努力という名の才能を手に異世界を生き抜く〜異世界チート?そんなのは必要ない!〜
さようなら 3
「ほらどうした?なんで動かないんだ?…それとも動けないのか?」
髪で目を隠した男は俺をおちょくるように喋りだす。
こいつの行動にはいちいちムカつくがこいつの言う通りだ。
俺は動けない、なぜだろうか?こいつの力?恐怖している?いや違う、俺はわからないんだ。
こいつは得体が知れない不気味さがある。
その不気味さのせいで俺は足が体が動かないんだ。
「んー…来ないなら俺から行くぜ?」
男はこちらにゆっくりと歩きだす。
どうするどうする!?何もしないで奴がここまで来たらガウさんみたいに食われてしまうかも知れない。
「ううう…お父さん…ヒッグ、お母さん…」
「ミア…」
そうだ、ここにあるのは俺の命だけじゃないんだ。
生き残った里のみんなとミアの命もあるんだ。
ここは…俺が食い止めてみんなを逃すんだ!
「…ミア」
「ヒッグ…エッグ…」
「ミア!!!」
「ひっ!?…エギル?」
「…みんなを連れて魔王軍がいない方向へ逃げろ。ミアならわかるだろう?」
「エギルは?エギルはどうするの?」
「俺が奴を食い止める。ミアはみんなを頼む」
「ヤダヤダヤダ!エギルがいなくなったら!私の家族は…みんな…」
「早くしろ!それに…ウォンさん達は死んでなんかいない!俺は生きてるって信じてる!だからミアも俺を信じろ!…俺がミアを置いて死ぬわけがない。ウォンさんとコンさんとの約束だ」
「わかった…みんな私について来て!」
ミアは里の生き残りのみんなを連れて森の中へ走って行く。
「おいおいおい!獲物は1匹たりとも逃がさねえぞ」
男はミア達を追おうと走りだすが俺が目の前に立ち行く手を阻む。
「…なんだお前?さっきまでビビって動けなかったカスじゃねえか」
「ビビってなんかいないさ。俺はお化け屋敷には強い方なんでね」
「は!お化け屋敷ごときでビビる方がおかしいわ!…富◯急は別だけどな…」
「さっきの言葉遣いから思ってたがお前…転生者だな。名前はなんだ?」
男は髪をかきあげるとつり上がった目が現れる。
「へーもしかしてお前もか?俺は小畑 渉だ!今の名前はラトミー」
小畑…確か身長が低いだけでそれ以外特に特徴もなかった男だったか?
「あのチビのか?随分と性格が変わったな」
「ああん!?俺はもうチビじゃねえ!どっちかって言うとお前の方が背が低いだろうが!てかそう言うお前こそ誰だ!なんで獣人の里に人族のお前がいんだよ!」
「俺は教えないぞ?」
こいつは馬鹿なのか?わざわざ教えることもないだろう。
ラトミーは目をピクピク痙攣させ
「なーんかお前、シャドとは違うウザさがあるな…もういい名前なんかどうでもいい。ブッ食ってやる!」
ラトミーは移動方法を歩きから走りに変える。
…ん?なんだ?こいつはもしかして…
ラトミーが俺の頭をつかもうと前に手を突き出す。
それを俺は一歩横に出て回避する。
「チッ!なかなかすばしっこいじゃねえか!これならどうだ!」
ラトミーは拳を連続で俺に叩き込む。
…遅っそ!何こいつあんだけ調子のっとってこんな弱いのかよ!いやもしかしたら素早さじゃなくて力が取り柄なのかもしれない。
俺は迫ってくる拳をあえて避けずに闘気を全力で頭に集中し奴の拳を受ける。
ゴキッ!
俺の頭から乾いた音が鳴り響く…奴の拳が砕けた音だ。
「ぎゃーー!!!い、いでえ!いでえよ!テメー!何しやがった!」
ラトミーは右手を抑えて地面を転がる。
…ガウさんはこんな奴にどうして…突然のことで反応できなかったのだろうか?そう思っても…ムカつくなこいつ。
こいつのせいでガウさんは
俺はラトミー向かって歩を進める。
「何をしたって別にこれといって特殊なことはしてねえよ。この世界で誰でも持ってる力を使っただけだ。お分かりですか?おチビ渉くん」
俺はラトミーに我を忘れさせようと挑発する。
するとさっきまで鼻水や涙を流し転がりまわっていたラトミーが突然動きを止める。
「今…なんつった?」
「あ?…ああ、おチビ渉くんって言ったんだよ」
ラトミーは足を地面に踏み込み足を軸にしてても使わず立ち上がる。…どんな筋力してやがんだ?
立ち上がったラトミーの顔を見るとその表情は先ほどまでの泣き顔でもなく挑発に乗って怒り狂うでもない無の表情だった。
「…俺はな、チビって言う奴は1回目は許してんだよ。…でもな、2回目言った奴は粉々にして食ってやるんだよ!お前も…食ってやるよ!アヒャヒャヒャ!」
ラトミーは口角を釣り上げ不気味に笑い出す。
なんだこいつ?さっきまでの不気味さがさらに増してやがる。
「特大大大大サーービース!今からおっ死ぬお前に面白いもの見してやるよ!瞬きしたら見逃すぜえ?」
ラトミーはそう言い終わると口が大きく広がり口が反転し…ラトミー自信を飲み込んだ。
「な!?」
「おぎゅ!オゴッ!あが…が………やあ、エギル君…こんばんわ。こんな夜遅くにどうしたんだい?」
ラトミーが立っていたところには…
「…ガウ…さん?」
「危ないじゃないか。ほら里の中に帰ろう」
「お前は…なんなんだ」
俺は構えガウさんをいつでも攻撃できるようにする。
「なんなんだなんてそんな酷いじゃないか。僕とエギル君は11年の付き合いだろう?…なあ!?エギルくぅーん?」
ガウさんは口角を釣り上げて先ほどのラトミーと同じ笑い方をする。
「ラトミー!その姿はどういうことだ!」
今ので確信した。こいつはラトミーだ。
ラトミーはガウさんの姿のまま笑い出す。
「アヒャヒャヒャ!そうかそうか!お前はエギルって言うのか!」
「なんで俺の名前がわかった…」
ラトミーは頭に人差し指を立て
「俺はなんでも知ってるぜ?3歳の頃この里に来てウォンって奴と11年修業していた。かーお前真面目ちゃんだね〜。こんな辛そうな修業やってたのかよ〜」
「まさかお前…ガウさんの体ごと記憶を食ったのか?」
「ピンポンピンポーン!俺が神より授けられしのうりょーく!そ・れ・は?…敵を食らい体!力!知恵!能力!すべてを奪う!暴食の力だ!アヒャヒャヒャ!」
ラトミーは両手を天にかざし空を仰ぐ。
「は!何が全てを奪うだ!俺を奪えるものならやってみな!」
俺は闘気を全身に込めラトミーに迫る。
「絶対防御の盾…ですわ〜」
ラトミーは女のような口調で話すと姿を変えていき歩く豚のような人の姿になる。
「な!?…どんな姿になっても俺の攻撃はお前には防げないはず!爪の型!」
俺は闘気を爪の形に整えラトミーに振りかざす。
キンッ!
「は、弾かれた!?」
「うふふ……この盾は動けなくなる代わりに一時的に出現する絶対防御の盾!どんな攻撃もこの盾の前には無力!」
ラトミーは俺の攻撃を防ぐと豚から元の姿に戻る。
「…なんで2つのチートを持っている?」
おかしい。チートは1人1つのはずだ。
あのゲス神が1人だけ差別するなんてすることはあり得ない。
「アヒャヒャヒャ!んなもん簡単だよ!食ったんだ!転生者をな!オーク族に転生した安藤 雪をな!」
安藤雪…クラスの中心メンバーの女子だったか?
和風美人だったがまさかオーク族に転生したとは…
ラトミーはゲスな話を続ける。
「面白かったぜ〜?オーク族の村に攻めた時によ偶然見つけて戦ったんだよ。そしたらあいつ戦い慣れてなくてよテンパって一日3回しか使えないこの盾を一回で全部使ってよ!簡単な食らえたんだよ!アヒャヒャヒャ!あ、ちなみにクソまずかったよアヒャヒャヒャ!」
「うるせえ…」
「あ?」
ラトミーは笑いを止め俺を見つめる。
「そのきたねえ口を閉じろ。クソチビが」
「て、てめー!2度ならず3度も!もう許さねえ!ぜってえころ「口を閉じろって言ったんだよ!肥溜めが!」ブカァ!!?」
俺は唾を撒き散らしながら叫ぶラトミーの後ろに回り込み闘気の込もった裏拳を叩き込む。
ラトミーは派手に転がって岩に直撃する。
「ひ…人が喋ってる最中に攻撃する奴が!「黙れって言ってんだよ…」ヒイッ!?」
俺は岩を背にして立ち上がったラトミーの目の前まで来て胸倉を掴み岩に叩きつける。
「お前の声はもう聞きたくない。ここで死ね」
「ひ、ヒイッ!ぜ!絶対防御の盾!」
ラトミーはオークの姿に変わる。
「アヒャヒャヒャ!これでお前の攻撃は通らないぜ!?残念だったな!」
「構わねえよ…壊れるまで殴る」
俺は闘気を両手に込めラトミーを守る盾を全力の連打で叩きつける。
「アヒャヒャヒャ!!!無駄無駄無駄!!!無駄なんだよ!これは絶対に壊れな…あ、あれ?た、盾が薄くなってる?」
ラトミーのいうとおりラトミーを守る盾はだんだんと薄くなっていく。
「壊れなくても、制限時間はあるに決まってんだろ。あのゲス神が与えた能力だぞ?絶対なんて能力はあるわけねえだろ」
「ま、待て待て待て!このまま攻撃し続けたら!俺ボコボコになるだろ!」
「だろうな、そのつもりで殴ってんだよ」
ラトミーは汗をダラダラとかき焦りだす。
「おいおい!エギル!いやエギルさん!落ち着きましょうよ!ほら!あなたの拳だって割れて血出てますよ?」
言う通り俺の手からは血がダラダラと流れ盾に血がこべりついている。
「構わねえよ。お前を殴れるならな」
「ふ、ふふふふざけんな!なんでお前がそんな必要に俺を攻撃すんだよ!たかが1匹虎殺したくらいだろ?なんでなんで!」
「それもあるがそれだけじゃねえ。お前はクラスメイトも殺した。つまりお前は情を持たない危険な奴ってことだ。そんな奴を生かして返すわけにはいかない。お前を生かして返したら必ず厄介なことになるからな」
盾はもう消える寸前までいった。
するとラトミーは錯乱して叫びだす。
「ヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダ!!!!」
「あばよおチビ渉くん…あの世で殺したみんなに詫びてこい」
「ヤダヤダヤダヤダー!!!ブッ!!!」
盾が消えると同時に俺のパンチが何十発もラトミーの顔面に叩き込まれラトミーは吹き飛んでいく。
しかしそのラトミーは空中で突然止まる。
「な?どうなってんだ?」
「フフフ、ラトミーはまだまだしごく必要があったようですね。能力に甘やかせ過ぎましたよ」
「!?いつの間に後ろに!」
俺が振り向くとそこにはピエロの格好をした男が立っていた。
「フフフ、御機嫌よう…シャド、ラトミーを下ろして兵達の元へ帰りなさい」
「…あいつ生きてるんですか?」
「ええ、生命力だけは一目置いてますからね」
「…チッ…今助けに行きます…」
シャドと呼ばれた男はそう言うと一瞬でその場から消えラトミーを抱えまた姿をあらわす。
ラトミーを抱えたままシャドはまた消えていった。
「な!待て!」
「おっと、ウォレイン様のお弟子さん。貴方には用はないのですよ。すみませんがここで眠っていてくださいね」
「どう言う意味…だ……」
俺は突然眠気に襲われその場に倒れてしまう。
「フフフ、ラトミーをもし貴方が殺していたら私も貴方を殺していましたよ。良かったですね、ラトミーがしぶとくて…では御機嫌よう」
ピエロの姿の男は姿を消す。
その場に残ったのは倒れたエギルのみだった。
髪で目を隠した男は俺をおちょくるように喋りだす。
こいつの行動にはいちいちムカつくがこいつの言う通りだ。
俺は動けない、なぜだろうか?こいつの力?恐怖している?いや違う、俺はわからないんだ。
こいつは得体が知れない不気味さがある。
その不気味さのせいで俺は足が体が動かないんだ。
「んー…来ないなら俺から行くぜ?」
男はこちらにゆっくりと歩きだす。
どうするどうする!?何もしないで奴がここまで来たらガウさんみたいに食われてしまうかも知れない。
「ううう…お父さん…ヒッグ、お母さん…」
「ミア…」
そうだ、ここにあるのは俺の命だけじゃないんだ。
生き残った里のみんなとミアの命もあるんだ。
ここは…俺が食い止めてみんなを逃すんだ!
「…ミア」
「ヒッグ…エッグ…」
「ミア!!!」
「ひっ!?…エギル?」
「…みんなを連れて魔王軍がいない方向へ逃げろ。ミアならわかるだろう?」
「エギルは?エギルはどうするの?」
「俺が奴を食い止める。ミアはみんなを頼む」
「ヤダヤダヤダ!エギルがいなくなったら!私の家族は…みんな…」
「早くしろ!それに…ウォンさん達は死んでなんかいない!俺は生きてるって信じてる!だからミアも俺を信じろ!…俺がミアを置いて死ぬわけがない。ウォンさんとコンさんとの約束だ」
「わかった…みんな私について来て!」
ミアは里の生き残りのみんなを連れて森の中へ走って行く。
「おいおいおい!獲物は1匹たりとも逃がさねえぞ」
男はミア達を追おうと走りだすが俺が目の前に立ち行く手を阻む。
「…なんだお前?さっきまでビビって動けなかったカスじゃねえか」
「ビビってなんかいないさ。俺はお化け屋敷には強い方なんでね」
「は!お化け屋敷ごときでビビる方がおかしいわ!…富◯急は別だけどな…」
「さっきの言葉遣いから思ってたがお前…転生者だな。名前はなんだ?」
男は髪をかきあげるとつり上がった目が現れる。
「へーもしかしてお前もか?俺は小畑 渉だ!今の名前はラトミー」
小畑…確か身長が低いだけでそれ以外特に特徴もなかった男だったか?
「あのチビのか?随分と性格が変わったな」
「ああん!?俺はもうチビじゃねえ!どっちかって言うとお前の方が背が低いだろうが!てかそう言うお前こそ誰だ!なんで獣人の里に人族のお前がいんだよ!」
「俺は教えないぞ?」
こいつは馬鹿なのか?わざわざ教えることもないだろう。
ラトミーは目をピクピク痙攣させ
「なーんかお前、シャドとは違うウザさがあるな…もういい名前なんかどうでもいい。ブッ食ってやる!」
ラトミーは移動方法を歩きから走りに変える。
…ん?なんだ?こいつはもしかして…
ラトミーが俺の頭をつかもうと前に手を突き出す。
それを俺は一歩横に出て回避する。
「チッ!なかなかすばしっこいじゃねえか!これならどうだ!」
ラトミーは拳を連続で俺に叩き込む。
…遅っそ!何こいつあんだけ調子のっとってこんな弱いのかよ!いやもしかしたら素早さじゃなくて力が取り柄なのかもしれない。
俺は迫ってくる拳をあえて避けずに闘気を全力で頭に集中し奴の拳を受ける。
ゴキッ!
俺の頭から乾いた音が鳴り響く…奴の拳が砕けた音だ。
「ぎゃーー!!!い、いでえ!いでえよ!テメー!何しやがった!」
ラトミーは右手を抑えて地面を転がる。
…ガウさんはこんな奴にどうして…突然のことで反応できなかったのだろうか?そう思っても…ムカつくなこいつ。
こいつのせいでガウさんは
俺はラトミー向かって歩を進める。
「何をしたって別にこれといって特殊なことはしてねえよ。この世界で誰でも持ってる力を使っただけだ。お分かりですか?おチビ渉くん」
俺はラトミーに我を忘れさせようと挑発する。
するとさっきまで鼻水や涙を流し転がりまわっていたラトミーが突然動きを止める。
「今…なんつった?」
「あ?…ああ、おチビ渉くんって言ったんだよ」
ラトミーは足を地面に踏み込み足を軸にしてても使わず立ち上がる。…どんな筋力してやがんだ?
立ち上がったラトミーの顔を見るとその表情は先ほどまでの泣き顔でもなく挑発に乗って怒り狂うでもない無の表情だった。
「…俺はな、チビって言う奴は1回目は許してんだよ。…でもな、2回目言った奴は粉々にして食ってやるんだよ!お前も…食ってやるよ!アヒャヒャヒャ!」
ラトミーは口角を釣り上げ不気味に笑い出す。
なんだこいつ?さっきまでの不気味さがさらに増してやがる。
「特大大大大サーービース!今からおっ死ぬお前に面白いもの見してやるよ!瞬きしたら見逃すぜえ?」
ラトミーはそう言い終わると口が大きく広がり口が反転し…ラトミー自信を飲み込んだ。
「な!?」
「おぎゅ!オゴッ!あが…が………やあ、エギル君…こんばんわ。こんな夜遅くにどうしたんだい?」
ラトミーが立っていたところには…
「…ガウ…さん?」
「危ないじゃないか。ほら里の中に帰ろう」
「お前は…なんなんだ」
俺は構えガウさんをいつでも攻撃できるようにする。
「なんなんだなんてそんな酷いじゃないか。僕とエギル君は11年の付き合いだろう?…なあ!?エギルくぅーん?」
ガウさんは口角を釣り上げて先ほどのラトミーと同じ笑い方をする。
「ラトミー!その姿はどういうことだ!」
今ので確信した。こいつはラトミーだ。
ラトミーはガウさんの姿のまま笑い出す。
「アヒャヒャヒャ!そうかそうか!お前はエギルって言うのか!」
「なんで俺の名前がわかった…」
ラトミーは頭に人差し指を立て
「俺はなんでも知ってるぜ?3歳の頃この里に来てウォンって奴と11年修業していた。かーお前真面目ちゃんだね〜。こんな辛そうな修業やってたのかよ〜」
「まさかお前…ガウさんの体ごと記憶を食ったのか?」
「ピンポンピンポーン!俺が神より授けられしのうりょーく!そ・れ・は?…敵を食らい体!力!知恵!能力!すべてを奪う!暴食の力だ!アヒャヒャヒャ!」
ラトミーは両手を天にかざし空を仰ぐ。
「は!何が全てを奪うだ!俺を奪えるものならやってみな!」
俺は闘気を全身に込めラトミーに迫る。
「絶対防御の盾…ですわ〜」
ラトミーは女のような口調で話すと姿を変えていき歩く豚のような人の姿になる。
「な!?…どんな姿になっても俺の攻撃はお前には防げないはず!爪の型!」
俺は闘気を爪の形に整えラトミーに振りかざす。
キンッ!
「は、弾かれた!?」
「うふふ……この盾は動けなくなる代わりに一時的に出現する絶対防御の盾!どんな攻撃もこの盾の前には無力!」
ラトミーは俺の攻撃を防ぐと豚から元の姿に戻る。
「…なんで2つのチートを持っている?」
おかしい。チートは1人1つのはずだ。
あのゲス神が1人だけ差別するなんてすることはあり得ない。
「アヒャヒャヒャ!んなもん簡単だよ!食ったんだ!転生者をな!オーク族に転生した安藤 雪をな!」
安藤雪…クラスの中心メンバーの女子だったか?
和風美人だったがまさかオーク族に転生したとは…
ラトミーはゲスな話を続ける。
「面白かったぜ〜?オーク族の村に攻めた時によ偶然見つけて戦ったんだよ。そしたらあいつ戦い慣れてなくてよテンパって一日3回しか使えないこの盾を一回で全部使ってよ!簡単な食らえたんだよ!アヒャヒャヒャ!あ、ちなみにクソまずかったよアヒャヒャヒャ!」
「うるせえ…」
「あ?」
ラトミーは笑いを止め俺を見つめる。
「そのきたねえ口を閉じろ。クソチビが」
「て、てめー!2度ならず3度も!もう許さねえ!ぜってえころ「口を閉じろって言ったんだよ!肥溜めが!」ブカァ!!?」
俺は唾を撒き散らしながら叫ぶラトミーの後ろに回り込み闘気の込もった裏拳を叩き込む。
ラトミーは派手に転がって岩に直撃する。
「ひ…人が喋ってる最中に攻撃する奴が!「黙れって言ってんだよ…」ヒイッ!?」
俺は岩を背にして立ち上がったラトミーの目の前まで来て胸倉を掴み岩に叩きつける。
「お前の声はもう聞きたくない。ここで死ね」
「ひ、ヒイッ!ぜ!絶対防御の盾!」
ラトミーはオークの姿に変わる。
「アヒャヒャヒャ!これでお前の攻撃は通らないぜ!?残念だったな!」
「構わねえよ…壊れるまで殴る」
俺は闘気を両手に込めラトミーを守る盾を全力の連打で叩きつける。
「アヒャヒャヒャ!!!無駄無駄無駄!!!無駄なんだよ!これは絶対に壊れな…あ、あれ?た、盾が薄くなってる?」
ラトミーのいうとおりラトミーを守る盾はだんだんと薄くなっていく。
「壊れなくても、制限時間はあるに決まってんだろ。あのゲス神が与えた能力だぞ?絶対なんて能力はあるわけねえだろ」
「ま、待て待て待て!このまま攻撃し続けたら!俺ボコボコになるだろ!」
「だろうな、そのつもりで殴ってんだよ」
ラトミーは汗をダラダラとかき焦りだす。
「おいおい!エギル!いやエギルさん!落ち着きましょうよ!ほら!あなたの拳だって割れて血出てますよ?」
言う通り俺の手からは血がダラダラと流れ盾に血がこべりついている。
「構わねえよ。お前を殴れるならな」
「ふ、ふふふふざけんな!なんでお前がそんな必要に俺を攻撃すんだよ!たかが1匹虎殺したくらいだろ?なんでなんで!」
「それもあるがそれだけじゃねえ。お前はクラスメイトも殺した。つまりお前は情を持たない危険な奴ってことだ。そんな奴を生かして返すわけにはいかない。お前を生かして返したら必ず厄介なことになるからな」
盾はもう消える寸前までいった。
するとラトミーは錯乱して叫びだす。
「ヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダ!!!!」
「あばよおチビ渉くん…あの世で殺したみんなに詫びてこい」
「ヤダヤダヤダヤダー!!!ブッ!!!」
盾が消えると同時に俺のパンチが何十発もラトミーの顔面に叩き込まれラトミーは吹き飛んでいく。
しかしそのラトミーは空中で突然止まる。
「な?どうなってんだ?」
「フフフ、ラトミーはまだまだしごく必要があったようですね。能力に甘やかせ過ぎましたよ」
「!?いつの間に後ろに!」
俺が振り向くとそこにはピエロの格好をした男が立っていた。
「フフフ、御機嫌よう…シャド、ラトミーを下ろして兵達の元へ帰りなさい」
「…あいつ生きてるんですか?」
「ええ、生命力だけは一目置いてますからね」
「…チッ…今助けに行きます…」
シャドと呼ばれた男はそう言うと一瞬でその場から消えラトミーを抱えまた姿をあらわす。
ラトミーを抱えたままシャドはまた消えていった。
「な!待て!」
「おっと、ウォレイン様のお弟子さん。貴方には用はないのですよ。すみませんがここで眠っていてくださいね」
「どう言う意味…だ……」
俺は突然眠気に襲われその場に倒れてしまう。
「フフフ、ラトミーをもし貴方が殺していたら私も貴方を殺していましたよ。良かったですね、ラトミーがしぶとくて…では御機嫌よう」
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