努力という名の才能を手に異世界を生き抜く〜異世界チート?そんなのは必要ない!〜
闘気 1
基礎づくりから一年が経った。
俺は今4歳になり若干背が伸びた気がする。
体も4歳にしてはかなりしっかりして並みの大人にも負けず劣らずの筋肉はあると思う。
今日俺はついに待ちに待った基礎終了とともにウォンさんに本格的な修行をつけてもらうことになった。
朝、いつもより早く起き支度をしコンさんの朝食作りの手伝いをしウォンさんとミアを起こしにいく。
これが俺の修行前の毎日の日課だ。居候させてもらってる身なのでこれくらいはしなくてはならない。
これは子供だからやらなくていいなんて甘っちょろいことを考えているミアへの当て付けでもあるが…
「ギル君いつも手伝い助かるよ」
コンさんが食器を洗いながら俺に話しかける。
「いえ、住まわせてもらってるんですから当然ですよ」
「そう?それでも助かるわよ。あのだめ男は手伝いなんて一回もしてくれない。ギル君はその点優しいし何よりかっこいいもの。将来きっとモテるわよ。その時はうちのミアももらってちょうだいね」
「ちょっとお母さん!何言ってるの!」
「そうだぞ!いくらギル坊だからってうちの可愛いミアはやることは出来んぞ!」
「あんたは手伝いをしてからそういうことを言いな!」
「手伝い?知らんな!そんな言葉!」
コンさんはウォンさんのその言葉を聞くと同時に目をギラつかせ
「そういう態度を取るんだね。そっちがその気なら私も本気で行くよ」
「おいギル坊!早く修行しに行くぞ!」
「え!?ちょっ!ウォンさん!?」
「待ちな!」
ウォンさんはコンさんの殺気をいち早く感じ取り俺を担ぎ窓から飛び出す。
コンさんは包丁や皿などを投げ飛ばしながらウォンさんを追いかけて来る。
……
「ふう、撒いたか?」
ウォンさんはいつもの土地に着くとあたりを確認する。
「よし、いないな。ギル坊、修行始めるぞ」
ウォンさんは担いでいた俺を地面に下ろす。
「いきなり過ぎない?」
「さっさとやりたかったんじゃないのか?せっかく教えてやるって言ってんのに」
「まあ、そうだけど」
ウォンさんはそこまで聞くとちょっと待ってろと言って走ってその場からいなくなる。
しばらくして戻ってくると片手に1つずつウォンさんほどの大きさの大岩を2個持ってきた。
「…それで何するの?」
「今から説明してやる。よいしょっと」
大岩を間隔を少し開け地面に下ろす。
「よし、じゃあ今から俺の拳闘術を教えてやる」
「おお!」
やっと…やっとだ!
これで俺でも少しは強くなれるはずだ!
ウォンさんは俺を見てフッと笑い
「おいおいギル坊。そんながっつくな。今から教えるのはまず闘気だ」
「…とうき?」
なんだとうきって
俺が唸っているとウォンさんが説明してくれる。
「いいかギル坊、闘気ってのはな闘う気と書いて闘気。その名の通り闘うときに纏う気のことだ。今から実際にやってみるから見てみろ。まずは何も小細工なしの普通の打撃だ」
ウォンさんは低く構えて正拳突きのような構えを取る。
そのまま腕を振り抜き岩を殴りつける。
すると岩がバラバラに砕けた。
「…ワァーオ」
これで普通のパンチ?本当にどうなってんのこの人の体。
俺の考えていることを気付かずウォンさんは続ける。
「こんな感じで普通の打撃だと崩れ方が不規則になるんだ。ここで手に闘気を纏うと」
ウォンさんは次に隣の岩を殴る。
すると岩は先ほどとは違い殴られた所から岩が粉々に砕けて行く、まるで水に浮かぶ波紋のように
そう思っていると殴られた岩はかけら1つ残さず粉々に砕け散った。
「こうなる」
こうなるって言われても…どうなってんのかわかんないんだけど
俺の表情を見てウォンさんはわかっていないと感じとり
「まあ最初はそういうもんなのかでいい。徐々に慣れていけ。正直1週間で闘気のとの字もわからないようならお前はむいてなかったってことだ」
「むう」
なんか今のウォンさんの言い方むかっとくるな。
よし!1週間なんか言わずに1日で覚えて驚かせてやる!
俺は闘気を感じ取ろうとする。
………ふむ、さっぱりわからん。
そもそも何?闘気を感じ取るってわけわかんないんだけど
俺のそんな様子を見てウォンさんは笑い出す。
「ガッハッハ!いきなりわかるわけないだろ!最初は少しずつ闘気を流してどの感覚が闘気なのか調べるところから始めるんだよ。こうやってな、ギル坊力抜いてリラックスしろよ」
俺は言われた通り脱力してダラ〜と立つ。
そんな俺の背中にウォンさんの手が触れる。
しばらくすると何か温かいものがウォンさんの手から流れてくる気がしてくる。
「これは?」
「何か感じたか?感じたならお前には闘気を学ぶ才能があるってことだ。よかったな」
「じゃあ俺ウォンさんの全部の技覚えられるってこと?」
「まあ本気になって修行すればな」
「わかった!早くやろう!」
俺は興奮しながらウォンさんに近づく。
「待て待て、まだ教えられねえよ。ギル坊闘気を感じ取れただけでうまく扱えないだろ?扱えなきゃ教えられるもんも教えられねえよ。今日からはまず闘気を完全にコントロールできるようにするトレーニングをしろ。俺はあっちで寝てるから終わったら教えてくれ」
ウォンさんはそれだけ言うと石を枕がわりにして昼寝を始める。
あの人すごい人なんだろうけどいつものあの人見てるととてもそうは見えないよな。
まあいい、今はとにかく闘気を動かす修行だ。
見てろ!すぐに闘気をマスターしてやるからな!
……4時間後
ウォンさんは目を覚ましあくびをする。
「ふぁ〜、さてとギル坊はどんな感じかな?…ギル坊?」
「…」
ウォンさんの視線の先には呆然と立っている俺の姿が映っているだろう。
「どうしたギル坊、腹でも壊したか?」
「…り…」
「あ?なんだって?」
俺は涙目になりながら大声で叫ぶ。
「無理です!」
だって!だってさ!なんなんこれ!いくらやってもやっても闘気なんて感じれるだけでうまくコントロールなんてできないんだけど!
いくら頑張ってどうすれば動かせるのか考えてもそもそも動かし方がわからないんですけど!
俺のその一言でウォンさんは
「あー、頭で考えるな。感じろ」
何だよその脳筋理論!
俺は結局闘気をマスターするどころかコントロールすら出来ず修行が終わった。
家に帰るとウォンさんがボコボコにされたのは言うまでもないだろう。
俺は今4歳になり若干背が伸びた気がする。
体も4歳にしてはかなりしっかりして並みの大人にも負けず劣らずの筋肉はあると思う。
今日俺はついに待ちに待った基礎終了とともにウォンさんに本格的な修行をつけてもらうことになった。
朝、いつもより早く起き支度をしコンさんの朝食作りの手伝いをしウォンさんとミアを起こしにいく。
これが俺の修行前の毎日の日課だ。居候させてもらってる身なのでこれくらいはしなくてはならない。
これは子供だからやらなくていいなんて甘っちょろいことを考えているミアへの当て付けでもあるが…
「ギル君いつも手伝い助かるよ」
コンさんが食器を洗いながら俺に話しかける。
「いえ、住まわせてもらってるんですから当然ですよ」
「そう?それでも助かるわよ。あのだめ男は手伝いなんて一回もしてくれない。ギル君はその点優しいし何よりかっこいいもの。将来きっとモテるわよ。その時はうちのミアももらってちょうだいね」
「ちょっとお母さん!何言ってるの!」
「そうだぞ!いくらギル坊だからってうちの可愛いミアはやることは出来んぞ!」
「あんたは手伝いをしてからそういうことを言いな!」
「手伝い?知らんな!そんな言葉!」
コンさんはウォンさんのその言葉を聞くと同時に目をギラつかせ
「そういう態度を取るんだね。そっちがその気なら私も本気で行くよ」
「おいギル坊!早く修行しに行くぞ!」
「え!?ちょっ!ウォンさん!?」
「待ちな!」
ウォンさんはコンさんの殺気をいち早く感じ取り俺を担ぎ窓から飛び出す。
コンさんは包丁や皿などを投げ飛ばしながらウォンさんを追いかけて来る。
……
「ふう、撒いたか?」
ウォンさんはいつもの土地に着くとあたりを確認する。
「よし、いないな。ギル坊、修行始めるぞ」
ウォンさんは担いでいた俺を地面に下ろす。
「いきなり過ぎない?」
「さっさとやりたかったんじゃないのか?せっかく教えてやるって言ってんのに」
「まあ、そうだけど」
ウォンさんはそこまで聞くとちょっと待ってろと言って走ってその場からいなくなる。
しばらくして戻ってくると片手に1つずつウォンさんほどの大きさの大岩を2個持ってきた。
「…それで何するの?」
「今から説明してやる。よいしょっと」
大岩を間隔を少し開け地面に下ろす。
「よし、じゃあ今から俺の拳闘術を教えてやる」
「おお!」
やっと…やっとだ!
これで俺でも少しは強くなれるはずだ!
ウォンさんは俺を見てフッと笑い
「おいおいギル坊。そんながっつくな。今から教えるのはまず闘気だ」
「…とうき?」
なんだとうきって
俺が唸っているとウォンさんが説明してくれる。
「いいかギル坊、闘気ってのはな闘う気と書いて闘気。その名の通り闘うときに纏う気のことだ。今から実際にやってみるから見てみろ。まずは何も小細工なしの普通の打撃だ」
ウォンさんは低く構えて正拳突きのような構えを取る。
そのまま腕を振り抜き岩を殴りつける。
すると岩がバラバラに砕けた。
「…ワァーオ」
これで普通のパンチ?本当にどうなってんのこの人の体。
俺の考えていることを気付かずウォンさんは続ける。
「こんな感じで普通の打撃だと崩れ方が不規則になるんだ。ここで手に闘気を纏うと」
ウォンさんは次に隣の岩を殴る。
すると岩は先ほどとは違い殴られた所から岩が粉々に砕けて行く、まるで水に浮かぶ波紋のように
そう思っていると殴られた岩はかけら1つ残さず粉々に砕け散った。
「こうなる」
こうなるって言われても…どうなってんのかわかんないんだけど
俺の表情を見てウォンさんはわかっていないと感じとり
「まあ最初はそういうもんなのかでいい。徐々に慣れていけ。正直1週間で闘気のとの字もわからないようならお前はむいてなかったってことだ」
「むう」
なんか今のウォンさんの言い方むかっとくるな。
よし!1週間なんか言わずに1日で覚えて驚かせてやる!
俺は闘気を感じ取ろうとする。
………ふむ、さっぱりわからん。
そもそも何?闘気を感じ取るってわけわかんないんだけど
俺のそんな様子を見てウォンさんは笑い出す。
「ガッハッハ!いきなりわかるわけないだろ!最初は少しずつ闘気を流してどの感覚が闘気なのか調べるところから始めるんだよ。こうやってな、ギル坊力抜いてリラックスしろよ」
俺は言われた通り脱力してダラ〜と立つ。
そんな俺の背中にウォンさんの手が触れる。
しばらくすると何か温かいものがウォンさんの手から流れてくる気がしてくる。
「これは?」
「何か感じたか?感じたならお前には闘気を学ぶ才能があるってことだ。よかったな」
「じゃあ俺ウォンさんの全部の技覚えられるってこと?」
「まあ本気になって修行すればな」
「わかった!早くやろう!」
俺は興奮しながらウォンさんに近づく。
「待て待て、まだ教えられねえよ。ギル坊闘気を感じ取れただけでうまく扱えないだろ?扱えなきゃ教えられるもんも教えられねえよ。今日からはまず闘気を完全にコントロールできるようにするトレーニングをしろ。俺はあっちで寝てるから終わったら教えてくれ」
ウォンさんはそれだけ言うと石を枕がわりにして昼寝を始める。
あの人すごい人なんだろうけどいつものあの人見てるととてもそうは見えないよな。
まあいい、今はとにかく闘気を動かす修行だ。
見てろ!すぐに闘気をマスターしてやるからな!
……4時間後
ウォンさんは目を覚ましあくびをする。
「ふぁ〜、さてとギル坊はどんな感じかな?…ギル坊?」
「…」
ウォンさんの視線の先には呆然と立っている俺の姿が映っているだろう。
「どうしたギル坊、腹でも壊したか?」
「…り…」
「あ?なんだって?」
俺は涙目になりながら大声で叫ぶ。
「無理です!」
だって!だってさ!なんなんこれ!いくらやってもやっても闘気なんて感じれるだけでうまくコントロールなんてできないんだけど!
いくら頑張ってどうすれば動かせるのか考えてもそもそも動かし方がわからないんですけど!
俺のその一言でウォンさんは
「あー、頭で考えるな。感じろ」
何だよその脳筋理論!
俺は結局闘気をマスターするどころかコントロールすら出来ず修行が終わった。
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