
「いいんだよ。こいつはそういう奴だからな」
あいつのことは珍しいタイプの人間だったからよく観察してたがとても友人にいやそれ以前に話すことすら困難だろう。
「このゾンビ達だって所詮稲田が死んだ生き物の体使って遊んでただけだろ。こんなアホらしいのには付き合わなくていいんだよ」
「ちょっと待ちなよ」
「え?」
俺が街に向かって歩き出そうとすると突然稲田が俺の肩を掴んできた。
目に怒りを見せながら
「その言い方はちょっとムカつくね。僕がフレンズ達を使って遊んでた?違うよ!僕がフレンズ達に遊ばれていたんだよ!」
「そっち!?」
ミアのツッコミを無視して稲田が続ける。
「それにアホだって?僕のフレンズ達がアホだって!?許せない…許せないよ!君はここで僕のフレンズ達が倒してくれる!」
「なんか話噛み合ってなくね!?」
「問答無用だ!」
稲田は俺を突き放し後ろに下がる。
「カモーーン!!!フッレーンズ!」
稲田が叫ぶと地面からゾンビどもが呻き声を上げ這い出てくる。
「きもっ!無理無理無理!!ミア!どうしよう!」
「どうしようって半分はエギルのせいでしょ!…もう半分はあの人の頭の出来のせいだけど…とにかく!エギルがなんとかしなさいよ!」
「ハァ!?ミア本気で言ってんのか!」
「ほら!来るわよ!もう!一緒に戦ってあげるから我慢して戦いなさいよ!」
ミアの言うとおりゾンビ達はどんどん近づいてくる。
俺は覚悟を決める。
「ああ!もうわかったよ!やりますよ!」
「さっすがエギル。やるときはやるわね。…そこがかっこいいのかな?」
「なんかいったか?」
「なんでもないわよ。ほら来るわよ!」
「さあ〜!フレンズ達!そこのおもちゃで遊べるだけ遊んでいいよ!」
俺は両手の指輪に魔力と闘気を同時に込める。
「装着!ウォルフ・ガブトレット!」
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