れいぶる~自宅警備隊~
☆key
昼間の暑い日差しが嘘のように涼しい夜。
棒アパートの一室ーー
「悪かったな。リアルの世界で別件があって鏡面世界のゲートがなかなか見つからなかったんだ」
通信デバイスで連絡をとっている少年。
二十代位で短髪、瘦せ型でクールな印象を受ける。
「ーー第十二支部が、そうか、うん、神崎って同じ名字だとは思ったがやはりそうか。向こうは何て?ーー分かった。気を付けろよ、第九支部がこれで諦めたとは思えないからな」
通信デバイスを切りパソコンを起動させる。
メールが一件届いていることに気付く。
メールが届いたのはだいぶ前のようだった。
「ーー最近忙しくてパソコンの電源入れてなかったからな」
誰も聞いてないが自然と独り言が出てくる。
メールのアイコンをクリックする、
「・・・ちいちゃんからだ」
表情が柔らかくなりしばらくそのメールを読んでいた。
返信のメールを打たずそのままパソコンを閉じ、ベランダへ歩き出すとタバコに火を付けたーー
「俺は、ちいちゃんが思ってるような人間じゃないよ・・・」
寂しげな表情を浮かべ空を見上げた。
吐き出すタバコの煙が夜空の星を消していった。
★ ★ ★
「優梨奈のお兄さん大丈夫?」
「ウチのお母さんも何か優梨奈のお兄さんのこと、いろいろ噂してたよ」
「ーーうん、大丈夫だよ。ちょっと体調が余り良くないだけ」
手を振り友達と別れた優梨奈は家路に着いた。
表情は硬く玄関のドアを開くのを躊躇している様にも見える。意を決してドアを開けると、
「うわああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「止めなさいカケル、お願いよ」
奇声を上げている兄、それを止めている母親の声が聞こえた。
ゆっくりと階段を上り二階の自分に部屋に行こうとすると兄の部屋のドアの隙間から変わり果てた兄の姿が見えたーー
頭も良くてスポーツも出来てカッコ良かったあの頃の兄の姿はそこにはなかった。
優梨奈は自分の部屋に入るとベットに倒れこんだ。
優梨奈は今でも鮮明に覚えているーー兄の変わる元凶を。
あの時、兄を止めることが出来なかった自分がいる。誰よりも兄が大好きでいつも側にいた。一番の理解者だと思っていたのに。
「ーーごめんね。お兄ちゃん」
優梨奈は倒れ込んだまま涙を流したーー
隣の部屋では暴れる兄の騒がしい物音が聞こえてくる。
* * * * * * * * * * * * *
優梨奈は目を覚ましたーー最近は昔のことを思い出すことが多い。
特に昨日は会いたくなかった兄、カケルに出会ったからだった。
「お兄ちゃん昔の頃に戻ったみたいだったな」
表情が緩む優梨奈。
「自宅警備員の中でも一目置かれた存在だしやっぱりお兄ちゃんはカッコ良いなあ」
着替えをしながら兄のことを考えていると、
通信デバイスが慌しく音を立てるーー
「こんな朝早く何?」
兄との妄想をぶち壊しにされて不機嫌になる優梨奈。
「何キレてんだ?それにもう昼間だ。やはりリベンジを仕掛けられた。第九支部早坂姉妹がお出ましだ。直ぐに来てくれ」
「ーー分かったわ。それでも少し時間かかるわよ」
「ああ、何とか時間稼ぐよ」
「・・・あの、おに、第十二支部との・・・」
「ん?何だ」
「うんん。何でもない直ぐに行く」
通信デバイスを切った優梨奈。
「今ならお兄ちゃんと一緒に・・・」
急いで着替える優梨奈だったーー
★ ★ ★
鏡面世界第七支部ーー
「コレでもくらええ!おねえちゃん」
「ゆず、任せて!」
早坂姉妹の合体魔導弾が少年を襲うーー
「爆発」
突然何もない空間に爆発が起きるーー
早坂姉妹の魔導弾を殲滅させた。
「ーーーー!!」
呆気にとられ言葉を失う早坂姉妹。
「何なのアイツ」
「ーーもう一回よゆず」
「くらえええええ」
「はあ!」
魔導弾を出した瞬間ーー
「爆発」
衝撃音と共に大爆が起き早坂姉妹と魔導弾もろとも吹き飛ばす。
「くっーー厄介な特異能力者」
「第七支部なんかにこんなヤツがいたなんて姫ちゃんに連絡しなきゃ」
体から煙を上げ浮いているのがやっとの早坂姉妹。
「トドメだ!ハイライトボム」
大気中の空気が生暖かくなる、 あたりは静寂に包まれる、 パチパチと無数の小さな火花な弾ける。
次の瞬間、大爆発と爆音と共に早坂姉妹の周辺一帯が火柱が上がったーー
「派手にやってくれんじゃないの?ウチの可愛い妹分の顔に傷でも付いたらどーすんのよ」
「「ーー姫ちゃん」」
「ーー高魔導障壁」
「女に手をあげてタダで帰れると思わないでくれる!」
「喧嘩を売って来たのはそっちからでこちらは正当防衛だけどな」
「言い訳する男はモテないわよ!」
乙姫がステッキを振ると空気の塊が空条を襲うーー
「うっーー」
真面に衝撃波を受け口から血を流す。
「キーくんお待たせ」
少女がどこからともなく現れたーー
「えっ?いつ現れたの?」
急に現れた少女に驚く乙姫。
「姫ちゃんあいつよ。昨日のテレポート女」
柚葉は優梨奈を指差す。
「おせーよ!あのフリフリの女が多分、ランクAの乙姫ってヤツだ。相手してらんねえよ。神崎頼む」
「うん。強制離脱」
「ーーーー!!」
第九支部のメンバーの前から一瞬でキーと神崎は姿を消した。
「ああ逃げられた。第七支部二人だけだって油断してだけど厄介な特異能力者二人とは侮れないわね」
「あの男が神崎って呼んでたよね?第十二支部の神崎と関係あるのかな?」
「たまたま一緒なだけじゃない」
「・・・面白そうな話ね。試してみようかしら」
「姫ちゃんコワイよぉぉぉ」
不敵な笑みを浮かべて高笑いする乙姫、その声が第七支部に木霊するーー
* * * * * * * * * * * * *
空条紀伊=key (爆発ボム)B++
神崎 優梨奈B (テレポート)
棒アパートの一室ーー
「悪かったな。リアルの世界で別件があって鏡面世界のゲートがなかなか見つからなかったんだ」
通信デバイスで連絡をとっている少年。
二十代位で短髪、瘦せ型でクールな印象を受ける。
「ーー第十二支部が、そうか、うん、神崎って同じ名字だとは思ったがやはりそうか。向こうは何て?ーー分かった。気を付けろよ、第九支部がこれで諦めたとは思えないからな」
通信デバイスを切りパソコンを起動させる。
メールが一件届いていることに気付く。
メールが届いたのはだいぶ前のようだった。
「ーー最近忙しくてパソコンの電源入れてなかったからな」
誰も聞いてないが自然と独り言が出てくる。
メールのアイコンをクリックする、
「・・・ちいちゃんからだ」
表情が柔らかくなりしばらくそのメールを読んでいた。
返信のメールを打たずそのままパソコンを閉じ、ベランダへ歩き出すとタバコに火を付けたーー
「俺は、ちいちゃんが思ってるような人間じゃないよ・・・」
寂しげな表情を浮かべ空を見上げた。
吐き出すタバコの煙が夜空の星を消していった。
★ ★ ★
「優梨奈のお兄さん大丈夫?」
「ウチのお母さんも何か優梨奈のお兄さんのこと、いろいろ噂してたよ」
「ーーうん、大丈夫だよ。ちょっと体調が余り良くないだけ」
手を振り友達と別れた優梨奈は家路に着いた。
表情は硬く玄関のドアを開くのを躊躇している様にも見える。意を決してドアを開けると、
「うわああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「止めなさいカケル、お願いよ」
奇声を上げている兄、それを止めている母親の声が聞こえた。
ゆっくりと階段を上り二階の自分に部屋に行こうとすると兄の部屋のドアの隙間から変わり果てた兄の姿が見えたーー
頭も良くてスポーツも出来てカッコ良かったあの頃の兄の姿はそこにはなかった。
優梨奈は自分の部屋に入るとベットに倒れこんだ。
優梨奈は今でも鮮明に覚えているーー兄の変わる元凶を。
あの時、兄を止めることが出来なかった自分がいる。誰よりも兄が大好きでいつも側にいた。一番の理解者だと思っていたのに。
「ーーごめんね。お兄ちゃん」
優梨奈は倒れ込んだまま涙を流したーー
隣の部屋では暴れる兄の騒がしい物音が聞こえてくる。
* * * * * * * * * * * * *
優梨奈は目を覚ましたーー最近は昔のことを思い出すことが多い。
特に昨日は会いたくなかった兄、カケルに出会ったからだった。
「お兄ちゃん昔の頃に戻ったみたいだったな」
表情が緩む優梨奈。
「自宅警備員の中でも一目置かれた存在だしやっぱりお兄ちゃんはカッコ良いなあ」
着替えをしながら兄のことを考えていると、
通信デバイスが慌しく音を立てるーー
「こんな朝早く何?」
兄との妄想をぶち壊しにされて不機嫌になる優梨奈。
「何キレてんだ?それにもう昼間だ。やはりリベンジを仕掛けられた。第九支部早坂姉妹がお出ましだ。直ぐに来てくれ」
「ーー分かったわ。それでも少し時間かかるわよ」
「ああ、何とか時間稼ぐよ」
「・・・あの、おに、第十二支部との・・・」
「ん?何だ」
「うんん。何でもない直ぐに行く」
通信デバイスを切った優梨奈。
「今ならお兄ちゃんと一緒に・・・」
急いで着替える優梨奈だったーー
★ ★ ★
鏡面世界第七支部ーー
「コレでもくらええ!おねえちゃん」
「ゆず、任せて!」
早坂姉妹の合体魔導弾が少年を襲うーー
「爆発」
突然何もない空間に爆発が起きるーー
早坂姉妹の魔導弾を殲滅させた。
「ーーーー!!」
呆気にとられ言葉を失う早坂姉妹。
「何なのアイツ」
「ーーもう一回よゆず」
「くらえええええ」
「はあ!」
魔導弾を出した瞬間ーー
「爆発」
衝撃音と共に大爆が起き早坂姉妹と魔導弾もろとも吹き飛ばす。
「くっーー厄介な特異能力者」
「第七支部なんかにこんなヤツがいたなんて姫ちゃんに連絡しなきゃ」
体から煙を上げ浮いているのがやっとの早坂姉妹。
「トドメだ!ハイライトボム」
大気中の空気が生暖かくなる、 あたりは静寂に包まれる、 パチパチと無数の小さな火花な弾ける。
次の瞬間、大爆発と爆音と共に早坂姉妹の周辺一帯が火柱が上がったーー
「派手にやってくれんじゃないの?ウチの可愛い妹分の顔に傷でも付いたらどーすんのよ」
「「ーー姫ちゃん」」
「ーー高魔導障壁」
「女に手をあげてタダで帰れると思わないでくれる!」
「喧嘩を売って来たのはそっちからでこちらは正当防衛だけどな」
「言い訳する男はモテないわよ!」
乙姫がステッキを振ると空気の塊が空条を襲うーー
「うっーー」
真面に衝撃波を受け口から血を流す。
「キーくんお待たせ」
少女がどこからともなく現れたーー
「えっ?いつ現れたの?」
急に現れた少女に驚く乙姫。
「姫ちゃんあいつよ。昨日のテレポート女」
柚葉は優梨奈を指差す。
「おせーよ!あのフリフリの女が多分、ランクAの乙姫ってヤツだ。相手してらんねえよ。神崎頼む」
「うん。強制離脱」
「ーーーー!!」
第九支部のメンバーの前から一瞬でキーと神崎は姿を消した。
「ああ逃げられた。第七支部二人だけだって油断してだけど厄介な特異能力者二人とは侮れないわね」
「あの男が神崎って呼んでたよね?第十二支部の神崎と関係あるのかな?」
「たまたま一緒なだけじゃない」
「・・・面白そうな話ね。試してみようかしら」
「姫ちゃんコワイよぉぉぉ」
不敵な笑みを浮かべて高笑いする乙姫、その声が第七支部に木霊するーー
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空条紀伊=key (爆発ボム)B++
神崎 優梨奈B (テレポート)
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