れいぶる~自宅警備隊~
結成!第十二支部小部隊
カーブミラー(道路反射鏡)から現れた謎の人物。
術式を帯びた銃を扱ってきた。
「エリカ、僕がヤツに攻撃を仕掛けたらみんなの所へ」
「ーー分かったわ」
僕は、一瞬たりとも奴から目を離さない。
万が一、僕ではなく離れている第十二支部のメンバーに攻撃の矛先が向けられようともそれを回避出来るようにだ。
僕は、魔弾を練り上げる。
そして何もない空間から術式を帯びた銃を取り出す。
その刹那、奴から動き始めたーー
一瞬で間合いを詰めて来た。
銃を取り出したので使わせないように間合いを詰めて来たのだ。
( 戦闘パターンを把握している? )
ノーモーションの銃の攻撃ではなく今度はナイフで接近戦を仕掛けてきた。
エリカは、その隙にみんなの元へ走って行くのが見えた。
彼女を守りながら戦うのは流石に厳しい。
銃でナイフの攻撃を回避し、後方へ跳んで間合いを取り隙があれば一発お見舞いしてやろうと考えていたが、
( 思ってる以上に反応速度が速い )
ローブを纏った人物はすぐさま、距離を詰めてナイフで攻撃を仕掛けてくるーー
( レイブルを使っていて振り切れない反応速度って・・・何者なんだ )
「俺がこのままで終わると思うなよ!」
僕は、ナイフで攻撃した瞬間に体を入れ替えて足払いし、ローブの人物を倒した。
そして、一気に距離を取り最速で魔弾を練り上げる。
「永久に彷徨う此の世ならざる者よ 浄化の力により消え去りたまえ 《魔弾ラグナ・リボルバー》」
光の閃光がローブの人物に向かって放たれたーー
辺り一面が真昼のように照らし出される。
「ーーまさか・・・」
ローブの人物は、ボロボロになりながらも立ち上がった。
「嘘だろ・・・魔弾が直撃したのに立ち上がるなんて」
目を疑いたくなる光景だったーー
今までどんな敵でもほぼ一撃で仕留めてきた僕の最高で最強の武器だった。
しかしーーこのカーブミラー(道路反射鏡)から現れた謎のローブの人物は立ち上がった。
ボロボロになり千鳥足でコミュニケーションセンターの方へと歩き出した。
そっちの方には、第十二支部のメンバーがいるのにーー
余りのショックからか思うように脚が動かない。
「みんな、逃げるんだ! 仕留め損ねた」
僕は腹の底から大きな声で叫んだ。
「俺はもう逃げないッス!」
柊がハンドガンを構えるーー
「お、お、俺も戦う!」
カイトもガチガチと震えながらハンドガンを構えている。
柊とカイトの背後にエリカと千夏が見を寄せ合いながらやはりハンドガンを構えている。
「みんな・・・」
( クソ! 動けよ。僕の脚!!)
太ももを殴りながらローブの人物と第十二支部のメンバーの動向を伺う。
しかしーーローブの人物は、メンバーを無視してコミュニケーションセンターの正面ゲートへと向かって行く。
「あれ? アレ?」
拍子抜けする柊。
「た、助かったーー」
腰が抜けたのか地面に尻もちを着くカイト。
「ちょっと見てアレ」
エリカが指さしたのは先程のローブの人物がコミュニケーションセンターの入り口ゲートに吸い込まれるように入って行く瞬間だった。
僕が見た最初のT字路のカーブミラーと同じように入り口ゲートの自動ドアも液体状のように歪みその中にローブの人物はまた入って行ったのだ。
僕もホッとしたのか?
レイブルのチカラを使った反動か地面に倒れ込んだ。
( ああ、疲れた。 それにしても何者だったんだアイツは? )
そんな事を考えていると倒れ込んでいる僕の顔を覗き込む影がーー
「さすがランクAね。噂どおりだわ」
「・・・けど倒し損ねちゃったけどな」
複雑な表情を浮かべながら僕は起き上がった。
「それでも私たちをあなたは助けてくれたじゃない」
「そうッスよ。神崎さんが居なかったら俺たちは死んでたかもしれないッス」
「俺らも一緒に戦うよ」
千夏もうん、うんと頷いていた。
「みんな、ありがとう。改めて宜しく」
ここに新トーキョー第十二支部自宅警備隊小部隊結成した。
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