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運命の人に出会えば

太もやし

ブライアンの呪い


 ラルフは翌日、ミニッツ家をキースと共に訪れた。
 ミリィはソフィーの家で勉強していることを知っていたラルフは、執事にブライアンの部屋に通してもらうと、部屋に充満している気配に鼻を鳴らした。

 学生時代、三人の中で誰よりもかっこいいと持て囃されたブライアンはみる影もなかった。頬はげっそりと痩せ、健康的だった浅黒い肌は真っ白だ。
 ラルフとキースは、学友の病状に言葉をなくした。

「見舞いに来てくれてありがとう、二人とも。医者に尋ねても何もないと言われるが、どうにも体調が治らないんだ」

 ブライアンは自分が情けないと、眉を下げて笑う。
 しかし、二人はブライアンの病状の理由が即座に分かった。契約獣の気配がブライアンから色濃く出ているのだ。

「左胸を見せろ。何かアザができてるだろ?」

 二人にはこの優しいブライアンが、契約獣に呪われる理由が全くわからなかった。呪った者への怒りで、思わず口調も荒くなる。
 契約獣が呪うと、その証として心臓の上に紋章が現れる。呪われた者の命は、契約獣が握り、いつでも殺せる状況になる。ことは一刻を争っている。

「アザ? この鳥みたいなアザのことかな? 一年前に急にできたんだ」

 ブライアンは寝間着の胸を広げ、アザを見せる。
 そのアザは確かに翼を広げた鳥の形を象っている。

「呪いができる鳥の契約獣か? 俺は知らないな。ラルフは?」

 キースは顎に手を当て、アザをまじまじと見る。しかし、他家のことにあまり興味がない彼にはわからない。
 そんなキースにラルフは溜め息をつく。ラルフも事情通ではないが、呪いができる契約獣を持つ一族は有名だから知っている。

「キース、お前は次男だからとはいえ、勉強不足だぞ。呪いができる鳥の契約獣といえば、グレイ家だ。そのアザはカラスだな」

 紋章貴族の力を罪のない人間に使ったことに怒りがわいてくる。一年前から生殺与奪を握り、なにも知らないブライアンを突然痛めつけるなんて許せる行為ではない。
 ブライアンはとても優しく、困っている人がいれば救う性格をしている。
 先輩に苛められていた同級生を守るために、ブライアンは大人数の先輩に立ち向かった。そんなブライアンに、ラルフとキースは力を貸し、苛めた先輩を叩きのめすことで改心させた。その時から、三人の友情は始まったのだ。
 そんな弱い者を助けるために自分より強い者に立ち向かう彼は、二人の自慢の親友なのだ。

「安心しろ、ブライアン。すぐに呪いを解いてやる。体調を戻したら、三人で朝まで飲むぞ、付き合えよ」

 ラルフはグレイ家に向かうことにし、キースはブライアンの傍にいることにした。

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