れいぶる~自宅警備隊~
☆疾走事件④
朝日が起きたばかりの目に眩しい、目覚まし代わりにスマホが音を立て騒ぎたてるーー
「カケルくん? 中央本部のイズミです。昨日は、ごめんなさいね。立て込んでいた要件はもう分かってるわよね?」
「ーーええ、そうじゃないかと思ってました。僕たちがお電話させて頂いたのもその事についてです」
「カケルくん達もこの件について何か得た情報があるの?」
「ええ、是非お伝えって言うか相談ですね」
「ーー分かったわ。今から中央本部に来られる?」
「大丈夫です。すぐにそちらに向かいますね」
顔を洗い、タンスの上に無造作に脱ぎ捨てられてる服を適当に選んで着替えると財布とスマホをポッケに入れて中央本部に行くため玄関のドアを開けたーー
( げっ、最悪のタイミングだ )
「ん? カケちゃんどっか行くの」
玄関のドアを開けた丁度のタイミングでエリカが現れた。
「ーーちょっとな。上がってて良いぞ。みんなも来るかもしれないから・・・じゃ」
僕は、適当にエリカをあしらってそのまま行こうとすると、
ギュッ
「待ちなさいよ!私も一緒に行くわ」
行こうとする僕の服を掴み行く手を阻む。
「なっ、何でだよ。ちなっちゃんや柊もそろそろ来るかもしれないじゃん。誰か留守番してた方が良いかも」
エリカは目を細くして疑いの眼差しを僕に突き刺す。
「ーーなんか怪しいわね。カケちゃんどこに行くのよ」
「どこにって・・・ちゅ、中央本部だよ。昨日の件で」
その言葉でピンと来たのか不敵な笑みを浮かべるエリカ。
「さあ、一緒に行くわよ」
強引に腕組みさせられエリカに連れて行かれる僕だったーー
☆
エリカは、黙っていれば誰もが羨ましいがるほどの可愛い女の子ではある。
顔は小さくて目は少しつり目で大きくて吸い込まれるような気さえする。
たまにこうやって隣にエリカが来ると香水なのかシャンプーなのか凄く良い香りがする。
ただ、性格がね・・・
僕がそんな風にエリカのことを考えているとエリカと目が合ったーー
「何よ。人の顔をジロジロ見てーー」
「ーーたまたま目が合っただけだよ。それにそろそろ腕組みを解いてくれよ」
「そんなに照れなくていいのに。私と二人きりで腕組んでデートしてるのに嬉しくない訳?」
エリカは、じっと僕の目を見つめて顔を近づけてきた。
本当、黙ってれば可愛いのにーー
柄にもなく心臓の鼓動が早くなるのを感じる。
「エ、エリカ・・・」
「カケちゃん・・・」
足を止め見つめ合う二人。
止まる時間ーーーー
「何やってんすかあ!!お二人さん」
このアホみたいな口調と馬鹿でかい声はーー
一瞬で僕とエリカは我に返った。
「ーーーー」
エリカは下を向きながら何やらブツブツと僕には聴き取れないが明らかに不機嫌になっている。
振り返ると柊と珍しく千夏も一緒に立っていた。
「お嬢、何、神崎さんとベッタリくっついてんすか、俺という男がいるのに」
「何邪魔してんのよ!死ねクズ」
「あざーすお嬢、ツンツンいただきました」
( ひいらぎぃぃぃ、普通に嫌われてるぞ )
「千夏珍しいわね、自ら外に出てるなんて」
「うん、コンビニで支払いがあったの。そしたら偶然、柊くんが居たから一緒に」
千夏がもじもじしながら一生懸命喋っていると、
「自分が姫を守ってきました」
「勝手に喋るな!聞いてない!」
「了解っす」
( 柊・・・お前見てると悲しくなるよ )
「私たち今から中央本部に昨日の件を相談しに行くの。千夏も一緒に行こう」
千夏は「うん」頷き、エリカと手を繋いで二人で微笑みを交わした。
「自分も暇なんで一緒にーー」
「絶対、来ないで!」
エリカの容赦ない一言がジャックナイフの様に切り裂く。
・・・・・・
「神崎さああああん」
柊の声が都会の真ん中に響いた。
★ ★ ★
第十二支部から第六支部までは、モノレールで十五分程だ。
新トーキョーに限り鉄道は廃止され全てモノレールでどの支部にも行ける。
僕たちはモノレールに乗り第六支部へと向かった。
「今から会うのってイズミさんっすか?あの人メチャ美人ッスよね」
柊のその一言でまたしてもエリカの顔付きが変わる。
眉間にシワを寄せ柊を睨むーー
「あ、ああ、イズミさんだよ」
横目でエリカの顔付きを伺いながら喋った。
( 柊、面倒くさいぞお前 )
「中央本部に行く前に聞いておきたい事あるの」
珍しく千夏がはっきりした口調で喋る。
いつものノートパソコンではなく外出用のタブレットを手に持っている。
「昨日の局長の会見、一見まとまっていて爆弾発言の記者会見でみんな終わってるけどおかしな点ががあるの」
「おかしな点?」
僕は、昨日の記者会見の様子を思い浮かべながら聞き返す。
「まずは、新種のクリーチャーがなぜ自由に出入り出来ると断定出来たの?」
「それは、第三支部の音声再生でーー」
「言ってないの。それと鏡面世界の中はどうなっているのか分からないのに生きている可能性があると言っているの。まるで見てきたかのような口調で」
「中央本部は初めから鏡面世界があることを知っていたってことなのか?クリーチャーの正体も?全てーー」
「可能性は十分あると思います。中央本部は何か知っているし隠してると思うの」
千夏の話を聞いて成る程と考えさせられているとモノレールは停車駅に着いた。
駅から歩いて数分、中央本部に着いたーー
* * * * * * * * * * * * *
155/? ( 18 )
無口な女の子
ショートボブに少しウエーブがかかっている。
垂れ目。
適性ランクC
能力 ( エリアウォール )
「カケルくん? 中央本部のイズミです。昨日は、ごめんなさいね。立て込んでいた要件はもう分かってるわよね?」
「ーーええ、そうじゃないかと思ってました。僕たちがお電話させて頂いたのもその事についてです」
「カケルくん達もこの件について何か得た情報があるの?」
「ええ、是非お伝えって言うか相談ですね」
「ーー分かったわ。今から中央本部に来られる?」
「大丈夫です。すぐにそちらに向かいますね」
顔を洗い、タンスの上に無造作に脱ぎ捨てられてる服を適当に選んで着替えると財布とスマホをポッケに入れて中央本部に行くため玄関のドアを開けたーー
( げっ、最悪のタイミングだ )
「ん? カケちゃんどっか行くの」
玄関のドアを開けた丁度のタイミングでエリカが現れた。
「ーーちょっとな。上がってて良いぞ。みんなも来るかもしれないから・・・じゃ」
僕は、適当にエリカをあしらってそのまま行こうとすると、
ギュッ
「待ちなさいよ!私も一緒に行くわ」
行こうとする僕の服を掴み行く手を阻む。
「なっ、何でだよ。ちなっちゃんや柊もそろそろ来るかもしれないじゃん。誰か留守番してた方が良いかも」
エリカは目を細くして疑いの眼差しを僕に突き刺す。
「ーーなんか怪しいわね。カケちゃんどこに行くのよ」
「どこにって・・・ちゅ、中央本部だよ。昨日の件で」
その言葉でピンと来たのか不敵な笑みを浮かべるエリカ。
「さあ、一緒に行くわよ」
強引に腕組みさせられエリカに連れて行かれる僕だったーー
☆
エリカは、黙っていれば誰もが羨ましいがるほどの可愛い女の子ではある。
顔は小さくて目は少しつり目で大きくて吸い込まれるような気さえする。
たまにこうやって隣にエリカが来ると香水なのかシャンプーなのか凄く良い香りがする。
ただ、性格がね・・・
僕がそんな風にエリカのことを考えているとエリカと目が合ったーー
「何よ。人の顔をジロジロ見てーー」
「ーーたまたま目が合っただけだよ。それにそろそろ腕組みを解いてくれよ」
「そんなに照れなくていいのに。私と二人きりで腕組んでデートしてるのに嬉しくない訳?」
エリカは、じっと僕の目を見つめて顔を近づけてきた。
本当、黙ってれば可愛いのにーー
柄にもなく心臓の鼓動が早くなるのを感じる。
「エ、エリカ・・・」
「カケちゃん・・・」
足を止め見つめ合う二人。
止まる時間ーーーー
「何やってんすかあ!!お二人さん」
このアホみたいな口調と馬鹿でかい声はーー
一瞬で僕とエリカは我に返った。
「ーーーー」
エリカは下を向きながら何やらブツブツと僕には聴き取れないが明らかに不機嫌になっている。
振り返ると柊と珍しく千夏も一緒に立っていた。
「お嬢、何、神崎さんとベッタリくっついてんすか、俺という男がいるのに」
「何邪魔してんのよ!死ねクズ」
「あざーすお嬢、ツンツンいただきました」
( ひいらぎぃぃぃ、普通に嫌われてるぞ )
「千夏珍しいわね、自ら外に出てるなんて」
「うん、コンビニで支払いがあったの。そしたら偶然、柊くんが居たから一緒に」
千夏がもじもじしながら一生懸命喋っていると、
「自分が姫を守ってきました」
「勝手に喋るな!聞いてない!」
「了解っす」
( 柊・・・お前見てると悲しくなるよ )
「私たち今から中央本部に昨日の件を相談しに行くの。千夏も一緒に行こう」
千夏は「うん」頷き、エリカと手を繋いで二人で微笑みを交わした。
「自分も暇なんで一緒にーー」
「絶対、来ないで!」
エリカの容赦ない一言がジャックナイフの様に切り裂く。
・・・・・・
「神崎さああああん」
柊の声が都会の真ん中に響いた。
★ ★ ★
第十二支部から第六支部までは、モノレールで十五分程だ。
新トーキョーに限り鉄道は廃止され全てモノレールでどの支部にも行ける。
僕たちはモノレールに乗り第六支部へと向かった。
「今から会うのってイズミさんっすか?あの人メチャ美人ッスよね」
柊のその一言でまたしてもエリカの顔付きが変わる。
眉間にシワを寄せ柊を睨むーー
「あ、ああ、イズミさんだよ」
横目でエリカの顔付きを伺いながら喋った。
( 柊、面倒くさいぞお前 )
「中央本部に行く前に聞いておきたい事あるの」
珍しく千夏がはっきりした口調で喋る。
いつものノートパソコンではなく外出用のタブレットを手に持っている。
「昨日の局長の会見、一見まとまっていて爆弾発言の記者会見でみんな終わってるけどおかしな点ががあるの」
「おかしな点?」
僕は、昨日の記者会見の様子を思い浮かべながら聞き返す。
「まずは、新種のクリーチャーがなぜ自由に出入り出来ると断定出来たの?」
「それは、第三支部の音声再生でーー」
「言ってないの。それと鏡面世界の中はどうなっているのか分からないのに生きている可能性があると言っているの。まるで見てきたかのような口調で」
「中央本部は初めから鏡面世界があることを知っていたってことなのか?クリーチャーの正体も?全てーー」
「可能性は十分あると思います。中央本部は何か知っているし隠してると思うの」
千夏の話を聞いて成る程と考えさせられているとモノレールは停車駅に着いた。
駅から歩いて数分、中央本部に着いたーー
* * * * * * * * * * * * *
155/? ( 18 )
無口な女の子
ショートボブに少しウエーブがかかっている。
垂れ目。
適性ランクC
能力 ( エリアウォール )
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